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16話

「今日からうちに来ることになりました。ふーちゃんです。皆仲良くね」


「ワン!」「ぴー!」「きー!」「ちゅー!」


「キュ?クゥ!」



狐ってコンコンって鳴かないのよね。なぜコンなどど・・・。


今はうちに戻ってきている。とりあえず動物園ではふーちゃんを引き取るだけだった。

潜るダンジョンは山のダンジョン。うちにあるのも入っていいらしいんだが、しばらくは山の方に入ることになっている。


まぁ、実験目的だしな。どこに潜っているか明確にしなければいけない。暫くはしょうがないだろう。そんなに遠くないからまだいいか。新宿までだったら最悪だった。



「それにしてもこの懐き様はいったい・・・」


「クゥーン」


「めっさ頭押し付けてくるやん」



普通狐ってなつきにくいんだけどなぁ。


狐は臆病で用心深い。そのせいか、ペットとして飼ってても死ぬまで懐かないなんてこともあるくらいだ。もちろん、丁寧に接していけばその可能性は減る。だけど最初からこうなるのはないはずなんだけど・・・?



「?」(首傾げ~


「可愛いなおい。動物園で野生がなくなってるのか?」


動物園ってそういうものなんだけど。個性っちゃ個性だから個体ごとで性格は違うだろう。でもこいつ生ませたの今年だったよな?人前に出てる期間がそんなに長くないはずなんだが。人に慣れてるわけでもないだろうに。



「キューキュキュ!」


「は?ほかのに聞いた?俺の事?」



どうも他の動物達から俺の事を聞いてたらしい。なんでも人間なのにこっちの事言いたいことを理解できる珍獣だそうだ。


誰が珍獣か。



「でも懐くまでの期間を省けたのならいいか。もっふもふやがな~」


「くぅ?」



このまま顔をうずめたい・・・!コロちゃんは狼だからモフモフなんだけど固い。あれはあれでいいものなんだけど。やっぱり犬ではないからな。それに比べて、ふーちゃんは完全に狐。愛玩動物。アニマルセラピー。なんでも言える。


とりあえず、我が家では珍しいタイプだ。


昔は文鳥とかペリカンとかいたけど。一番驚いたのはハリネズミ。飼えるのかともおもったが割と初心者向けらしい。構いすぎ注意だけど。



「あ、テイムしなきゃ。『テイム』」



ポーン

『ダンジョン外で動物のテイムに成功しました』


「名前はふーちゃんで。OKOK」


「キュ!」



ちゃんとよろしく!と挨拶してきた。偉い。可愛い。



「もっと抱えてたいけど。親睦深めておいで~」


「キュー!」「ワフ!?」「ぴぴぴ?」「キキ!!」「ちゅ~」



手放した瞬間にコロちゃんに突撃。コロちゃんびっくり。すらっぴ状況を読めず。バトちゃんは家族が増えてうれしい模様。ねっさんは老人みたいに、元気だねーって言ってる。

まとまりないな。



「さぁて、ふーちゃんのスキルを取りますか」



手持ちのスクロールは残り三個。全部使うけどふーちゃんの希望に合うのが出てくるかどうか。


えっと・・・



「『幻術』『火魔法』『精密操作』・・・」



狐のイメージの沿ったものが出てきましたなぁ。どうなってんだ。


とりあえず『幻術』と『火魔法』はふーちゃんにあげて。『精密操作』は・・・



「誰かいる~」


「「「「「わきゅきぴちゅー」」」」」


「なんて言ってんのかわからーん。・・・俺がとるか」



だれも興味持ってないわ。遊ぶのに夢中ですわ。聞く気もありませんわ。



でも『精密操作』って。どうやって使うんだ?。何をやったら作用するのか。特に何も書いてないし、操作するもの全般なのか?。全く分からん。



「とりあえず、魔法で試すか」



室内では部屋が汚れるので庭に出る。うちの庭はコロちゃんをはじめ、うちに来た子たちがのびのび遊べるように広く設計されている。ふーちゃんも気にいるだろう。木も植わっているため日陰も多い。



「魔法・・・なんか精密さを求められる魔法?そんなのないわ。作るか」



普段使う魔法は大体決まっている。雑魚なら初期から使えるアースボール。ちょい強いならアースジャベリン。数が多いならスプレッドアースガン。強敵でも結局アースジャベリンを撃ちまくるとか、土の塊で押しつぶすとかそれくらいだしな。基本は力押しだ。しいて言うならスプレッドは細かい操作が必要だけど、あれってショットガンが上からくるイメージなだけだしな。そんなに難しくない。



「そうなるとー。・・・・・・・・・・・・」



なんかあるか?火とかなら鳥の形で使ったりとか浮かぶんだけど土?

たっぷり五分考え込んだところ答えがでた。



「ゴーレムか」



元々戦っているやつなので、なんとなく浮かんだのだ、人と同じ動作を要求されるのなら、それはかなり精密な操作が必要だろう。魔力にも使えるかわからないけど。



「さっそく一体。クリエイトゴーレム」



基本的に唱えてる呪文はその場の思い付きだ。イメージだけで撃てるから必要ないんだけど、ちゃんとイメージを固めるのに便利だから使っている。


普段俺が魔法を使うと虚空から生まれた土が高速でイメージ通りの形に変化していく。今回のゴーレムも同じ感じ。頭からできて形を作っていく。胴体、足と順番に生まれる。



「おお、できた」


「    」


「しゃべれないよなぁ」



そもそも口も声帯もない。そこまで作りこむのは簡単なイメージではできないだろう。何気に人型の張りぼてを作るだけでそこそこ集中が必要だった。強度は問題ないだろうけど、他のギミックをつけるのは要練習だな。


動かすには・・・これもイメージでいいのか。腕は動く。手も握れる。歩くのは・・・



「あ、ダメか。バランスかな?」



前に踏み出そうとした瞬間に後ろに倒れてしまった。どうも片足に重心を動かす時の体重移動のイメージがダメだったようだ。今はロボットアニメでロボットが歩くようなイメージだったが、普段俺が動くイメージのほうがいいのかもな。

さぁどうだ。



「動けたぁ!!」


「ガシッガシッ」



なんか重そうというか、動作が硬いな。これもイメージか?慣れるしかないか。


でもしばらくこれを戦力にカウントするのは無理だな。あと『精密操作』の恩恵わかんないし。初めて使った魔法でやっちゃダメじゃん。

攻撃魔法は危なくて外じゃ使えないし。ダンジョン行こうにもふーちゃんいるから潜れないし。レベルあげるのはまずいよなぁ。スキルもギリギリなのに。



「今はとりあえずいいか。緊急じゃないし。なんか即効性のあるものでもなさそうだし」


「ぴぴ?」


「おお、どうした。遊んでたんじゃ・・・」



後ろを振り向くと外に遊びに行く気満々の動物二匹とモンスター一匹。しっぽを振りすぎてかすんで見えるぜ。



「・・・行ってらっしゃーい」


「ワン!」「キュー」「ちゅちゅー!!」



元気なようで何より。でもねっさんさっきおっさんみたいなこと言ってたのに調子いいな~。



「ききー」


「ぴ~」


「こっちは休憩か、俺も寝ようかなぁ。どうせ今日はダンジョン行かないし」



山に行くのは明日以降だしなぁ。今のうちにやすんでおくか。

おやしみーzzzzzzz



























「グッハ!!」


「ワフ」「キュ!」


「・・・オハヨウゴザイマス」



叩き起こされたようだ、すでに日も傾いている。そろそろ夕飯の時間だろう。今日は俺は作らないぞ?



「今日は母さん居るから催促はあっちに」


「もうできたのよ~」


「あ、できたから起こしに来たのね。ありがとね~コロちゃん、ふーちゃん」


「ワン」「きゅう」

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