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164話

昼一話夜一話です

「ニホリちゃんはいつ携帯買うのかしら~」



なんて母さんのセリフで思い出したんだけど、ニホリの携帯買わなくちゃな。

雪ちゃんとメールもしやすくなるでしょう。



「欲しい?」


「うー!」


「じゃあ買い行くか」


「う!」



結果、携帯は最新のタブレットになったよね。動画見る気満々じゃんか。
























金属同士がぶつかり合う音が鳴り響く。それも、とても重い音だ。

それと同時に、巨大な塊が風を切る音も聞こえる。

音の正体は、俺が振り回す斧とミノタウロスが振り回してる斧のぶつかり合う音だ。

風を切る音は振り回す音だ。


30層は洞窟型の階層。だけど、モンスターであるミノタウロスに合わせてか、なかなか道幅も天井も広い。

2、3体なら並んでも問題なく戦えるだろう。

実際に並んで来たら邪魔だろうけど。



「おらぁ!!」


「ぶ、ぶんも」



ちなみに、俺が振り回している斧はここで手に入れた物・・・ではない。

フミのため込んでいた物の一つなのだ。ミノタウロスの持っている斧は武骨というか、雑なつくりの片刃の物だが俺のは違う。

両刃の身の丈を超えるサイズの物だ。装飾もとても凝っている。こんな要らんじゃないんかってくらい凝っている。

まぁその分むっちゃ強い。今まで使っていた剣がガラクタに思えるくらいには。どこのドロップだよこれって感じ。



「よっしもういいか」


「ぶm・・・」



ぶっちゃけ相手の斧ごと両断できるくらいにはいい武器だ。検査でもどんな素材が使われているかまったくわからなかった。

問題があるとすれば、俺自体が斧を使った事がないこと。切れ味よすぎて全く苦戦しないことだ。元々ミノタウロスには苦戦しないけど。



「いや、言うたらあかん」


「気にするな」



今も大分体が温まったので終わらせるために斧自体を真っ二つにしたところだ。



「ふぅー。終了終了」


「おつかれ~」


「ワフ」


「ん~まぁ疲れてはないからなぁ」


「それ、使いやすいやろ」


「使いやすすぎだよ。これじゃあ経験にはならない」


「せやろなぁ。でも、恭輔が使おうとすると他のやとすぐに壊れてまうし」



そう、これが俺がこの斧を使っている理由だ。

大分前に剣のストックがあると言ったが、フミとの訓練をし始めてからしばらくして全部壊してしまった。

自分の能力の上昇で俺がコントロールできなくて使ってる最中に力加減ができてなかったのだ。


そこで、フミに相談したところ、確か武器あったで、と言われたのでまとめて戦利品を回収した時に持って帰ってきたのだ。

もちろん、軽く検査はしてもらっている。俺が使うのは確定してたから手元に残したけど。

最近になって使い始めたのは純粋にストックしてた剣が全部なくなったから。

使い勝手と性能が違い過ぎて慣れないけどな。



「ここらへんだと手に入らないのかな」


「ん~あんま期待せん方がええで?」


「うー」


「それはまぁわかってるけど。いや、まさか本当になくなるとは」



最後に剣で戦ったのはキメラ・・・ではなくその前、カマキリたちだ。

打ち合いしてたら力込めすぎてしまってな・・・

だから最近はずっと素手だったり魔法メインだったりした。この斧はあるけど、これだってずっと使えるわけじゃないからな。



「もうちょいたくさん武器が手に入ればなぁ」


「贅沢言わんの。それで?ここのボスはいつ行くん?」


「そうすっかなぁ。いい感じになりそうなの待ってもいいけど、それだとむっちゃ時間かかりそうだしな」



レベル的にもスキル的にも、今は割と完成している。もちろんレベルに完成なんてないんでもっと上げてもいいんだけど、時間かかるし。



「だからと言って今日明日で挑むもんでもないしな」


「じゃあ期限決めるしかないやん」


「そうなんだよな・・・来週にするか?」


「ん?おばあ様来るんやなかったっけ」


「あ、そうだった。じゃあまずいな」



怪我してますーじゃ心配されちゃうか。

ちょうど10の倍数だ。今までの傾向的に間違いなく強いボスになっているだろう。

負ける気はないげど、だからと言って全く怪我しないとも限らない。



「じゃあばあちゃんが来てから。2週間・・・は長いな」


「いや、おばあ様来るのって明後日やで」


「・・・じゃあ一週間でいいじゃん!?」


「どんだけ滞在するか聞いとるん?」


「・・・そういや知らね」


「やっぱりかいな」


「お、知ってる系?」


「二日滞在やって」



二日・・・明後日から来るなら4日後・・・延長するかもしれないからもうちょい余裕見て六日くらい?



「おばあ様来てる間はダンジョン行けんのやから、準備運動がてらもうちょい期間とろうや」


「あー確かに・・・じゃあ10日後かな」


「それくらいやろうなぁ」


「もちろんみんなの様子も見て判断だけど」


「そらそうや」


「ところで聞いていいか?」


「はい?」


「なんでさっきから話してるのに敵が全く来ない」


「そらみんなが周りを好きに周って敵を殲滅してるからやろ」


「だから皆いないのね!?」



道理でさっきから気配が遠いなって思ったよ・・・。

ニホリしかいない。



「う?」


「君も余裕ね」


「うちおるし」


「う!」



安心安全!だそうだ。まぁ間違ってない。

でも俺の緊張感はどっかいったよ。



「何匹かよこしてもらうように言わなきゃ」


「じゃあこの子に」


「ちゅ!」


「・・・分身?」


「走ってもらった方がええで」


「まぁ俺たちが勝手に移動するよりねっさんの方が速いか」



数って意味でも速度って意味でもその方がいいしな。



「じゃあ、二匹ここに呼んでくれるか?」


「ちゅ!」



フミの懐にいたねっさん(分身)はあっという間に見えなくなった。小さい上に速いって本当に有利だよな。



「・・・速度的に2分か?」


「まだまだ感知甘いわなぁ」


「うん?」


「分身ちゃん達、結構周りに多いで」


「あん?・・・あ、本当だ」



なんか気配がわかりにくかったが、確かにいっぱいいた。これあれか、皆に一匹ずつ分身ついてるのか。

さらに通路の中にも何十匹かいる。これが敵を発見してみんなに伝えているのか・・・



「でもこの明らかに速すぎるのは?」


「コロちゃんに捕まっとるんやないの?」


「・・・必死だろうな」



ねっさんも速い方なんだけど、コロちゃんに比べるとどうしても遅い。

いまだにフミ以外では速度的に追いつかないあたりコロちゃんの速度と成長率は異常だろう。

『高速移動』込みとはいえ、速すぎる。もうちょいコロちゃんが大きければ俺も乗せてもらえただろうに・・・。



「・・・乗るんやったらうちに乗ってみる?」


「・・・狸?」


「流石にこのままでは言わんよ・・・」



聞きようによっては下ネタだぞお前。



「・・・下?」


「あ、モンスターギャップが」



時々あるやつ。



「あ、交尾やな!」


「ずいぶん直接的じゃない」


「うちは恭輔ならええで?」


「責任とれるようになってからで」


「ぶー」



最近別に否定はしてないのにこれだもんな。何に文句があるというのだ。



「うー」


「まったくやなぁ」


「なに二人で話してるのー」


「内緒や」


「う」


「ん~???」




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