208話
13話の部分でミスがございましたので修正しました。
感想でご報告してくださった方、ありがとうございます。
昼一話夜一話です。
「うーん。ダンジョンの変更・・・」
「できるもんなのか?」
「いや、そこらへんはうちは全く知らんし」
「うー」
「やっぱりダメか」
「まぁ何か起きてからでええんとちゃう?」
「それしかないか」
まぁお楽しみってことで取っておくか。
34層突入。
物産展も終わったのでこれでしばらく自由だ。
そんなわけでちょっとご無沙汰になっていた階層攻略へ。ドライアドがボスだったことも考えて、今回の階層は森なのではと思ったら大正解。
「緑一色」
「なんやそれ?」
「麻雀」
今度教える。
「ん?反応が普通にあるな」
「そらな。ずっと下に潜っとるわけやないし、あとドライアド以外にもおるし」
「それもそうか」
なんだかんだでここ最近の階層は条件満たしてないからか、一種類の敵しか見かけなかったな。
前のところヒュドラは結局見なかったし。だからと言ってわざわざ調べに行くってわけでもない。
今は下に行く方が優先されるしな。どこかで詰まったらやるかも。
「クゥ?」
「ダメ」
「ワン?」
「ダメ」
「めぇ」
「だーめ」
まぁ敵の魔力うんぬんより、みんなやる気・・・殺る気が満ちてる。
森ごと焼く?とか、切り刻む?とか、危険だからそういうことお外で言っちゃゃだめですよ。
「そもそも森毎焼いたらもう一種類見られないやんけ」
「クゥ~」
「ワフ?」
「切れ時良すぎて木もモンスターも関係なしだからダメ」
「めぇ?」
「雷も似たようなもんだろ」
なんで今日に限ってこんなにやる気なのか。
あれか、最近下の階層に行かなかったから暇だったのか。まぁ俺も手ごたえはないなとか思ってたけど。
「ほら、最初の一回はちゃんと調べなきゃいけないから」
「ワン・・・」
「クゥ・・・」
「めぇ・・・」
「しーちゃんまでこんなんって珍しいね」
どんだけストレスだったの?
ていうか、そういうのだったら他の子の方が暴れそうなんだけど。
「そこんとこどう?」
「ぴ?」
「き?」
「ちゅ?」
「る?」
「にゃ?」
「あらそう?」
全員、遊んでたから問題ないとのこと。ねっさんもそっち側なのか。ピッちゃんは絶対にそうだろうなって思ったけど。
ん~。割と大人な方な子がああなってるってことは、やりがいはやっぱり欲しいってことなんだろうな。
そら俺だってある程度は欲しいけど・・・ああ、もしかして俺は疲れきるまで動いてたから大丈夫なだけか。
「・・・大丈夫そうなら自由行動でいいから最初は我慢してね?」
「ワン!」
「クゥ!」
「めぇ!」
「よし」
聞き分けの良さで世界一獲れるよ。
皆のやる気もどうにかなったところで先に進もう。
現時点では森ということしかわからない。敵にドライアドがいるのは確定だろうから、そこらの植物にも注意を払っていかないといけない。
なーんか微妙に魔力が出あたりでなかったりしてるんだよねぇ。擬態してると魔力反応もでないとかあってもおかしくはないな。
「コロちゃん匂いは?」
「・・・ワン」
「ねっさん敵いる?」
「・・ちゅ?」
多分って何?
「敵っぽくないって感じ?」
「ちゅ!」
「コロちゃんの方は・・・植物と判断つかない系?」
「ワン」
「むむむ」
そうなると厄介だな。索敵担当二匹が地味に働けないのはキツイ。
俺も魔力が感知できてないから、すらっぴも微妙かもしれない。
森だから空中からの偵察もできない。バトちゃんとかピッちゃんでもダメ。
ふーりんちゃんはある意味でいろいろ地形を無視できるけど、今回では意味がないか。
「仕方ない。正面突破で」
「ワン!」
「クゥ!」
「めぇ!」
「・・・なんや、毎回そんな気もしとるんやけど」
「うー」
行くぞー
「いや一切来ないじゃん」
「クゥ・・・」
「ワフ・・・」
「めぇ・・・」
おかしい、なんかいるのはいるのだ。近くに来ても反応しない。
そのせいで戦闘が一切ない。
結果的にコロちゃん達ががっかりしてる。
「ええ~こいつら完全に俺に気がついてるよな?」
「・・・」
「おーい」
「・・・」
「・・・燃やす?」
「・・・」(ビク
「気がついてはいるんだな」
ん~?俺の言葉に反応はするんだよな・・・。
ということはだ、別に寝てるとかそういうわけじゃないってことだ。
また条件付きか・・・
「でもわざわざ無抵抗なやつの条件満たすのもなぁ・・・」
「恭輔そういうところやさしいんやな」
「だってなぁ・・・」
これがだよ?どこかに入ったら問答無用とかだったら戦うんだけど。
こいつらに何かしないと戦わないっていうなら・・・ほっておいてよくね?とか思うし。静かにしてるだけなら・・・ねぇ?
「ちなみにもう一種類は・・・こいつでいいのか?」
「カカカ」
なんだろうか・・・この緑の生き物は・・・
「精霊やで」
「う!」
「・・・ふーりんちゃんと一緒?」
「まぁちょっと違うやけど。大体一緒やな」
ほほう。確かに言われてみると精霊っぽいかもしれん。
緑色なんだが、時々透けている。顔は大きな穴が三つ・・・おそらく目と口なんだろうけど。
何より丸い。ウィスプみたいにも見えるが、奴らは火の球って感じだからな。こんなに丸くないし。
あ、ウィスプって一応精霊なんだっけか?そら似てるわな。
「でもうち、上に上がってくる時にむっちゃ戦ったんやけど」
「え、なんかしたのか?」
「いやぁ。普通に上がってきただけやしなぁ・・・」
でも今は何もされてないよな。じゃあフミが無意識に何かしたか?もしくは今と昔で何かが違うとかか?
逆に、何もしてないと襲われるが、条件を満たすと襲われないとかか?
む~・・・ちょっと調べるか?
「ワン」
「あ~そうか。仕方ない。先行くか」
コロちゃん達のフラストレーションがやばいので先に行きます。
この様子ならボス部屋まですぐだろうしな。




