206話
これ読みなおして俺も夜は寝なきゃなって思いましたよ。
昼一話夜一話です。
物産展二日目。
一日目は途中からダンジョンに潜っていたので詳しくは知らないが、やはり大盛況。
とんでもない来客数だったらしい。事件こそ起きなかったようだが、関係者は大変だったようだ。
ギリギリ食品関係は間に合ったようだが。
魚に関しては倒す方法が簡単なので肉関係より元の数が多く今もまだ数不足になっているってこともない。
ただ肉に関しては人気もあり全く足りないそうだ。予測では今日のお昼までもたないらしい。
まぁそれをどうにかするために俺たちがいまの今まで潜ってたんだけど。
「ねっむい」
「大丈夫?」
「う?」
「まだOK」
夜更かし通り越して徹夜だったよ。
しかしその甲斐あってか、大量に手に入れることができた。特にオークの肉。ニホリの『幸運』に頼りながらダンジョン内を走り回るフミとコロちゃんの絵面はすごかった。なんも見えない。
「ヨミさんもあんがと」
「いえいえ~義兄さまのためですから」
「・・・なにそれ」
「いや、お姉さまのお相手ならこれかなって」
「雪ちゃん?」
「いや、雪ちゃんのお父さんです」
何してんだ社長。
「それでは、戻りますね。あ、お土産ありがとうございます~
「うーうー」
「あんがとなー」
そのまま帰宅するヨミさん。
『倉庫』に大量に手に入れた肉をぶち込んで運搬するのを繰り返してもらったからある意味で俺たちより大変だっただろう。
俺たちはある程度殲滅しちゃうと少し待たないと敵が出てこなくなるから休憩時間はあった。
しかしヨミさんは俺たちがいる階層をグルグル回って家戻ってまたグルグル回るを繰り返してた。
ニホリと一緒に箱詰めも手伝ってくれたみたいで、お土産にいろいろ持たせた。雪ちゃんと食べてくれるだろう。ニホリお手製クッキー。
「それはそれとして流石に疲れたわ」
「せやなぁ」
「う?」
「いや、俺は山の方も行ってたから」
「うー」
うちのダンジョンだけでは時間が無駄になりそうだったので、俺だけ近所の山のダンジョンまで向かってそこでまた殲滅。
集めるだけ集めて家に戻るという我ながらよくやったなって所業をやった。
まぁそんな俺につきあってたみんなもクタクタなんだけど。
「・・・」(ウツラウツラ
「・・・」(カクン
「寝ろ」
「・・・ワン」
「・・・クゥ」
「俺で寝るんかい」
コロちゃんとふーちゃんもお眠。寝ろと言ったらなぜか俺の膝に頭乗せて寝始める。俺もベッド行きたいんだけど。
既に荷物は全部渡し終えている。後はトラックが無事に会場に届くことを祈っておこう。その前に寝るけど。
今現在、うちの中で元気なのはニホリとフミだけ。正確には、フミも眠いんだけどまだ一徹目やから問題ないで?とのこと。
ニホリは途中で俺が寝かせたので元気なのだ。ピッちゃんとかはすでに俺の部屋で寝てる。寝どこまで一直線だった。
なんならあのしーちゃんですら寝てる。クール羊しーちゃんがうとうとしてるのは可愛かった。ユニちゃんと一緒に身を寄せ合って寝てた。
「今何かおきたら対応できないな」
「来られても困るわ」
「うー」
「ニ三日に一回くらいのペースでも問題って多いんだなって」
十日に一回くらいがいいなぁ・・・
「う?」
「あ~・・・なにか今この体勢で食べられるものを」
「う!」
「動かす?」
「いや、今はまだいいよ。みんなにも頑張ってもらったし」
「それもそか、じゃあうちも~」
「・・・どこに来る気?」
「・・・」
「・・・頭?」
「乗るのか・・・?」
狸モードでもバランス悪いと思うんだけど・・・。
「ああ、そうだ。携帯取って」
「携帯?」
「テーブルの上に置いてあると思われ」
「ええっと・・・あ、これやな。はい」
「あんがと」
さて、携帯を取ってもらった理由は物産展の事を調べるため。
今はまだ朝早いので今日分は始まってないが、昨日の感想とかはあるはず・・・
「おお、割と好評」
「よかったやん」
「だな。やっぱり肉は驚かれてるな・・・」
普通の豚肉や牛肉に比べて明らかにおいしい。わかりやすく高い肉の味がするからな。
それが安いってんだから、驚きだわな。牛串一本100円。
「安いん?」
「お祭り感覚を含めるとむっちゃやすい」
「へぇ~」
「それでおいしいからなぁ」
そこ大事だよな。
「でもあんまり魚に関して感想ないのはなんでだ?」
「肉の方が人気やからやないの?」
「それ?それで感想ないとかある?」
ああ、まぁお祭りとかは確かに肉か・・・。
でも魚だっておいしいしな。特に差があるとは思わないけど。
「ん?ああ、そういうことか」
「おん?」
「いや、どうも元のモンスターが原因みたいだわ」
オークやミノタウロスとかの肉がおいしいってのは割とよくある話だろう。
だからこそ、有名なモンスターってこともあり興味本位で買うって人が非常に多い。
しかし、魚はピラニアみたいねモンスターだ。見た目的においしそうじゃない。あと別に有名ってわけでもないし。そもそも見た目ただの魚だし、変わり種かって話でもない。
そらあんまり感想もないわな。買われてないってわけじゃないみたいなんだけど。
「うーうー」
「あんがと。お、話をしてたら魚が」
「う!」
「あ、うちの分も?ありがと~」
「うー」
私も食べる~と一緒にソファに並んで座る。右からフミコロちゃん俺ふーちゃんニホリ。
コロちゃんとふーちゃんは寝てるけど、
ニホリが作ってくれたのは、切り身を挟んだサンドイッチだ。
アボカドも挟まれており食べごたえはある。
「いただきます」
「いただきます」
「うーう」
あむっと三人一斉に食べだす。
うまっとか心で思っていたら、匂いに敏感な子が起きた。
「・・・ワン」
「起きた」
「う?」
「・・・ワフ」
「うー♪」
いい匂いでお腹は減ったようだ。まだ少し寝ぼけているが、なんか食べるとのこと。
ニホリもすでにみんな分の食事を準備してたらしく、持ってくるね~と言ってフワ~とキッチンに飛んでいった。
「このようすだよ、すらっぴも起きそうだな」
「すらっぴは食べ物に敏感やからな」
「それにつられてねっさんも起きる」
「ねっさんが起きたのに気がついてバトちゃんも起きるんちゃう?」
「部屋に誰もいないからピッちゃんも気がつくでしょ」
「ロラちゃんも降りて来るやろなぁ」
「みんな来るからふーちゃんも起きるじゃん」
「家の中がうるさくなるからしーちゃんたちも起きるんちゃう?」
「・・・全員起きるな」
「せやな」
「・・・早く食べてニホリ手伝うか」
「まだ寝るのは遠いなぁ」
皆お腹は減るからね。仕方ないね。
「うーうー」
「ああ、あんがと・・・いやこれ」
「お祭り仕様や」
「う」(ドヤ
コロちゃん達のご飯として用意されていたのは肉盛り合わせ。しかもしゃんとおしゃれになってる。
肉で花とか作ってあるし。
「・・・夜に準備してた?」
「う」
「暇だったかぁ・・・」
いや、だから夜は寝てよ・・・




