200話
200話まで来ましたね自分でもここまでこれてびっくり兼うれしいです。
そしてなによりここまで読んでくださり誠にありがとうございました。これかもよろしくお願いします。
昼一話夜一話
物産展目指しての収集もやらなきゃいけないんだが、結構急なことだったからな。俺にも俺の予定があるのだ。
33層ボス戦突入。
今俺たちがいる部分だけ開いている森だ。広いようで、動くことのできる範囲が絶妙に狭い。
平坦な土地が少なく、足場が悪い。
なんでここに来てるかと言うと、元々ここまでは来る予定だったのだ。
そもそも物産展の話をされたのが33層に入る直前。次の階層は終わらせると言うことだけは伝えてある。
ちょくちょく他の階層にも物を集めに行ってたけど、俺はほとんどここの探索をしてた。
「はひがへっふんやほーなー」
「行儀悪いで恭輔」
「・・・何が出てくるんだろうなー」
今のは俺もいかん思うわ。
さて、時間がないってことは俺のボス討伐も微妙にせかされている。
ぶっちゃけ。今日がタイムラインぎりぎりだったりするのだ。
「・・・ところで敵は?」
「え?もう来てるで」
「おん・・・お!?」
「ワン!」
俺が気づいて、コロちゃんがみんなに知らせる。
敵は下から来ている。
「おっと!!」
「クゥ!?」
「めぇ!」
飛びのく、燃やす。受け流すで全員が回避に成功。
俺たちが避けたのは植物の根っこだ。
「トレント!?」
「ちゃうで~」
「んん~?」
「・・・ちゅ?」
「はい?いない?」
ねっさんの分身たちが周囲を探索してくれていたようなんだが、周りに敵がいないのだ。
根っこによる攻撃が来たから、すでに出てきているものと思ったんだけど。
「じゃあずっと下にいんのかこいつ!?」
「ぴ~・・・」
「面倒くさいなこれ!?」
地下にいるってだけで攻撃手段がなくなる。俺以外。
「引きずりだすぞ!」
「ワン!」
「きき!」
「るる!」
最近の戦闘中、俺の魔法は『土魔法』じゃなくなることが多い。
特に、ボス戦では『昇華』の影響で変化してしまう。しかし、変化しようができることにかわりはない。
むしろ、少ない魔力で大きな規模に影響を及ぼせる。
俺を中心に円状に魔力を浸透させる。敵の位置と、干渉する地面の範囲を決定する。
「・・・見つけた!集合!」
「わーい」
「うー」
俺を中心に魔法を使うってことは、俺の周り以外は全部ひっくり返しちゃうわけで。
皆によって貰って巻き込まないようにしないと使えない。
敵は、そこまで深い位置にはいなかった。しかし、根っこなどが邪魔をしてピンポイントに引き釣り出せない。
だから広い範囲でまとめてやる必要がある。
だが敵も馬鹿じゃない。俺たちが全員纏まっているのをわかっている。
俺たちめがけて、貫こうと根っこが向かってくる。
「む?止められるかこれ?」
「ぴ!」
「き!」
「だよね!!」
無理だって。まぁ仕方ないか。
魔力の浸透をそのままに、魔法の内容を変える。
根っこが通ってくる地面を圧縮して硬くする。根っこを受けて止めるのではなく、捕まえる形だ。
これで、一回は防げる。敵も防がれたのに気がつく、他の根っこがこちらに向かってくる。
「でも二回目は俺の方が速いんだよ!!」
根っこが来る前に、俺があたり一帯の地面をひっくり返す。
敵がいる部分の地面を丸ごと浮かせて、無理やり敵を露出させる。
「!??!?!?」
「おお、声にならない悲鳴とはあれのことか」
「クゥ!!」
出てきたのは緑の植物を纏った人型のモンスター。ドライアドってやつ?
しかし、俺がゆっくり観察できたのはここまで。
ふーちゃんが燃やしちゃったから。
「あ」
「あ」
「・・・う?」
「・・・ワフ!?」
「めぇ!?」
「ぴ!?」
「きき!?」
「る!?」
「ちゅ!?」
「クゥ~」
満足げなふーちゃん。ストレス発散できてよかったね。
・・・いや、そうじゃない。
宝箱でてきちゃた。
「え!?これで終わり!?」
「う!?」
「はぁ~こういう倒し方あるんやなぁ」
「よっっっわ!!」
ふーちゃんの『豪炎魔法』は確かにかなりの火力だ。そして、植物のモンスターであるやつは燃えやすいんだろう。
だからって一撃ってことある?
「まぁこいつは倒す手順ある敵やし」
「ええ?」
「出てくる根っこを、全部どうにか対処すると本体がくるんよ」
「ああ・・・根っこの対処で時間くうのか」
「まさか本体無理やり引っ張って、空中で燃やし尽くすなんてなぁ」
「なんか、最近のボス戦むっちゃ簡単か難しいかの二択しかないんだけど?」
俺たちが対応できる範囲とそうじゃない範囲で差が激しすぎない?そんなに偏ってる?
「なんか、こう・・・いい感じの敵って」
「贅沢やなぁ」
「わかってる・・・わかってるけど・・・!!」
もうちょっと、なんか・・・ちょうどな感じに調整されたボスとかいませんかね。
「それで?帰ってきたと」
「コロちゃん達は暴れたりないってまだいるけど」
俺も帰ってくる前にちょっと戦ったくらいには消化不良だった。
だって引っ張っただけだし。
「ドライアド・・・ドロップは何だと思う?」
「ええ~植物型のモンスターってトレント以外いなかったからなぁ。見当もつかないんだけど」
「だよなぁ」
「なんのお話~」
「あ、母さんただいまー」
「おかえりー」
家に帰ったら親父がすでにいた。今日は珍しく早上がりだったようだ。
母さんもいるし、研究所全体でそういう日だったのかもしれない。
「いやな?植物のモンスターは何を落とすのかって話をしててな」
「どんな子なの~?」
「いやテイムしてきてないし」
「そうなの?」
「俺も片っ端からテイムしてないからね!?」
「・・・まぁしてても不思議じゃないけどな」
面倒見切れないわ流石に。
「あ、でも動画はあるよ」
「みーせて」
「はーい」
「写真はないのか?」
「・・・ふーちゃんが」
「クゥ!」
「自慢げだこの子」
皆の中で唯一俺と一緒に帰ってきたふーちゃん。まぁ君は満足よね。
ニホリとフミはまだコロちゃん達とダンジョンにいる。誰かしら見とかなあかんやろってフミは残ってくれたし、ニホリは付き添い~って残っていった。
ああ、そういえば
「ユニちゃん戻ってる?」
「いや?まだだが」
「あら?そうなの。がんばってるなぁ」
ユニちゃんも俺たちに追いつこうと、ヨミさん監修のもとレベル上げを頑張っている。
今の段階で大きく足りないのは経験ですとヨミさんは言っていたのでいろんな階層を回っているようだ。
なんでも、レベル上げて能力を上げるのは後でもできるとのこと。まぁヨミさんかフミと戦えばすぐに経験は貯まるしな。
「・・・何かの種とか、お花とドロップしそうな子ね~」
「種と花か」
「RPGだと、それ使って薬とか作れたりするけど」
「うーん。そこまでできるようになるのにどれだけかかることか」
「ちなみに、今って研究員は足りてるの?」
「全く」
「デスヨネー」
まぁただただ生物関連の人を呼べばいいってわけじゃないしな。
今回のドライアドとか生物ってよりは植物関連の知識が必要だろうし、薬つくるなら薬剤師とかになるのか?
様々な職種、様々な専門家を呼ばないとまともに研究が進まない。
そして、その為に人を呼ぼうにもダンジョンの特殊性と、その機密の高さでなかなかそれも難しいってな。
「もういっそうち以外にも作ったらいいのに。研究は外に丸投げしない?」
「無茶言うなお前」
「難しいわね~」
「あん?そうなん?今も外の企業で研究してるんだよな?」
「彼らがしてるのは、俺たちが検査した物を・・・まぁ平たく言うと商品にできないかってやつだからなぁ」
「どっちにしろ、体制が整ってないのよねー」
「はぁー」
「クゥ?」
「ままならないなってさ」
「クゥ~」
ふーちゃんは興味ないってさ。
いや、俺もそこまで興味あるわけじゃないんだけどね!
「千爺がやればまだマシなんじゃない?」
「あっちもあっちで忙しいからな・・・」
「ん~。とりあえず、ロラちゃんの薬とかポーションだけはどうにか研究進ませたいよなぁ」
「あれは現物が手に入りにくいからなぁ」
「俺も最初のあれ以降手に入ってないしな!」
なんかここまで手に入らないと条件あるとか考えるよね。
・・・なんかあんのかな




