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159話

夜分一話です

今日も今日とて乱れ撃ち・・・しようと思ってました。



「よっしゃ!張り切っていくで!」


「わー」


「うー」


「クゥー」


「ぴー」


「きー」


「・・・ちゅ?」


「ワン」


「るる~」


「にゃー」


「めぇ・・・」



今日はフミがやるそうです。


まぁ簡単な話だ。

昨日俺たちがいっぱい撃ち落としてたのを見たフミは内心こう思ってたらしい。



「うちもあれやりたい」



・・・だそうだ。

まぁ見てて楽しそうだったらしい。沢山飛んできて、それが大量に撃ち落とされていく様は気持ちいい物だったらしい。

それを自分もやりたいと。そんなわけで今日はフミが戦うことに。



「恭輔ー!見ててやー!!」


「あーい・・・ズズ」


「うー・・・ズズ」



俺が戦闘をしないってことはまぁニホリのダンジョンお茶会に俺が参加するってことでね?

基本俺は戦いっぱなしだったから参加したことないんだよね。みんなはお休みの時に時々参加してるんだけど。

・・・ニホリは最近緑茶にはまってたりするのだろうか。水筒の中身が緑茶なんだが。こういう時ってスポーツドリンクじゃないのか?



「う」


「すいませんおいしいです」



怒られた。



「ちゅー!!」


「お、来たか」


「う」(ササ



ニホリは念のためしーちゃんの毛の中に避難。あんまり使わない『受け流し』だけど、攻撃が通らないって点で一番安全。



「いやぁ。ちゃんと戦うのっていつぶりやろ」



軽くジャンプして体をほぐしている。

俺たちとの訓練中にはあまりやらない動作だ。俺とコロちゃんとねっさんのチームと戦う時に見たくらいか。

これをやるってことは、今回はそこそこマジでやるみたいだな。



「・・・でも、あいつ魔法使うんだよな」


「うー」


「だよな」



あれって近接戦闘する時の準備運動でしょ。撃ち落とすんなら魔法だよな?だったら体ほぐす必要なくない?



「んじゃ。行ってきまーす!」


「うん?・・・行ってらっしゃい」


「うーうー」



こちらに手を振って挨拶をした後にしゃがむ。

・・・しゃがむ?



「ふぅ~・・・ハッ!!」



フミが、跳んだ。敵の大群向かって跳躍した。



「・・・は?」


「・・・う?」


「・・・ちゅ?」


「ぴぴ~」


「き!」



ものすごいスピードで敵の大群の中に跳んでいったフミ。

そのまま戦闘にいたグリフォンを踏み台にした際に踏まれたグリフォンの頭が爆散。

さらに加速して次の敵へ。次々に敵を叩き落しながら大群の中を縦横無尽に駆け回る。

フミ自体の姿は捉えられないが、落ちたり、爆散したり、八つ裂きになったりしている敵の姿は見れる。それを見てようやくここにいたのかと判断できるくらいだ。



「・・・いや叩き落すって違う!」


「うー!?」


「ワフ・・・」


「クゥ・・・」



大群の数は、おそらく昨日俺たちが戦った時と同じ数だろう。

俺たちはその大群を、コロちゃんとねっさん抜きで大体10分ほどかかった。

だが、フミは単体で開始1分未満ですでに半分を倒している。フミが通ったであろう所にいた敵は残らず倒されている。



「俺、敵が一斉に倒されるとこって初めて見たかも」


「う?」


「いや、漫画みたいだなって」



なんというか、むっちゃ強いキャラが雑魚を蹴散らす感じ?一瞬のうちに敵の命が消えるってああいう感じなんですねって感じ。

あ、終わった。



「・・・・・ぁぁぁぁぁただいまぁぁぁ!!」


「・・・おかえり?」


「・・・う、うー」


「どうやったどうやった?うちかっこよかったやろ!!」(ブンブン


「え、あ。うん、カッコヨカッタヨ」


「せやろー!!褒めて褒めて!!」


「・・・よしよーし」


「うへへへへへ」



ぶっちゃけ禄に見えなかったけど、まぁ言うまい。がんばってたし。

いや、それにしたって速すぎ・・



「・・・あれって、敵を踏み台にしてたってことでいいんだよな?」


「うん?してへんで」


「え」


「足元にな?これ作ってん」



なにやら足元に何か透明な何かがある。それを軽く踏みながら説明してくれる。



「うちが空中戦で使うスキルや。まぁ踏み場を作るくらいしか使ってへんけど」


「あの速度で作って、お前の速度を受け止められるくらいの強度ってこと?」


「まぁそうなるわなぁ」



いや、それ俺が魔法で作る壁より強硬いんじゃないの?それ防御に使えばいい奴なのでは・・・。



「まぁ『魔法壁』って名前やしな」


「スキル名?」


「・・・あ!言ってもうた」



『魔法壁』・・・本来は壁なのか?

恐らく壁を作る場所は自分で自由に決められるのだろう。そうじゃなきゃ空中に出せないし。

防御にも使える、足場にも出来る。多分だけど、攻撃にも使えるのでは。


まぁ俺にスキル名漏らしたのはスルーしよう。



「一個だけ知れてもな」


「まぁうちの札はまだまだいっぱいあるんやけどな!」


「ちなみにいくつ?」


「合計で・・・って危ない危ない」


「乗らんかったか」



どさくさに紛れて聞こうかと思ったけど、残念。



「ワン!」


「ん。落としたのは筋力としても、切られたり爆散したりは多分別のスキルだろうな」


「ふっふっふ。内緒~」


「多分、爆散の方はねっさんに似てるタイプなんだろうけど・・・」


「あれ、聞いとらんねこれ」


「うーう!」


「あ、ありがとう~」



敵が切られてたのはなんだ?『魔刃』みたいな跡や光は見えなかった。

発動のタイミングが一瞬だと俺だと見えないだろうがそれか?いや、それにしては何か違和感があった。

切られら時の感じが、刃で切られたような感じじゃなかったな。あれは・・・爪な気がする。

もっと近くで死体を見れればわかるんだろうけど、倒されてから死体が消えるまでは一瞬だ。

戦闘中の様子でしか見ることができなかったが・・・



「・・・爪・・・切れ味?」


「長考入っとるなぁ」


「うー」


「クゥ」(ヨジ゛ヨジ


「でも射程が・・・」


「ちゅ」(ヨジヨジ


「届かない・・・飛ばした?」


「ぴ~?」


「き?」


「・・・ワフ」



そうだ。近づいた感じはなかった。フミの通った軌跡は完全に見えなかったけど、切られた敵は遠くにいた。

それで切られたってことは、斬撃が飛んでいたのだろう。俺が八つ裂きに見えたのは、爪の本数分の斬撃が飛んでいたからだ。



「多分これが・・・お?」


「クゥ」(プラーン


「ちゅ~」(モゾモゾ


「・・・なんで登られてるんだ」


「恭輔まったく動かへんかったし」


「うー」



ああ、あんまり動かないもんだから、登ってもいいものかと思われたか。

ほれ、頭のねっさんはともかく腕にしっぽでぶら下がるなふーちゃん。



「いや、ボス行かんでええんかい」


「あ」



折角フミが戦ってくれたから行こうって話だったな。



「イクゾー」


「クゥ!」


「ちゅ!」


「いや、そのまんまかいな」


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