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198話

お昼一話夜一話です。

朝起きて12時間くらい寝てることに気がついて衝撃を受けました

そういえば、魚のドロップ品はこれだ。



「・・・切り身?」


「おいしいんだって」


「・・・とりあえず保存だけしとくか」


「外で養殖とかできるんじゃね?」


「・・・まぁ要研究ってことで」



なぜこんなにも反応が良くないのか。それはこんな事情がある。

















「オークの肉がいっぱい必要?」



またなんで今更そんなことになってんだ。オークなんて一体何層だってレベルじゃんか。



「またバレた・・・あれ、オークの肉は隠してないよな」


「そうだな、一般に知られてる情報だ」


「それがまたなんで」


「いやな?ある国が、オークの肉で貧困を脱しようとしてるんだ」


「はいはい」


「その一環で、国に協力要請がきてな?」


「・・・なんで?」


「日本がダンジョン探索では一番だからな。ぶっちぎりで」


「一番って言っても俺だけじゃんかー」


「まぁそういってやるな」



他の国では、割と多くの人間がダンジョンに潜っているそうだ。

日本の俺と藤岡さんたちみたいに二つのパーティしかいないなんてことはないそうだ。

じゃあうちも増やせやと言いたいんだが、今から増やしても俺の負担はそんなに変わらない模様。

一応、冒険者自体の数は国としても増やしたいらしく、4月から一般応募が始まるらしい・・・!?



「それ聞いてないぞ!!」


「ああ、今回のはお前に迷惑はかけないようにしてるからな」


「あん?」


「教導も、全部藤岡さんたちがやってくれるそうだ」


「そら・・・まぁありがたいな」


「というかだ、お前人に教えられるか?」


「無茶」


「だろう?」



俺の場合、運の良さと出会いに恵まれたことで今の探索ができていると言っても過言ではない。

だから、藤岡さんたちみたいに一から潜っている人の方が上手く教えられるだろう。



「あ、そういえば、うちもユニちゃん育成計画が始まったよ」


「ほう?誰が一緒にいるんだ?」


「ヨミさん(分身)」


「・・・すごく早く強くなりそうだな」


「いや、現時点で狂化オーガに勝てるからすでに強い」


「流石ユニコーン・・・」



ファンタジー極まれりって感じだよな。



「それでなんだっけ、なんでオーク肉?」


「ああ、そうだそうだ。どこまで話したか」


「貧困脱出」


「そこか。えっとだな」



その国が日本に協力要請をしてきたのは結構有名な話らしい。

つまり、なんでオーク肉を求めたかの理由も知られている。貧困脱出。そしてなにより、ダンジョンから無限に出てくる美味なる食材であるということも。



「・・・そこか」


「そういうことだ。オークってことでまだ大きなことにはなってないが、そんな食材自分たちのとこにも来てないのに他の国に協力するのかってことでな」


「黙らせるためにいっぱい用意すると?」


「来月の応募の総数を増やしたいって思惑もあるそうだ」


「面倒ごとじゃんか、最近多くない?」


「それだけ、世界がダンジョンを知ってきたってことだろう」


「面倒ごとが起きるくらいには?」


「そういうことだ。すまんな」


「はぁ・・・まぁいいよ。どうせオーク程度どうにでもなるし」



ぶっちゃけ、狂化オーガより弱い敵とかもはや相手にならない。狂化オーガですら相手にならないけど。

ただまぁ、一個問題はあるんだけど・・・



「モンスターの出てくる数だな」


「そういうこと、持って帰るのは問題ない。ヨミさんに『分身』してもらえば『倉庫』も増えるし」



ダンジョンの階層は、一層一層結構広い。

でも、出てくる数には限界がある。俺たちが最高率・・・フミを除いた全員が全力でやった場合、全滅させるのに20分もかからない。これは、移動時間を含めての話だ。



「複数のダンジョンを回るとどうなる?」


「変わんないんじゃない?移動で時間食うし」



たとえば、俺たちがパーティーを分けた場合は分けた分だけ効率は上がる。

だが、おそらく足りないだろう。



「でいうか、肉集めてどうするの?配るの?」


「いや、物産展みたいな形で、こんなものが手に入るんですよってするらしい」


「そこでの屋台販売か」


「そういうことだ」



なるほど、いい感じに宣伝もできていいんじゃないか?

でも、そうすると準備期間がどれくらいあるかってことになるな。


来月のいつから募集かは知らんが、頭ってことはないだろう。

仮に頭だとしたら、今が2月4日だから、頭でも一月あるけど、一月しかないともいえる。


それまでに物産展するんなら大体・・・



「一月あるかないかってとこか」



どれくらいの人が来るかも考えなきゃいけないだろう。

恐らく、とんでもない数になるはずだ。そして、もう一つ懸念が



「物産展やるほどの品物あるの?嫌な予感ビンビン」


「・・・まぁ、そういうことだ」


「デスヨネー」



俺が集める流れだこれ。
















まぁこんな会話が先日あったばかり。つまり?この切り身も物産展行きになりそうってことで。



「でもこれなら楽だわ。突っ立てるだけでいいし」


「お前が楽ならいいんだが・・・」


「それに、他の物を大量に集める目途も立ったし」


「お!それは朗報だな!」


「ごり押しだけど」


「ん?」



結論的に、最高率で大量に様々な物を集めるのにフミの力を借りないっていう選択肢がないってだけで。



「ああ~やはりそうなるか~」


「しゃーないっちゃしゃーないんだけど」



救いなのは、全部の階層を回らなくてもいいこと。

めぼしい階層の、わかりやすそうなアイテムが落ちる敵を倒せばいいってこと。

肉とか、鱗とか、牙とか、毛皮とか。



「写真とか、動画とかはお前が持ってきたものを編集して見せればいいからな」


「むしろそこは楽なのか」


「まぁ追加で撮ってきてもらうかもしれないけどな」



まぁそれくらいならな。全部回ったって一日二日で終わるでしょ。

ああ、時間がないからコロちゃんとねっさん。しーちゃんにはいろんな階層を回ってもらってる。

あの子達なら持って帰るときも余裕だからな。他の子は小さいからいっぱいは持って帰れないし。



「とりあえずは用意された箱に詰めておけばいいんだったっけ」


「ああそれでいいぞ。どうせ後で業者に頼んで一括で運ぶし」


「・・・そういや、賞味期限とかどうなってんだオーク肉」


「普通の豚肉と変わらんらしいぞ?腐るのもそれくらいだったらしい」


「へぇ」



まぁそのせいで集めるのは物産展ギリギリになるんですけど。大変だわ。



「そういえば、一つお前に意見を聞きたいことがあってな」


「なに?」


「スキルのことだ」


「・・・?」


「全くわからない顔してるなお前」


「わからんのだが」



スキルの存在自体はすでに知られていることだ。今更何を隠すことがあるのか。



「どうやってスキルが手に入るかは知られてないだろう」


「・・・ああ、そういうこと」



取得方法がわかれば、それを試しに勝手にダンジョンい潜る人間がいるかもしれないってことか。

でも、ダンジョンは全部自衛隊が抑えてるんじゃないのか?



「そんなわけないだろ。世の中、わざと隠す人間もいる」


「また面倒な」



でもまぁ、そういうことを危惧するのならスキル関連は何もしなくていいと思う。

わざわざ問題がわかってるのにそれの原因を作る必要もないだろう。



「世間が教えろって言ってもか?」


「教える必要ないな。そもそもなんで知りたがるんだか」



知ったとして、スキルスクロールが手に入る確率は低確率。

手に入っても、それが使えるスキルなのか不明。手に入れても、何にそれが使えるのかわからない。

もし普通に外でスキルを使用するのなら間違いなくバレる。そしたら、そいつはあっという間にお縄ってな。



「まずさ、教えるメリットがほぼないでしょこれ」


「意欲につながるって話もあるんだが」


「論外だな。それ目当てに来られてもすぐ死ぬぞ」



一層のボスはネズミの大群。ねっさんは成長して大きくなってるからあれだけど、それでも俺の脛の半ばくらいのサイズのネズミだ。

大して実力のない人間では、まとわりつかれて噛まれて終わりだわ。


こう考えると、ダンジョンに潜り始める人間にとって一番の難関はこいつらなのか。

スキルも持ってない。身体能力が高いわけでもない。経験もない。銃があれば話は別だが、強くなりたいのなら銃は使えない。


・・・コロちゃんいて本当によかったな俺。



「帰ったらむっちゃ撫でよう。おなかも頭もいたるところを」


「・・・ほどほどにな」


「大丈夫」


「絶対だめだこれ・・・」



この際だからみんな撫でるか・・・

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 物産展開くほどの品数一人で集めろって、一体国からどれくらいの手当て貰えるんだろうか
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