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20話

前書きだけ追加。

最近誤字が多いとのご指摘を受けまして、現在確認をしております。ただ、かなり多いようなので時間がかかってしまいます。すでにかなり先まで書いている作品なので修正が完璧にはできないと思います。

読みにくいと思いますがこれからもよろしくお願いいたします。

所沢ダンジョンができてからまたしばらくして。


ふーちゃんのデータ取りも終わり、ようやく普段の状況にもどった。

結果的には人間より動物のほうが能力の伸びがいいらしいが、多くの動物をダンジョン内に入れるのは難しいらしい。しつけも大変でそこまで多くは無理だそうだ。俺もコロちゃんとふーちゃん以外に増えたときの限界はわからないが、今の数以上は面倒見切れる自信がない。



後は日本の話ではないけど、他の国でオークの肉を求めて多くの人がダンジョンに潜ったらしい。帰ってきたのは半分未満だそうだが。それに他国の軍が大群を率いてダンジョンに侵入したところ、オーガ、オークの層で壊滅的な被害が出て撤退したそうだ。

まぁ、あそこを超えられても、その先には絶対に銃では倒せない敵もいるからな。あくまで噂だし、本当かどうかわからんが、自衛隊が探索に苦戦している所を見ると嘘じゃないような気もするが。



そういえばあの、俺が作ったなんちゃって魔法武器だが、あれの性質を研究チームが研究したところ、なんらかのエネルギーを観測。それを魔力と命名したらしい。だからあの宝石擬きも魔石という名前になった。今のところボス戦後の宝箱でしか手に入らないので何気に数は少ないのだ。おかげで俺の懐事情はよりよくなったのは言うまでもない。


後、関係ないけど学校は辞めた。行けなさ過ぎて笑えるくらいに行けないのだ。ふーちゃんの件が終わってもやることが山づみ。ダンジョンの散策はもちろん、スキルのデータ取り、素材の回収。多すぎて止まらない。

その関係で山のダンジョンは自衛隊ではなく、親父の研究チームの管理下になった。そのおかげで俺が家にあるダンジョンに潜っても問題ないようになった。すらっぴ達ともようやく一緒に潜れる。






「全員で来るのも久しぶりだなぁ」


「ぴー!」「ききー!」「ワン!」「ちゅー!」「キュー!」


「多くなったなうちも」



気が付いたら全員で6人?・・・一人と五匹パーティー。バランスよ。どうなってるんだ。

これで日本最強パーティーなんだからどうなってるんだ。


・・・スタートダッシュの重要性だな。



「ガァァ!!」


「うるせぇわ!!!」



今は11階層。強化オーガとゴーレムが相手だが、出てくるたびに殲滅される。

土の槍に貫かれたり、上から大質量で押しつぶされたり。

溶解液に溶かされたり、水圧カッターで切られたり。

風の刃で全身切り刻まれたり、超音波で同士討ちさせられたり。

声をあげる暇もなく木っ端みじんになったり。

ふーちゃんは単体では強化オーガを倒すのに時間がかかるので他の子のサポートありだが、口の中に火を叩きこんだりとえげつない攻撃に磨きがかかっている。



「今日は14とできれば15階層のボスも倒すから。あんまり飛ばしすぎるなよー」


「ワフ」


「準備運動にもならないって?今度狂化個体もやるか?」



ワープで10階層まで飛んじゃうとボスは全部無視できちゃうからな。レベル上げするだけならここでやってた方がいいし。



「今度は無傷で勝つんだろ?」


「ガウ!!」


「いつにないやる気を感じる。あの時より強いからな。俺も今度は押し負けないようにしないとな」



硬化の上から殴られてダメージ、コロちゃんもとらえられかけて攻撃できず。魔法も普通のは効かなかった。今考えてもよく勝てたな。


じゃあそろそろ行くぞー。


























「「クゥーン」」


「ちゅ~」


「・・・お前らはつらいよな。俺もやばいけど」


「ぴ?」「き?」


「お前ら鼻ないのか?バトちゃんはあるだろうよ」



気にならないのか?もともとコウモリってそんな性質あったっけ?



「しゃあない、そこで守っててくれ」



14階層ボス。相手はオーガより大きかったゴーレムよりでかい。さらに身の丈ほどのこん棒を持ち、何かしらの毛皮でできた腰巻を巻いている。なによりやばいのはその匂い。嗅覚の強い子たちは軒並みダメになっている。俺もかなりきつい。



「グォォォォ」


「ブッコロ」



明らかにこちらを見下してやがる。お前らなんて一思いに踏み潰せるぞと言わんばかりの態度だ。


上等だ。



「一撃食らっとけ!!!」


「グォ!?」



その顔にアースジャベリンを叩きこむ。タフネスはやはり強化個体以上。そもそもここに来るまでの連中でも一撃では無理だったが、昏睡まで行けたんだが一発では軽く仰け反るだけだ。だから全力で。次は五発同時に着弾させる。顔に二発。両ひざに一発ずつ。腹に一発。



「それでも大して効いてないんかい!!」


「グゴォォォォォ!!!」


「そんなトロイ攻撃で当たるかよ!」



何回も攻撃を食らい、完全にトロールが切れる。こん棒をやたらめったら振り回す。しかし、元々が遅いからか、攻撃の一つ一つが遅い。威力はあるようで威圧感はとんでもないが。

それに、距離を取っていれば何の問題もなく避けられるので大したことではない。


問題は・・・



「ただの魔法じゃ効かないとこかなぁっと!!」



避けながらだと威力の高い魔法が使えない。チャージに時間がかかるからだ。正確には俺が正確にイメージするのと、そのイメージ通りの魔法を発動するまでの時間がいる。3秒あれば使えるが、いくらとろい敵とは言え、その時間は稼げない。

なら考えを変えよう。

弱い魔法なら使える。しかも連続で使える。だったら効くまで使うか。使いながら別の魔法を準備するかのどちらか。ただ弱い魔法を使うのは意味がない。別の魔法を準備しながら足止めできれば・・・別の魔法?



「ああ、そうか。あれがあったな」



下がりながら避けるのをやめて前進する。前に進めばその分勢いの強い風圧が襲ってくる。この分だと当たったら硬質化込みでもまずいか?狂化個体より強いとは思わないが、力だけなら同じくらいかな。


でも当たらなければ関係ない。一気に近づいて・・・



「ぶち抜く!」


「ゴボッ!!」



まだ名前のない魔法だ。

元々ロボットアニメ好きの研究者からの提案で作った魔法だ。

本来はアースランスともいうべき魔法だ。ジャベリンに比べ、細いため耐久性能が低く射程は短い。しかし貫通性能は高い。これを超至近距離で連続発射する。

とっつきと言われることもある武器に似ている。



「しかも、それを鼻の穴に打ち込めば、いくら何でも効くだろう」



鼻の穴から一気に脳まで届いたのか。連続発動で12発ほど打ち込んだところで完全に動きが止まった。打ち込んだそばから消していけば邪魔になることもなく、いちいち装填しなおすこともない。

アースバンカーとでもするか。



「ワン!」


「おお。戻ったか。鼻は大丈夫か?」


「ワンワン!!」


「ん?匂いがなくなった?倒したらなくなるのか」



それでもしきりに嗅いでるあたり、よほど嫌だったのか。次の階層にいるだろうから克服するなり対策するなりしないとまずいか。


そしていつも通りの世界初報酬スキルスクロール。五分未満は無理だったが10分は行けたらしい。・・・これは、青龍刀?ってやつ?


柳葉刀に似ているタイプのものだ。中国刀ともいうんだったか?切れ味のほどは・・・



「おお、マジか」



少しだけ持っていたゴーレムの素材の砂に魔力を通して硬くしたものを切った。今持っている鉄の剣と鉈だと傷をつけるのが精一杯だったが、こいつは両断できた。これがあればもっと楽ができたんじゃね?

そもそも現状だと、武器で切るより硬化して殴るか、魔法で滅多うちにする方が速いし強力だ。そうすると魔力以外の伸びが悪いからどうにかしたかったのだが、いい物を手に入れられた。



「てか、これで10分報酬か・・・」



五分なら何がもらえるんだか。宝箱は何かな~。




いつも通りの魔石のでかいの。・・・お、スキルスクロールだ。ラッキーラッキー。後は・・・



「金貨?」



わかりやすく金目のものが。なんだこれ。


何も書いてないのだ。普通こういうのって何かしら彫ってあったりするもんなんだけど。

これじゃあ美術品的な価値もない。ただただ丸い金貨だ。いまさらこんなの手に入れても困るんだけど。実入りも少なそうだし。




「キュー!」


「おう、なんだなんだ。帰りたい?まぁ、臭かったしな。気持ちはわかるけど・・・」



どうせまた来ることになるしな。そうしたらまた俺が一人で頑張るのか・・・。でも倒し方分かったから問題ないか?ようするに相手が動く前に近づいて一発当てればいいわけだし。


どっちにしろ匂い対策は考えなきゃいけないか。ひとまず帰るか。




































「ただいまー」


「おかえりー」


「あら?姉ちゃん?帰ってたか」


「そういう恭輔はダンジョン帰りね。聞いたわよー。高校やめたって」


「しょうがないでしょ。いろいろ仕事で頼まれるし、給料いいし」


「まぁ、下手な企業に勤めるよりいいわよねぇ」



なんせ今や国家事業の一つだからな。一定の成果さえ上げれば勤務時間に縛りなし。危険な仕事なので給料もいい。休みも自由ときた。



「これでもっと金目の物でも手に入れば文句なしかな」


「金目の物って・・・」


「今日はこんなんあったし」



ポケットから金貨を取り出してゆびではじいて渡す。姉ちゃんは慌てつつもちゃんとキャッチする。

それからまじまじと見つめてようやくそれが何か理解したらしく。



「金じゃない!」


「金になるかね~」


「そればっかか!!」



確かにダンジョン内で金が手に入るのはでかい。敵はそこそこ強かったから難易度は高いけど。この分だと、鉱山資源とか取れそうだな。魔石に関してもなんかしらに利用できるだろうから、この先に価値は上がっていくだろう。



「とりあえず、金溜まったら円盤買わなきゃ」


「今でも十分貰ってるでしょうに」


「俺の趣味の時間減らしてるんだから当然だし。レベル上げしたいのに」


「先輩の言ってたのってこれね・・・」



14層であの苦戦だと、この先はもっときついはずだ。しばらくは狂化個体を含めて周回して戦力強化かな。スキルスクロールは二つ手に入ったけど、火力があげられるものかどうかはランダムなわけだし、数が必要だ。今度からスクロール売るのは止めるか。金も欲しいけど。稼ぐのにも強くなった方が好都合だ。



そういえば姉ちゃん、なんでこんな中途半端な時期に返ってきたんだ?お盆はとうに過ぎてるけど?



「そんなこと聞かれるの!?」


「二年帰ってこない女が何を言う」


「うっ」



言われるの嫌ならもっと頻繁に帰って来いよ。母さんが拗ねるぞ。てか拗ねてたぞ。

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