194話
昼一話夜一話です。
最近本当にちゃんと時間に寝起きできていないからか、寝起きがものすごくよくないという。
頭が回らないんですよねぇ
「チュンチュン」
「それで、このかわいい子はいったい」
「実はこっそり60層くらいまで潜ってきてまして」
なるほど、そこで出会ったと。
ただいまヨミさんに事情を聴いている。まぁ気になることを聞いてるだけで割と他はどうでもいい。
例えば、現在俺の頭の上で座っているこの子の正式な名前とか。
正式にはシルフバード。風鳥ってのはフミが覚えやすいからとかそんあ理由らしい。
昔何回か見たことがあり、その時に便利だなぁと思っていたらしい。
「『テイム』されてっけど、これ俺のスキルを使ったのか」
「はい。見た瞬間にこれだ!と思いまして」
「なるほど、俺もするかも」
「チュン?」
今のぱっと見は完全にただの小鳥さん。
あまりのかわいらしさにニホリとアリシアが俺の頭のこの子をガン見している。
「いや、魔力高いから警戒しとるんじゃ」
「・・・可愛いからだよ」
「恭輔こういうときアホになるんよな」
「・・・まぁ恭輔さんですし」
「せやなぁ・・・」
「うー・・・」
「スゴイ・・・?」
不本意だ。
「あ、私がテイムしましたけど、マスター。テイム主は恭輔さんですよ?」
「はい?」
マジ?
ヨミさんのスキルの『物真似』これがヨミさんが本来持ってないスキルを使えるからくりだ。
デメリットは大分前に説明したっきりだからもう一回しておくか。
ものすごく魔力を消費する。以上。
いや、それだけかと思われるかもしれないが、これがなかなか大きい。
消費量で言うなら、一日10回ほどしか使えない。ヨミさんの魔力でもだ。
その貴重な一回を使った俺の『テイム』なんだが、なんで主が俺になってんの?
「多分、私がテイムされてるからじゃないですかね?」
「ああ、スキルの持ち主に来るって言うよりは、主の主に来るって感じか」
「まぁ『物真似』って基本『テイム』されてないと意味ないんですよね。他のはちょっと現実的じゃないですし」
「現実的じゃない?」
「ていうか、無駄になるっていうか」
「無駄・・・?」
なんだ、何が無駄なんだ。
「恭輔~もうええやろ~?」
「うー」
「ああ、そうだ。本題違うんだ」
「あ、そうだ。雪ちゃんがメインでしたね」
「「忘れてた忘れてた」」
「なんや、妹と旦那が似てきとるんやけど」
「うーうー」
元々天然ボケなんだよって何
「うう~早かったですぅ」
「むっちゃ飛ばしよったなヨミ」
「え」
「ダイジョウブ?」
「う?」
「うう~ありがとうニホリちゃんと・・・だれ?」
「アリシア!」
「ありがとうアリシアちゃん!」
「ドウイタシマシテ」
「コロちゃんもありがとうね」
「ワン」
雪ちゃんはちょっと酔ってしまったようだ。
まぁこっちから見ても結構早かったからな。
「あれ?そんな飛ばした記憶は・・・」
「まぁ結界で風とか防いでも景色は早いし」
「え」
「むしろその差があると酔いやすそうだし」
「え?」
「あと、雪ちゃんとヨミさんの感覚を一緒にしちゃダメ」
「・・・雪ちゃーん!!!」
「今更か」
「うーん。ヨミ、あんなボケボケやったかなぁ」
まぁダンジョン出てるから気が抜けてるんだろ。
「あかんなぁ。後でちょい借りるわ」
「うい。雪ちゃんはニホリとアリシアに任せとけばいいでしょ」
「三崎さんはどないします?」
「え?私?私は・・・」
「・・・うちのみんなと会話かな」
「まぁそうですね。そうします」
子供は子供で遊んでた方がいいだろう。特に今は雪ちゃんもいるしな。
あ、でもピッちゃんとすらっぴとねっさんは遊びたがるかも。まぁ、その場合は遊んでもらおうか。
「ニホリ。雪ちゃん落ち着いたら遊んでていいからなー」
「うー!」
「アリシアも雪ちゃんも。なんかあったら遠慮なく言っていいからな」
「ワカッタ」
「わかりました」
「バン君と太郎と次郎と三郎は・・・どうする?」
「クル!」
「「キュウ!」」
「・・・キュ?」
「オッケー。三郎はニホリと一緒な」
「るる!」
「ん。ピッちゃんもな」
三郎とピッちゃんはニホリ達と遊ぶ・・・というかお話するらしい。
三郎がいればアリシアちゃんも気持ち的に楽だろうし。気遣いもできるとは・・・
「じゃあ、ちょーーっとヨミ借りてくでぇ雪ちゃん」
「え?ああ、はい。どうぞ」
「待ってお姉さま。本当に待って!!」
「アホ。なまけすぎや。ちょい下行くで」
「やぁぁぁぁ!!」
ずるずると引きずられているヨミさん。
それをフワフワした状態で見送る雪ちゃん。
「・・・雪ちゃんって、割と大物ですよね」
「・・・慣れじゃないですかね」
嫌な慣れですね
「」(コンニチワ
「・・・こんにちわ?」
「正解」
「」(グゥー
「お腹すいてます」
「正解。ロラちゃんクッキーでいい?」
「」(モグモグ
「おいしいって言ってます!」
「正解」
おお、ロラちゃんでここまでわかるとは。三崎さんもだいぶ成長してるんだな。
うちの中で、もっとも意思疎通しにくそうなのはユニちゃん。声が小さい。
逆に、声が多いけどそもそも何言ってるのかわからないのがロラちゃんなのだ。
わからないって言うか、ちょっと特殊って感じなのだ。俺はだいぶ省略しても理解できるけど。
最初はニホリとフミは少し間違えることもあった。
「ん~これできるなら。もう十分な気もしますね」
「本当でですか!」
「はい。実際、バン君たちの言葉を間違えることもなくなってきてるでしょう?」
「はい。最近はちゃんとその日の気分の食べ物を上げれてますし」
「」(モット
「はい」
「」(ワーイ
「・・・でも、恭輔君を見てるとまだまだだなって」
「・・・?」
「」(??
何も変なことはしてないと思うんだけど・・・
「いや、目を合わせないで、しかもちょっと袖を引かれただけでわかるって・・・」
「俺なので」
「」(ドヤ
「可愛い」
「」(ギュー
多分、俺がそれできるのって完全に経験からくるものだろうからなぁ。
今からそこを目指しても届くのにむっちゃ時間かかりそう。
「時間かければできるんですね」
「まぁずっとしゃべってるものですし・・・おん?」
「どうしました?」
「いや、ユニちゃんがみんなを乗せていいかって聞いてきたんで」
「・・・え」
「」(チュー
「流石に危ないからダメって止めました」
「もはや会話って話じゃないですよねそれ!テレパシーとかそういうやつですよね!!」
「はっはっは」
「ごまかされてる!?」




