212話
お昼一話夜一話です。
少しだけ104話を更新しました。
サイから大砲を、ロックリザードからは岩を獲得。それを全部研究所に預けて別のお仕事。
サキュバス行きます。
「そんなわけで今日はよろしくお願いします」
「よろしくな!」
「よろしくお願いします!」
「クル!」
サキュバス行きますってことは、別の人を連れていくってことで。
丸山さんと三崎さんに来てもらいましたわー。
「うー」(パチパチ
「わー」(パチパチ
「くる?」
「なんとなく」
気の抜けた拍手はなんとなくです。
さて、非常に面倒なのだが、今日はサキュバスの催眠・・・催淫?どっちか決まってないんだけど、これを確かめに行く。
何故かよくわからんが、俺には効かないのでこの二人とバン君に来てもらった。
ちなみに、この子もいる。
「・・・ワー」
「うー」
「???ハクシュ?」
「う!」(パチパチ
「コウ?」(パチパチ
「うーうー」
アリシアちゃんである。
この31層連れてくるのは危ないんじゃないかって話はあるんだけど、そんなこと言ったら三崎さんも丸山さんもダメなので。
二人のレベルだとどっちにしろ危険レベルだ。実際、ちょっとここに来る前に戦ってもらったけど、非常に危なかった。
「でも意外と丸山さん強いんすね」
「え、俺弱いと思われてたの?」
「いや、だってですね?」
丸山さんってちょっと前のコロちゃんみたいな感じ・・・遠距離攻撃持ってない人だ。
試しで戦ってもらったのは30より下なんだけど、格上相手に近接仕掛けて勝負になっていたのだ。
『筋力強化』だっけ?そのスキルの効果が非常にいい感じに働いていたようだ。
三崎さんが途中で俺たちが助けに入ったのに対して、丸山さんは本当に最後まで俺たちの助けなしで戦えてた。
「そんなわけでちょっと意外でしたね」
「ああ~言われてみると。丸山君って一人で結構戦える方かも?」
「自慢じゃないけど、うちだと一番強いんだけどなぁ」
「あ、そうなんすね」
それも以外・・・でもないか?藤岡さんと姉ちゃん。割と後衛タイプだしな。
スキルの構成上仕方ない気もするけど、それ抜きに考えても一番強くなりやすいのかもしれない。
苦戦が多ければ多いほど、レベルアップ時の能力上昇幅は大きくなる。
なんだかんだ苦戦がさほど多くない俺と比べても伸び方はいい方なのかもしれない。
ちなみに、なんで姉ちゃんと藤岡さんがいないのかというと、あの二人は二人でお仕事なのだ。
具体的には、物産展関連のお仕事だ。
物産展自体が終わっても、いろいろある・・・らしい。
そろそろ真面目に探すか
「いた?」
「ちゅ!」
「ワン!」
「ありがと」
ねっさんとコロちゃんがすでにサキュバスを見つけてくれていた。
今俺たちのいる場所から近い場所に二体いるらしい。
「んじゃ、そっちに行きますか」
「案内よろしくね」
「頼んだぞ~」
「ちゅ~」
「ワフ~」
サキュバスを確認。
近くに隠れていったん様子を見る。
「お、いたいた」
「あれが・・・」
「確かに健全コンテンツには出せない見た目してるなぁ」
コンテンツの話したのは丸山さんね?
「う?」
「ん~俺も一応前出とくか」
「うちは?」
「フミは待機で。・・・しーちゃん頼める?」
「めぇ」
前に出るのは俺、三崎さん、丸山さん、しーちゃん。
人間の俺たちは当然として、しーちゃんが前に出る理由はいざって時に俺たちを止める子要因。
『雷魔法』は対象の無力化に非常に便利だ。基本避けられないからな。
三人と一匹で奴らの視界に入る。
こちらに気がついて、奴らも構えるが
「・・・ん?」
「・・・めぇ?」
「いや、なんもねぇなぁって」
相も変わらず、俺には何も起きない。
ていうか、今こいつらなんかしてるのか?
疑問に思ったその時、丸山さんから攻撃された。
「お」
「めぇ!」
「ガァ!?」
丸山さんのレベルは、すでに20層を越えているだろう。20の後半くらいまでは余裕で通用するレベルはあると思われる。
だが、今の攻撃は明らかにそれを超えていた。不意打ち+近くにいたということを差し引いても、今の蹴りは俺でもギリギリだった。
すぐにしーちゃんに気絶させられたからこれ以上はないだろうけど。スタンガンの理屈を教えておいてよかった。
丸山さんがこうなったってことは、三崎さんは?
「・・・あれ?」
「あれ?」
「めぇ?」
何もなし。なんでだ?男じゃないとダメとか?
「いったん倒す!」
「めぇ!!」
しーちゃんの放電だ。二体のサキュバスは、俺たちに催眠が効かないのに驚きそのまま雷に飲まれ消滅。
「そしていったん退避!」
「めぇ!」
「え?あれ?何かされたんですか丸山君!?」
今気がついたの?
しーちゃんに丸山さんを乗せてもらい、えっさほいさとフミたちのところまで退避。
フミたちから見てどうだったかも含めて議論タイムだ。
「どう見えた?」
「ん~恭輔は相変わらずって感じやったな」
「というと?」
「意に介さないってやつや」
「三崎さんは?」
「微妙に効いてたわ」
「・・・効いてたの?」
「効いてたんですか?」
本人に自覚はない模様。
確かに、様子を俺から見ても催眠が効いてない感じだったけど?
「ああ、アリシアがレジストしてもうたんよ」
「・・・ダメダッタ?」
「アリシアちゃんが?」
「しかもレジストって?」
何気に俺も聞いたことない単語じゃないか?
「恭輔は自分でしとるよ?」
「ああ、催眠をかけられてもそれを弾いてる感じか」
「そういうことや」
ニホリはそういうことはできないから、それはアリシアの持っているスキルなのか。
そういえば、アリシアのスキル知らないな。後で聞かなきゃ。
それは一旦置いておこう。
俺と三崎さんはどうにかできる。じゃあ、丸山さんは?
「あれがまさに催眠された状態や」
「おお~」
「どうなってたんです?」
「無言で俺の事蹴りに来ましたね」
「ええ!?」
三崎さん・・・ていうか、アリシアのやったレジストはまだ完全じゃないみたいだな。
微妙に意識がなかったみたいだ。俺達の状況も把握できてなかったらしい。
「・・・な、なるほど」
「あ、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか・・・」
丸山さん割と早く起きたな。
本人が頑丈なのか、しーちゃんの手加減が上手なのかどっちだ。
「覚えてます?」
「ぼんやりとだけどな。急にガツンと頭殴られた感じはあって、そこから覚えてない」
「ああ、しーちゃんの魔法ですねそれ」
催眠にかけられた瞬間は、特に何も感じないのか?
厄介な、気がついたら催眠にかけられてることもあるってことか。ていうか、第三者から見たら催眠にかけられたことも分からんのか。
前兆がないのだから仕方ないのかもしれないけど。
まぁ。どうしたら効かないのかちゃんと見なきゃいけないから、しばらく繰り返すことになる。
その間に、いろいろ試さなきゃな。
 




