158話
お昼一話夜一話です
「あそーれみーだれ撃ち。あそーれみーだれ撃ち」
「「「「キュクガ!?」」」」
「・・・ワフ」
「クゥ!!」
「・・・・・・ワン」
コロちゃんは、なんて迷惑な歌なんだとか言ってる。
そしてふーちゃんにも同じことを言っているよ!
29層大草原。むっちゃ空が広いこの階層の敵はにはもちろんグリフォンがいる。
そしてもう一体。俺はこういう明るい所には出ないと思ってた敵がいた。
「「「「「■■■■」」」」」
「追加入りましたー!!!」
「クゥ♪」
「ぴぴ!!」
「き~!」
「めぇ」
「るる!」
大きな目玉に羽が生えたモンスター。俺はデビルアイと呼んでいる。
出ないと思ってた理由は、こういう敵はなんか洞窟とかのイメージがあったのだ。悪魔っぽいし。
こいつらは羽が生えているのでもちろん空を飛んでいる。ここの敵は、空中から高機動で魔法を連射して来るモンスターばっかってことだ。
ようするに、魔法を持ってない子たちは基本何もできない。
そんな彼らは何をしているかというと・・・
「・・・ちゅ~」(グデー
「・・・ワフ~」(グデー
「うーう」
「まぁ攻撃出来へんならこうなるわなぁ。しゃーないしゃーない」(ズズ
いつものニホリお茶会に参加していた。
まぁコロちゃんは言わずもがなの近接特化。ねっさんはちょいと変わってるど、近接戦するのは変わりなし。
一応防衛って役目はあるんだけど、フミもニホリについてるからそれも微妙。
なんなら魔法撃てる面子が撃ちまくってるせいで流れ弾すら飛んでこない始末。
そらくつろいじゃうよね。
それにしても個々の敵は多い。狼人間と同じか、それ以上に向かってくる。
ある意味で、移動しないで敵を倒せるから楽なんだけど、こうなると後が良くない。
「これでラスト!」
「■■■!?」
残ってたデビルアイの大きな目玉に槍が突き刺さりそのまま消滅する。
今ので向かってきてたのは最後のようだ。
ここでさっき言ったよくないことが起きる。それは・・・
「コロちゃんねっさん。周囲に敵いる?」
「ワン」(フルフル
「ちゅ~」(フルフル
そう、一気に倒しすぎて、階層内の敵がいなくなるのだ。枯れるともいえる。
まぁ一気に倒すか時間をかけるかの違いなんだけど、経験値貯めるならともかく、ボスに向かうならよろしくない。
敵を多く倒すってことは、その分消費が大きくなるってことだからな。
それに、ボス戦の時からそこまで一気に魔力が上がったわけでもない。グリフォン一匹倒すのにもそれなりの量の魔法を使わなきゃいけない。
デビルアイは機動力こそグリフォンに劣るが、その分グリフォンより多くの魔法を使ってくる。迎撃される魔法が増えるのでこれも負担を増やす原因になっている。
「まぁゆうてまだいけますけども」
「無理したらあかんで~。今日初めてくるんやし」
「無理はしないって。なぁみんな」
「ぴ!」
「き!」
「めぇ~」
「クゥ!」(ブンブン
「る~る~!」
負担が多いからって、みんな強くなっているのだ。これくらいでは問題はならない。初見で挑まざる負えない階層ボスに対しては少し不安が残るがな。
「まぁ今日は、もう出てこないかもしれないし。帰るか?」
「ちゃんとドロップあつめてな?」
「「「「「「「ちゅっちゅっちゅっちゅ」」」」」」」
「既に山積みになっているだと・・・?」
グリフォンのドロップは羽根。黄緑色の綺麗な羽根。これは飾りとかに使えそう。
デビルアイのドロップは水晶。透明度はそこまで高くない。サイズもビー玉くらいなんだが、魔力を貯められる特性を持つ。魔石の下位互換って感じかも。
そのドロップ品。とくにデビルアイの水晶が偉い山積みになっている。羽根はまぁあってもかさばらないしな。それはいいんだ。
ただし水晶、てめぇはダメだ。
「う!」
「はい、すいません」
怒られたのでササっと回収。
何体倒したのか知らんけど、水晶だけで50個近い。全部がドロップするわけじゃないから、倒した数はもっと多いことになる。
いやぁ。33層は強敵ですね!
「何しとるん?はよ帰ろーや」
「あ、はーい」
おいてかれりゅ~
「ただいまー」
「ワン!」
「クゥ!」
「ぴぴ!」
「きき!」
「ちゅー!」
「るる!」
「めぇ!」
「う!」
「ただいまー」
「あらおかえりー」
「!!!」(サッ
「」(サッ
「よし来い!」
「めぇ」
「!!!」(♪
「」(オカエリ
「受け止めるの慣れてきとる」
「う?」
「・・・両方やな」
「にゃ~」
「あ、ただいまー」
「うー!」
「る?」
「にゃ」
「る~♪」
ロラちゃんは俺に挨拶(物理)ユニちゃんはしーちゃんに挨拶を敢行。
母さんが庭で洗濯物干してたところにみんなで集まっていたようだ。
「珍しいね。この時間に洗濯物って」
「そうやね。何かあったんです?」
「うー?」
今は昼ちょい過ぎなので。普段の洗濯物の時間と比べると遅めだ。何かしてたのだろうか。
「うん。ママと電話してたらあっという間に時間が経っちゃってね~」
「ああ、ばあちゃん」
「う?」
「うん?ああ、そっちじゃなくて。母さんの母親ってこと」
「・・・う?」
「まぁわかりずらいよな」
ニホリにはちょっと理解できない話のようだ。
母さんの母親。俺にとってももう一人のばあちゃんは静岡に比べれば比較的に近くに住んでいる。
千葉だし。それでも車で道が混んでたら二時間くらいかな?
正確は・・・まぁ母さんに似てるとだけ言っておこう。
「なんだって?」
「こんどうちに来るって~」
「あら。相変わらず元気だな」
「まぁママだもの」
「そんなもんか。おじさん達は?」
「来ないって~」
母さんは兄一人妹一人の三人兄妹。おじさんは普通に会社員。おばさんは・・・何してるんだろうか。
ニートとかじゃなくて、働いてるみたいなんだけど、教えてくれないんだよね。
母さんの父親。俺のじいちゃんい当たる人はすでに亡くなっている。俺が生まれる前には亡くなっていたらしく、姉ちゃんがうっすら覚えてるくらいだそうだ。
それで、ばあちゃんが来る理由は・・・
「ニホリとフミか」
「だいせいか~い」
「やっぱりかー・・・」
「う?」
「うちら?」
母さんだろうな話したの。ていうか、一応二人とも世間的に隠されてる存在なんですけど、話していいのか?
・・・俺も普通にニホリを外に連れて散歩してたな。ダメじゃん。
「こういうのは、全部隠すと逆に怪しいのよ」
「バレてもいい部分だけ話すと」
「そしたら逆にばれない物よ~」
「へぇ~」
母さんにそんなこと教わるとは。
「まぁいいか。それで?いつ来るの?」
「ん~まだ決まってないけど。近いうちに来たがってたわね」
「あーじゃあ俺もいろいろ終わらせとくわ」
「ありがとうね~」
まぁダンジョンに行くのがほとんどなんですけども。
後はため込んでる報告しなきゃいけない奴の書類を書くことかな・・・ハハ
「フミ。手伝って」
「ん~。じゃあ今度添い寝して!」
「いいぞー」
「わーい」
俺は学んだ。ここで狸モードを要求すると総スカンを食らうことを。
 




