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155話

フミの妹と雪ちゃんが家に来てから一週間後。本当に予定が取れたのでさっそくじいちゃん家のダンジョンへ。

まぁ今回もじいちゃん家には寄るんだけど、その前にダンジョンへ。


フミがいなくなってしばらく経つけど。中はどうなっているか。

元々フミが野生動物たちを受け入れてたわけだけども。そのフミがいなくなってその子たちはどうなったか。

まぁイノシシとか冬眠中の熊とかいたし、一層くらいのモンスターならどうにでもなりそうだけれども。



「うりぼうちゃん達は元気だろうか」


「まだ寝てるんちゃう?」


「あの中温かいからなぁ」


「ああ、起きるだけなら起きてそうやな」



まだ雪が積もっている。まだ一月だしな。そろそろ二月だけど。

本来なら春ごろまで冬眠する動物たちばっかりだったが、フミに会った時にもまだ普通に元気そうにしてたしな。


今回は俺とフミだけ。俺たちだけなら親父に車出してもらわなくていいしな。

俺も免許欲しいなぁ。



「うちがとるんわ?」


「お前戸籍ないしな」



いくら見た目大人でも流石になぁ。

まぁ俺も今年で18になるし、勉強はちょっとずつやってくか。



「そろそろだっけか」


「うん。この辺やったな」



ここのダンジョンを見つけた時に、親父には報告したんだけど、野生動物たちを刺激しかねないってことであんまり管理されてない。

まぁ中に熊とかいるし、みんなにはちゃんとお願いしたからちゃんと何かあったら近くに常駐してる人に伝えてくれるように頼んだし。

あんまり管理してないと言っても、一応ここの村の村長さんにいろいろ頼んで報告だけしてもらっている。

さっきも聞いてきたが、特に変化なし。そもそも中の子たちがみんないい子だから見に行っても歓迎されるとか。



「あ、一応フェンスで囲ってるんだな」


「でもこれ、ここの子には意味ないな」


「まぁ人間が入らないようにってやつだろうし」



入ったら熊と猪に追い出されるけどな。



















「「「「ブー」」」」


「あいかわらず可愛いなぁ」



フェンスを飛び越えてサクッと中に入る。

俺の気配と感じて何匹か構えていたが、見たことある顔である俺と、フミであることを確認すると寝転がった。

まぁちびちゃんたちは寝るのに飽きたのか、起きてこっち来たんだけど。


ていうか、なんか増えてるんだけど。

うりぼうは前からいたけど、子熊とかリスとか、なんなら野ウサギもいる。この山どんだけ動物いるんだ。


フミは自分の戦利品置き場に物をとりに行っている。大体2分で戻るとかなんとか。

まぁ気配が離れる速度的に、俺が行くなら移動だけで10分以上かかりそうだけど。



「きゅ」(ドングリイル?


「ん~大丈夫だよ~。あ、そうだそうだ。食べ物持ってきたから置いてくな」


「ガァ」



俺が寄りかかっている熊にそれを伝えたところ、あとで運んでおくとのこと。

まぁ場所バレるとチビ達が勝手に食べちゃうかもしれないしな。



「ただいまー」


「おかえりーってなんだその量!?」


「そっちこそ何この短時間でみんなに囲まれとんねん」



フミは持ってきたバッグに入りきらないくらいの量のいろんなものを。

俺は両の手では足りないくらいの動物たちに囲まれている。どっちに驚くかは人による。



「もー。恭輔はちょっと目を話すとすぐモテるんやから」


「これなら本望なんだけど」


「だから困っとるんやけど?」


「・・・まぁともかく荷物見ようぜ」


「話逸らしおったな。てかここで見るん?」


「ここでいいだろ。じいちゃん家でわざわざ広げんのもあれだし」



てかどっちにしろ今のお前の持ち方だと俺がまったく持てないでしょ。



「あ、そういうことか。じゃあよいしょっと」


「重そうだな」


「重いっちゅうか、かさばる」



だろうねって感じ。ニホリと同じ人形がいるって時点でそれなりのサイズだし。

他にもあるんならこれくらいになるわな。



「ちなみに、まだあるで」


「既に俺の背丈超えてるんだけど」



どうすんだそれ。



「まぁ頼むしかないやろ」


「・・・親父に電話するか」



研究所に連絡すればあっちから車とかだしてくれるだろう。

結局車使うなら最初からそうすればよかったのでは。


出たら電話しよーとか考えてたら、フミがささっと荷物からいろいろ取り出している。

魔石も時々あるんだけど、サイズ大きいのなんのって。

あ、その木彫りの鳥俺も持ってる。



「これなんなの?」


「うちも知らんなぁ。ヨミに見てもろた事もないし」


「ないの?」


「全部見るて飽きるやろ」


「そういう?」



飽きるって問題なのだろうか。あ、こらこら、勝手によくわからないものかじらないの。



「親の元に帰りなさい」


「ブー」


「いやおいしくないから」


「ここで広げんのあかん気がしてきたんやけど」


「待って、言い聞かせる」



わかんない物を口にして体調崩すなんて山でもあるかもしれないからな。今のうちに言い聞かせて元気に育ってもらわねば。

ほら、あっちの親猪も俺に任せたみたいな感じだしいけるって。



「二回しか会っとらんのになんなんこの信頼」


「俺の人徳。いいか~」


「ブー」























「それで、これが肝心の人形?」


「そや。ちょっと違ったな」


「ちょっとじゃなくてだいぶだよ」



ニホリは日本人形。おかっぱの着物姿の少女の人形だ。

だけど、フミの持っている人形は金髪の人形だ。わかりやすく言うと、外国の人形。西洋人形。

形的にはフランス人形が近いのかな。



「お、詳しいん?」


「ニホリが来た時に調べてな。もしかして人形を友達にする子かと」



まぁ普通に大丈夫だったんでこの知識は忘れかけてたんだけど。



「でも人形ホンマニホリと全然ちゃうなぁ」


「お前はこれを同じと見てたんだけど」


「あんま興味なかったからなぁ」


「想像出来るわ」


「それで?」


「・・・それで?」


「いや、なんかないんか?」


「あ、ニホリみたいにできるかってこと?」


「そや!それが目的やろ?」


「まぁうちの子にするかは決まってないけど・・・うん?」



よく考えると、ニホリの時も別に何かしたわけじゃないんだよな。

確か俺の魔力が一定以上になったから出てきたのがニホリだ。しかも俺が飯食ってリビングでくつろいでる時に。

懐かしいな、確かにあの時いた子たちに囲まれて震えてたな。



「・・・まったく魔力持ってかれる気配ないんだけど」


「あれ~?」


「もしかして、人形によって具現化するか決まってるとか?」


「別の効果があるちゅうこと?」


「そうそう。または俺でじゃ具現化できないとか」


「恭輔じゃできない」


「ほら、俺はニホリいるし。一人一体とか。人形ごとに適性があって、その適正じゃないとダメとか」


「よぉぽんぽん出てくんなぁ」


「まぁゲームじゃありがちだし」



本当にそうかは知らんけどな。

なんなら『テイム』も関係ないかもしれないし。

個体によって反応するスキルが違うとかさ。まぁこれはかえってヨミさんに聞かないと始まらないな。

・・・便利だなぁヨミさん。



「ダメ人間になりそう」


「まぁ実際ヨミは居るとむっちゃ世話してくれるで」


「うわぁ」



それはいいのかもしれないけど、なんとなく俺は自分のことは自分でやりたいしなぁ。

世話してもらうのはちょっと合わないかもしれない。



「まぁ料理とかはしてもらいたいけど」


「恭輔ってスペックと性格だけ見ればモテそうやよね」


「モテないんだなぁこれが」


「そら動物キチやし」


「欠点じゃないと思うんですよこれ」



いいじゃないか動物好きな男性って。

ペット飼う時にすごいいろいろできるんだけど。



「飼うペットが普通やないし」


「・・・そこはまぁね?」


「お茶目の領域超えとるわ」



解せぬ

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