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169話

夜分でございます

「いっぱい家族が増えたのね~」


「そうなのよ~」


「う~」


「るる~」


「あらあら~」


「・・・なんやこれ」


「いつもばあちゃん来るとこんなんよ」



叔父さん以外の人はみんなこんなものだ。母さんの一族はみんなふわふわしてる。ばあちゃんも叔母さんもみんなふわふわ。

叔父さんは学生時代に大変苦労したとかしないとか。

静岡のじいちゃん家が割と熱い系なのに対してなんかいい感じに対照的だ。ばあちゃん同士むっちゃ仲いいけど。



「あ、そうだ恭輔君?」


「あいあい?どったのばあちゃん」


「あけましておめでと~」


「おめでと~」


「今なんか・・・?」


「フミさん。いい感じに流すのがコツですよ」


「・・・そうしますわ」



フミはどっちかというと親父側のノリだな。ニホリは完全に母さん側。姉ちゃんも親父側。

俺は・・・その日の気分次第?



「はい。お年玉」


「ばあちゃん」


「はい?」


「俺、もう働いてるんだけど」


「そうねー」


「そうだよな?」


「うん」


「・・・え」



働いてるのに貰っていいのかお年玉。

あ、ニホリに渡してない・・・でもお金渡してもなぁ。



「はい、こっちはニホリちゃんの分ね~」


「う~!」


「なんであるの・・・?」


「私が教えました~」


「ああ~ね?」



そういうことか・・・。

ん?と、言うことは?



「フミちゃんの分よ~」


「あ、ありがとうございます」


「・・・ばあちゃんにはいまだに俺が子供に見えてるのだろうか」


「年齢的には子供でしょ。私は大人だけどね!」


「あら~?翔子ちゃんにもあるわよ~」


「・・・大人?」


「・・・子供に見られてるわね。私たち」



こう・・・なんというか、素直に喜べないというか・・・。

割といい感じに稼がせてもらってる身分としては貰っていい物なのかって気持ちと、断るのもどうなの?って気持ちが戦ってる感じ。

稼ぎ的に俺の下に誰かいたら渡す側な分余計に自分の中での戦いが複雑に・・・。



「お母さん。みーちゃんのところには行ったの?」


「ええ、2週間前に行ってきたわ~」


「みんな元気にしてた~?」


「とっても元気だったわ~」


「・・・誰や?」


「叔母さん」


「あんま連絡せーへんの?」


「というか・・・お互いにボケっとしてるからなんかね~」


「俺とあっちの旦那さんは普通にしてるんだけどな・・・」


「ああ・・・」



普通に連絡してるんだよ。電話してるし。だけど毎回こんなんなんだよ。



「遺伝子やっけ?すっごいなぁ」


「これで実感してほしくなかったなぁ」



その理屈だと俺にもその遺伝子あることになるんで。あそこまでじゃないんで。



「それにほら、ニホリニホリ」


「う~」


「・・・溶けこんどる」


「遺伝子じゃなくて、たぶん電波だから」


「人間むっず」



俺もそれは思ってるわ。



「ところで、お昼はどうするんだ?」


「あら?」


「あらら?」


「うう?」


「・・・考えてなかったやーつ」


「今何時だっけ」


「・・・12時ちょい過ぎですわ」


「ワン!」


「とりあえず、お前ら分は先にやるか」



犬とか飼ってる人はわかると思うんだけど、大体ペットって一日二食だ。

だけど、うちでは三食だ。まぁがっつり食べるようになったのはダンジョン出てきてからなんだけど。

それまでのコロちゃんはお昼も食べるけどそんなに食べない。半分おやつみたいな感じだった。


しかし、ダンジョンに入るようになってから、二食ではお腹が空いてしまうようでがっつり食べるようになった。

他の子たちはそれに合わせてたら同じになっていた。例外として、ロラちゃんとユニちゃん。ダンジョンに行かなかった日のしーちゃんはお昼を食べない。



「皿出せー」


「「「「「ちゅー」」」」」(エッサエッサ


「拭くもの用意しろー」


「ぴー」(ヒョイ


「きー」(パク


「他の子呼んでこーい」


「ワン!」



庭で遊んでた子たち集合。



「俺が用意忘れてたから待ってろー」


「クゥ!?」



すまん。























「・・・ところで俺たちの昼は」


「なんか出前じゃない?」


「たまにはそうしようかしら?」


「私はなんでもいいわよ~」


「うー!!」


「あ、ニホリがなんかある言うてますけど」


「そういえば、昨日何か作ってたわね~」


「う!」


「は~い」


「お願いね~」


「・・・なんでわかるんだ?」


「・・・さぁ?」


「あの二人に関してはちょっと・・・」





















「うっうーうー!!」


「あらおいしそう~」


「完全に女子力で負けてるわね私」


「うちも割と・・・」


「いや、まぁフミさんはともかく・・・」


「姉ちゃんはまず勝負になってない」


「おん?」


「もうあげてきたん?」


「なんかみんなが全部手伝ってくれたわ」



俺が忘れてたのってみんなの食べる分を用意するのなんだけど、なんか全部手伝ってくれたわ。すっごい速く終わった。



「そして、この懐石料理みたいなものはいったい」


「ニホリちゃんが出してくれたのよ」


「・・・あ、そういや昨日なんか準備してたな。これか」



あらかじめ作り置きしておけるものは作っておいた形だな。

すぐ作れるものに関しては今からやるんだろう。今出てるのは作り置き。

正確には、時間のかかるものを昨日のうちに作っていたんだろう。



「見てた動画もこれだったか。よくやるわ」


「なるほど、お義母さんが来るから和食か」


「なんでや?」


「お年寄りは和食の方が好きなこと多いしなぁ」


「洋食やとレパートリー的にどうしてもお肉多くなるからねぇ。なしでも全然作れるけど、そうすると私たちが満足できなくなるかもしれないし」


「だから、ニホリちゃんはそのあたりも考えてこうしたんだろう」


「はぁー。なるほどなぁ」


「だからって湯葉はやりすぎだと思うんですよ」



こうして話している時もニホリはちゃくちゃくと昼食の準備を続けている。

その中で、小ぶりのサイズの鍋を持ってきて何かの液体を入れる。そこに持ってきていたコンロを使って加熱。

あっという間に湯葉完成。タレもちゃんと用意してある。



「煮物もあるわ」


「刺身とお味噌汁もあるな」


「ご飯は・・・炊きこみだ」


「・・・つまり?」


「「「これそこそこガチのやつだ!!!」」」



いつこんなに仕込んだのあの子。


















「どうでもいい豆知識として、本来の懐石料理はもっと品数が少ない」


「そうなん?」


「本来はもっと軽い軽食みたいな扱いだった・・・らしい」


「そこ曖昧なんか・・・」


「だってネットの知識だしなぁ」


「でもほれ」


「ん?」


「・・・う?」


「!?違うぞニホリ、あってる!大丈夫だから!!」



発言は時と場合に注意しよう。

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