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162話

本日も昼一話夜一話です。


「うぇ~」


「う~」


「・・・何してんの」


「休憩中や~」


「う~」


「珍しい」



ニホリもフミも割と家事でこんなになることってないのに。



「いや、そっちやなくて」


「ん?」


「近所の人たちに捕まってもうてな・・・」


「ああ・・・」


「う」


「ん、わかった。とりあえず貰ったものは仕舞っとく」


「頼むわ~」


「う~」



なるほど、そら疲れるわ。

近所って大体お年寄りになるんだよな。もちろん小学生がいる家とかもあるんだけど、圧倒的にご年配が多い。

まぁ土地柄っていえばそうなんだけど、新しい家なんてめったに建たない場所だし。うちが結構新しい方だからなぁ。

そんなわけで、老人が多い。そしてその老人は、なぜかむっちゃ元気という。

歩けなくなったなんて聞かないくらいには元気。病気も聞かないくらいには元気。

それはまぁパワフルなので、一回捕まると話が長い長い。

特に、ニホリみたいな小さく可愛い子とか、フミみたいな美人はすぐに老人のつながりで一気に話が伝わる。

しかも、近所で有名(これ自分で言うの嫌だな)な俺と仲がいいフミなんてそんなのもう話題にしてくれと言わんばかりの存在なわけだ。



「フミはなんだかんだ初めてだったか」


「・・・人間って、パワフルなんやなって」


「安心しろ、例外だ」


「・・・でも恭輔のじいちゃんとかばあちゃんとか・・・」


「例外だ」



むしろ例外しかいない・・・あれ?じゃあ例外じゃないんじゃない?普通なんじゃない?



「・・・人間って」


「よく考えると、親父も母さんも年取ったらああなりそう」


「うー・・・」



なんだろうか、俺の近くにいる老人たちはみんな何かあるのだろうか。



「ワン!」


「お、遊ぶか?二人とも大丈夫か?」


「あ、このまま寝るから大丈夫やー」


「うー」


「ダメだなこりゃ。コロちゃん。布団かけるから手伝って」


「ワフ」
























ニホリとフミに布団をかけたところで庭へ。二人はそのまますぐに寝てしまった。まぁ精神的に疲れるよね。押しが強いから。


さて、話を庭に戻そう。

コロちゃんに遊びに誘われたってことはみんないるってことだと思ったら。



「ちゅ!」


「ぴ!」


「きき!」


「るる!」


「にゃ~」


「めぇ!」


「!!」


「」(!!


「クゥ!」


「超元気じゃんか」


「ワフ」



どうも体力が有り余っているらしい。

フミと出かけた日から見ると今日が三日目。実はその間、ダンジョンには潜ってない。


理由は、親父に心配されたから・・・もあるんだけど別の理由だ。

ロラちゃんだ。ロラちゃんの様子を観察してたのだ。


ロラちゃんはテイムしてから日が浅い。何を食べるとか、どういった寝床を好むとかはわかっているが、もっと詳しく知らなければいけない。

なんせ『薬品生成』のスキル持ち。これだけでも驚くほどに有用だ。

この先、ダンジョンを取り巻く環境はどうなるかわからないが、間違いなくロラちゃんは・・・言葉にしにくいが今以上に重要な存在になっていく。


もしかしたら、俺以外にもテイムする人が生まれるかもしれない。

そういった時に、あらかじめ情報がたくさんあれば飼育もしやすいだろう。

まぁこれはロラちゃんだけじゃなくてみんなの分やってすでに提出済みだ。すらっぴとか初めからいる子達は長い分結構な量になっている。


その観察と資料作りをしていたら三日経っていた。そんな感じだ。

まぁその間に休みもとれて一石二鳥・・・だと思ったんだけど。



「みんなは暇だと」


「ワン!」


「ん~フミと今日も戦ったよな」


「クゥ!」


「一回じゃ足りんと来たか」


「!!!」


「」(!!


「君らは元々ダンジョン行かないから暇だと。なんかよこせと」



基本は庭か小屋にいるユニちゃん。そのユニちゃんにくっついているロラちゃん。

二匹ともダンジョンに行かない。戦闘力のない子たちだからそら暇よな。

ユニちゃんは『分身』の練習もあるけど、それだってずっとできるわけじゃないからな。

ロラちゃんは俺に見られてたけど、基本普段と変わらないしでいい加減飽きたと。



「んん~まぁ一理あるわな」


「ぴ~」


「でもなぁ・・・」



そうなると、みんなが暇をつぶせるものというとダンジョンの22層なんだけど。

あそこなら羊ちゃん達だけで危ないのは・・・いるけど瞬殺できるしな。



「とりあえず行く?」


「き!」


「ちゅ!」


「うし。じゃあ行くか」



行くかと言った瞬間にみんなしてワーって感じにダンジョンの入り口に走る。

ロラちゃんは俺にくっついてきたから運ばれる気満々。ユニちゃんは馬具取りに行ったみたいで乗せる気満々。

今更他のこととか言えない感じ。


・・・仕方ない。俺も水筒とか準備するか。



「あ、ふーちゃんとねっさんは残れー!!」


「クゥ!」


「ちゅー!」



流石に二匹守りながら22まで行くの面倒なんでね。





















「「「「「「「「めぇ~」」」」」」」」


「相変わらず君らも緩いわね」


「めぇ」


「そういや、あれから亀来たのか?」


「・・・めぇ?」


「「「「めぇ」」」」


「あ、来てないんだ。定期的に上がってくるタイプじゃないのか」



そうすると、誰かが海で亀を見つけないと来ないのか?

ん~やっぱりこの階層なんか変だよなぁ。このまま何もしない状態だと戦うことがないし。

洞窟は比較的戦闘になるか。それでも洞窟行かないといけないのはそうなんだけど。



「とりあえずヤシの実獲るかー。いる子~」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


「よーっし何個分かわからんから手伝え~」



一斉に皆で返事しないでくれ。せめてまとめて。



「面倒だから木ごと獲るか。コロちゃんとバトちゃんは切断係。他のみんなは運んでくれ。



そういった瞬間にまたワーって感じに動き始める。

今度は羊ちゃん達込みだからもっと多い。



「・・・聞き分けいいなぁ」


「」(ギュー


「お前も動こうとしようか」


「」(ヤダー


「嫌かー」



ロラちゃんはロラちゃんで動く気ゼロだし。

ていうか、羊ちゃん達うちの子かってくらい言うこと聞くようになったよなぁ。

全部テイムしてるんじゃないだろうな。



「・・・え、ないよな」



念のため、念のためと思って珍しく持ってたカードを確認。



「・・・セーフ」


「」(コテン


「いや、流石にないよな。そうだよな」



ちゃんとみんな分しか書かれてなかった。

まぁ羊ちゃん達込みだとこのカードに収まらないだろうし。


・・・他のダンジョンのこの階層もこんな感じなんだろうか。



「ちょっと会ってみたいな・・・」


「」(ダメー


「え、ダメなの?」


「」(プンプン


「ははぁ。可愛いなぁ」


「」(!?



やきもち妬いちゃってー。可愛いなぁロラちゃんは。

背中から抱っこに変えてやろう。ぎゅっとできるぞ。



「俺たちも行くかー」


「」(ギュー


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