154話
昼一話夜一話です。
私の別作品もよろしくお願いします
「見てほしいのはこれなんだけど」
「・・・何も書いてないスクロール?」
「あの人型に貰ったんだけど。俺もフミもなんも見えないんだわ」
「ヨミならなんかわかるんちゃうかってことや」
「・・・うーん」
「ダメか?」
「ダメというか、私の『鑑定』でもわからないが正解かと・・・」
「・・・それ結局わからんのとちゃう?」
「いや、何かあるのはわかるんですけど。隠されてるんです」
「隠されてる?」
「『鑑定』で見れないように、隠されてるんです。多分スキルで」
「ありそうな話やな」
フミが自分の上位とか言う存在だ。それくらい簡単なのだろう。
だけど、隠してるってことはどういうことだ?スクロールの中身は決まってると言っていた。
今はまだ使う時じゃないってことか?その時が来れば使えるようになる?
うーん
「お前さん何か知らない?」
「」(ナニー?
「わかんないかぁ」
「そらわからんやろ」
「ていうかその子が知ってたらびっくりなんですけど」
俺もなんとなく聞いてみただけだから気にすんな。
ていうかロラちゃん。そろそろ雪ちゃんかニホリのところ行かない?
そろそろこの体勢はキツイ。
「むしろ10分くらいその体勢キープしてるのがすごいと思うんですけど」
「え、そうなん?」
「普通それって腰痛くなると思うんですけど」
現在の体勢。前にロラちゃんを抱えてる状態。
これだけならいいんだけど、ロラちゃん。車のタイヤくらいの大きさだからね?結構大きいからね?
重くはないんだけど。それでもかなりね?
「」(フルフル
「いややって」
「なんでだ」
俺も支えてるけど、基本ロラちゃんが抱き着いてる関係上、俺よりロラちゃんの腕に負担が大きい・・・はず。
かれこれ10分くらいこのままだけど。全く腕の力変わってないけど。
「うーうー!」
「抱っこしたいですー」
「俺に言われても。ねっさんのあれで我慢してくれ」
「あれ?」
「う!」
「ねっさんよろしく~」
「「「「「「ちゅちゅちゅ!!!!」」」」」
「わわわ」
ねっさんが分身して雪ちゃんにまとわりつく。足元がかわいらしいネズミでいっぱい。
雪ちゃんがそのまま座って一匹手に取り、ふわふわでもふもふなねっさんの手触りを堪能してほおずりする。
「わぁ!!」
「うーうー」(モフモフ
「でた、恭輔が時々やってもろてるやつや」
「これにスキル使ってるんですね・・・」
「日常でもスキル使えれば強くなるでしょ?」
「だからあんなに偏りが・・・」
ねっさん。『分身』と『爆発』で1.5倍くらいの差があるらしいね。なるほど、俺のせいか。
「あ、ヨミさんもやる?」(ヒョイ
「ちゅ?」
「い、いや。私は・・・」
「ええ~ねっさん意外と柔らかいねんで~」(モフ
「そうそう。物は試しに。ね?」
「じゃ、じゃあ。失礼します」
「ちゅ」
恐る恐る俺からねっさんを受けとり、少しずつ触っていく。軽く肌を押すと柔らかい感触と共に心地よい反発感が。
最初はあまり乗り気でなかったヨミさんもねっさんの良さについ笑顔に。
「魔性のネズミや」
「まったくだ」
「・・・恭輔にとっては動物ならなんでもやんか」
「・・・まぁな。あ、ロラちゃん後ろ回って。フミはちょいちょい」
「ん?」
「」(ヨット
「狸」
「このままは?」
「・・・いいけど、雪ちゃん達いるぞ」
「・・・今回は許したるわ」(ポン
「勝ったな」
なんとなくフミを抱きたくなったので狸になってもらうことに。
・・・あれだな。フミを抱くって、言葉だけならダメな奴だな。人間モードは普通に美人だし。
「褒めるなら直接言ってほしいわ」
「うるへー」
動物とのふれあいタイムが始まった。
「大満足です」
「うー」
「良い物でした」
「満足そうでなにより」
まぁねっさんにかかればこんなもんよ。
そういえば、さっきからすらっぴとかバトちゃんとかが全く喋ってないけど、どうした?
そんなこと思ってあたりを見渡してもどこにもいない。あれ。家入ったか?
でも気配はないな。どこに行った?
「ん?そこにおるやん」
「あ、すいません。戻しますね」
「お?・・・おお!!」
「ぴぃぃぃぃ!!!」
「きぃぃぃぃ!!!」
戦闘のために張っていた結界のあったあたりにいきなり皆が現れた。
今はすらっぴとバトちゃんが撃ち合いをしている。中にはピッちゃんとしーちゃんもいるが、二匹も向かい合っている。
ずっとやってたのか?それにしては何も音なかったけど。
「私の結界ですよ。こういう風に使うのはあんまりないんですけど」
「・・・ああ、これがあの神社に張ってあったやつか」
「そうです。効果は気配、音の遮断と視認できないようにするものです」
「二つ張ったのか?」
「はい。効果の違うものに関しては同じ結界に付与できないので」
「へぇー」
さっきもこっちに飛んできた魔法をかき消す結界も張ってたから合計三つか。
使用何度がどれくらいかはわからないけど、みんなの攻撃を受け止めても全く揺るがないのはさすがだな。
いやぁ、今日は本当に来てもらってよかった・・・
「あ。忘れてた」
「何をや?」
「いや、ユニちゃんに『分身』覚えさせたんだけど、使い方分からないっていうからねっさんに聴こうかと」
「ちゅ?」
「そうそう。防御として見ると微妙だけど、逃げるだけなら十分だろう?」
「ちゅ~」
「お前の場合は逃げるより爆殺が速いだろう」
「ちゅ」
「とりあえず、教えてやってくれ」
「ちゅ~♪」
「!!」
二匹とも少し離れたところで話始めた。
まぁ『分身』は周りに被害こそ出さないけど、純粋に数が増えるからな。
ねっさんが小さいからまだいいけど、ユニちゃんとか同じ数増やしたら大変なことになりそう。
いや・・・それも見てみたい。あわよくば囲まれたい・・・。
「うちが増えたら?」
「超うれしい」
「えへへ~」
「・・・」
「・・・私もヨミが増えたらうれしいよ!」
「いや、雪ちゃん!?うらやましかったわけじゃないですからね!?」
「うーうー」
「・・・あ、ニホリと同じ人形の回収」
「あ」
じいちゃん家の近くのダンジョン。またはフミのいたダンジョン。
そこにあるフミの戦利品の回収。ヨミさんの話が出たときに回収したいって話したのに。
なんなら親父にも伝えたことなのに。
「・・・近いうち行くか」
「うー!」
「いやうちに来るかは・・・」
俺的には、三崎さんとかがいいかと思うんだよな。
ニホリみたいな知識持ちの子があっちにもいればいい感じになるだろう。
まぁお互いに合わないとだめなんだけどな。
「丸山さんのことむっちゃ気に入ったらそうなるしな」
「まぁ、そこは時にお任せやな」
「相性ってありますしね」
「う」
空いてる日って確か・・・来週か。




