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153話

夜分です

前からやっていたからか、すでに戦闘は終盤のようだ。

お互いに大きな怪我はさせないように、威力の高い魔法に関しては使っていないみたいだ。

そうなると、手数の多さって意味でふーちゃんが有利そうに見えるけど、実際はそうなっていないみたいだ。



「きき!」


「クゥ!」


「きーきー!」


「クゥ!?」



ふーちゃんの魔法は威力なしにすると手数は用意できるが、その分範囲がなくなる。これは単純にふーちゃんの技量不足なんだけど。

それに対して、バトちゃんは違う、威力関係なしに範囲を決められる。バトちゃんの『暴風魔法』・・・元々『風魔法』だった時から範囲攻撃の方が得意だった。

そのおかげなのか、狭い範囲だろうが広かろうが関係なしで同じクオリティで魔法を使える。


その差が今出ている。

ふーちゃんが魔法を多く撃っても、バトちゃんは一回の魔法ですべて相殺できる。

相性以前に、コントロールの時点での差が出てる。ふーちゃんの魔法は見た目だけど張りぼてになってるしな。


最後は飛んでるバトちゃんが前方から一発撃ち、それを迎撃した隙を後ろから回り込んだバトちゃんが軽く当てて終了。

バトちゃんの勝利で終わった。



「おつかれ」


「きき~♪」


「クゥ・・・」(ショボーン



しょぼんすると、ふーちゃんはしっぽがへなるんだけど、それがまたいい!ってそうじゃない。



「また俺と一緒に練習しような?」


「・・・ク」



ふーちゃんを抱っこして撫でる。それはもう撫でる。こうすればすぐにいつもの元気なふーちゃんになる。

さて、この撫でてる間にいい加減スキルを見てもらわねば。



「そんなわけでそろそろいいっすかね!」


「やからな?恭輔に言ったんよ」


「あ、あのお姉さま。恭輔さん呼んでますよ」


「おお?終わったんかいな」


「きき!」


「バトちゃん勝利」


「おお~やるやん」


「き!」



フミの頭の上に堂々と降り立ち胸を張る。そして結界の外だと日差しがダメだったのか速攻で俺のポケットに入るという。

割といつも通りの光景だ。



「ええ~」


「まぁまぁ。はよ見たってぇな」


「いや見るんですけど・・・」


「さぁ来い!」


「・・・いや、あの。カードも見せてもらえると」


「あ、持ってきまーす」



いつもの如く、持ち歩いてはない。

























「・・・大体わかりました」


「お、どうやった?」


「ワクワク」


「クゥクゥ」


「・・・仲いいですね」


「そらもうな」


「クゥ!」



ふーちゃん復活。


それにしても鑑定って、思ったより時間かかるのな。俺たちとカードを交互に見ながらかれこれ10分ほどかかった。

見る物によって時間が変わるのだろうか。



「まぁちょっと深いところまで見ましたから」


「深い?」


「目に見えてわかるくらいに簡単な物だとこんなに時間かからないんですけど。今回は一応恭輔さんの全体を見ましたから」


「・・・全体?」



ちょっとよくわからないが、まぁよく見てもらったってことでいいか。



「とりあえず、スキルで進化しそうなやつだけ教えて!」


「はい。と言っても、魔法系しか進化しないんですけど」


「まぁそう都合よくいかないか」



進化しそうというか、スキルの強さ的に近いのは

すらっぴの『水魔法』ピッちゃんの『無魔法』しーちゃんの『雷魔法』の三つ。

俺の『土魔法』以外の進化前スキルが全部進化しそうらしい。



「まぁ恭輔殴ることも多いしなぁ」


「ああ、だからこんなに平均的に」


「そんなに平均的なのか?」


「しいて言うなら『硬質化』が高いですけど・・・」


「フミとやってるからか」


「それやな」


「え、お姉さま恭輔さん殴ってるんですか?」


「組手でやからな?」


「わかってますよ。言ってみただけです」


「まぁ基本むっちゃ手抜きされてるし」


「・・・本気だと、『硬質化』の上からでもげますよ」


「どんだけだお前」



しかももげるって何。どんな衝撃なのさ。



「あと、やっぱりみなさんスキルごとに能力も特化してる感じですね」


「あ、それもわかるんだ」


「まぁ大体の目安って感じですけど」


「相変わらず親切なのか不親切なのかわからん仕様なのか」


「慣れましたよ」



コロちゃんは動くための能力。ゲーム的にいうなら素早さがぶっちぎっている。その分、攻撃に当たってないから防御力が低い。

ねっさんはもそうだな。『分身』『爆発』の二つを多用するから魔力と素早さは高いが、やっぱり攻撃をくらわない立ち回りなので防御力が低い。

ていうかだ、俺以外基本攻撃に当たらない立ち回りをしているせいか、防御力はみんな低い。



「でも、それ以上に驚きなのはレベルと能力の差ですよ」


「差?」


「どれだけ負担をかけて戦ったらこうなるんですか」


「フミと戦うとか」


「それ以外じゃないですよねこれ」


「ええ?」


「あれちゃう?ワイバーンと空中近接縛りとか、カマキリと剣術勝負とか」


「何してるんですか!?」


「いやそんな大したことじゃないでしょ」


「まぁ能力を見ればそうなんですけど、レベル的にはおかしいですよ」


「え?」


「恭輔さんの今のレベルだと、30層くらいがちょうどなんですけど・・・」


「んん?」



なんか年末とかにニホリに聴いた時と変わってない?おかしいな。ちゃんとレベル上がってるはずなんだけど。



「ええ?・・・多分恭輔さんの実力込みで判断したんだと思うんですけど」


「ああー。確かに今日負けたしなぁ」


「・・・完全に詐欺ですねこれ。なんでもっと下いかないんですか」



しょーがないだろいろいろ準備しなきゃいけないんだから。装備とか装備とか。あと装備とか。


まぁ普通の環境が続いてくれるんならこのまま一気に行けるんだけど。



「今どこですか?」


「26」


「あ」


「完全にダメな反応じゃんかそれ」



そういえば、藤岡さん達ってどこまで来れてるんだろうか。

スキルも見てもらいたいとか言ってたから、こんど呼ぶ・・・いや、ヨミさんに研究所に来てもらった方がいいか?



「それにしても・・・」


「うん?」


「いえ、珍しい子が多いなと」



ロラちゃん見ながらしみじみという。

確かに、うちの子は珍しい子が多い・・・らしい。フミから聞いた話だ。

特殊な個体である子が二匹。ユニちゃんにロラちゃん。それに普通の動物二匹。精霊持ち一人。お人形一体


あれ、普通なのってバトちゃんとねっさんだけ?



「いや、俺も普通だ」


「それはないかと」


「それはないやろ」


「言われると思ったわ」



むしろ言われなかったらどうしようかと。

戦力的に考えたらねっさんもバトちゃんも普通ではないんだけど。



「そうだ。もう一個みてもrおぶ!?」


「」(ギュ


「・・・何故こちらに」


「」(スリスリ


「うー!」


「まって~」


「ははは。逃げてきよったか」


「本当に好かれてますよねー」



本当にね。本当にうれしいんだけど・・・もうちょい突撃は控えめにしてほしいわ。

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