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147話

夜一話

フミとの戦いは定期的に行われた。

俺とコロちゃんの組み合わせだけではなく、すらっぴと俺。バトちゃんとコロちゃん。

全員で戦うとかもやった。一対二の形が多いのは、これの方が息を合わせやすいから。

俺たちは基本的にボス戦も全員でまとめて戦うことがないので多すぎると息があわない。多くても二人、二匹の組み合わせで戦うことが多い。

だからこの形態の方が全力を出しやすいのだ。


・・・まぁどの組み合わせでもフミにまともに攻撃いれられたことないんだけど。





まぁそこはいい。

ダンジョンの踏破の方が重要だ。


まぁ進んでないんだけど、これにも理由がある。

フミとの戦いはかなりの経験になっている。それも、いままでにないくらいの濃い経験だ。

その成果を一番最初に実感したのはピッちゃんだった。


ピッちゃんのレベルが上がり、魔法を23層で試したところ、爆発的な上昇はないが、それでも目にわかるくらいに威力が上がっていた。

ピッちゃん自体の速度も大幅に上昇した、結果。いままで一対一では勝てなかったカマキリ相手に余裕を残して勝利することができた。

これの何が問題って、ピッちゃんのフミとの戦闘回数は少ない。一番多いのは俺だ。

俺のレベルアップはまだ来ていない。最後に来たのは3日前だから、そろそろだと思うのだ。

要するに、俺のレベルアップ待ちってことだ。


そして、日課になりつつあるキメラ狩りをしてたら来た。



「よっし。これでしゅうりょ・・・」


「うー?」


「ワフ?」


「・・・やばい」


「お、きよったか」


「ハハ。ハハハハハ。マジか。これマジか!!」


「クゥ?」


「きき?」



体が急に取り換えられたみたいだ。それくらいの違和感。それほどの力の上昇を感じる。

今までは実際に戦うまであまり実感のなかったレベルアップが、これほどのものになるとは。



「これ、今ならフミとも戦えるのでは?」


「ほう?」(ゴッ


「あ、すいません調子にのりましたごめんなさい」



無理です、本気では戦えません。


いや、それにしてもこれすごいな。レベルアップ前の俺を犬だとすると、今の俺はコロちゃんだ。

なるほどわかりにくい。



「下行くか」


「え、大丈夫なん?」


「ん?大丈夫でしょ」



力の調節とかはわかんないけど、ボス戦なら遠慮しなくていいし。



「みんなも行きたい?」


「ワン!」


「ぴ!」


「きき!」


「クゥ!」


「ちゅ!」


「るる!」


「にゃ!」


「めぇ!」


「よっしゃ全員賛成!行くぞごら!!」


「・・・大丈夫なんかなぁ」


「うー」



本気で負ける気しないぞー。フミ以外には!!


























29層ボス部屋。

中の様子はこれといって特出すべき点はない。

ワイバーン戦の時のような感じだな。平原で空が広がっている。扉は奥の岩についている。


扉が開いて敵が出てくる。

四足歩行の羽根つき。大きな嘴。グリフォンだ。それが10体。



「・・・多いな」


「ワン」


「キメラって一体だよな。ていうか、ボス複数って結構久しぶりじゃ・・・」


「クァー!!」


「気の抜ける声だこと。でもそっか、飛ぶタイプか・・・」



場合によるけど、これしーちゃんだけで終わるんじゃ。飛行型ってしーちゃんと相性良すぎなんだよな・・・。

正確には『雷魔法』となんだけど・・・



「どうするかな」


「めぇ?」


「いや、多分『風魔法』とか持ってるタイプなんだろうけどさ」


「きき?」


「ん~バトちゃんも急には・・・」



相手のレベルによるけど、ぶっちゃけ誰でも勝てそうだけど・・・

念のために俺が出て様子見るか?


いや、空中戦も観たいし、飛行組でやるか。



「よし、バトちゃんと俺とピッちゃんだ」


「ききー!」


「るる!」


「にゃ?」


「あ、そっか。ふーりんちゃんも行けるか・・・ん~キメラ相手で頑張ってるからお休み!」


「にゃ~」


「あ、じゃあふーちゃん連れたってーな」


「はい?」


「ほれ、見せたり」


「クゥ!」(ポン



ふーちゃんが俺の背後に回って背中に上る。肩に手が届いたところで『変化』を発動。

なんと、ふーちゃんがバッグになった。



「おお!?」


「あ、ダメやろ。顔は出さな」


「・・・クゥ!」(ポン



あ、顔が出てないと喋れないのか。もしかして、この状態で魔法も使える?



「当たり前やろ。いつでも恭輔の周りに火だせるで」


「クゥ」


「おお~。手数が増えた」



これはいいな。俺が空中機動に手一杯になってもふーちゃんは攻撃できるな。

逆に、ふーちゃんに牽制をやってもらって俺が魔法を準備するってのもできる。いい感じの技だなこれ。



「クァァァァァ!!!!」


「おっと、いい加減行くか。いいな!」


「きぃぃぃぃぃぃ!!」


「ちょ」



バトちゃん、フライング風魔法。

全員が飛び立つ前に風の刃がグリフォンを襲う。しかし、グリフォンに当たる前に霧散した。



「おお?」


「きき!?」


「ああ~風魔法で自分の周りにバリア作ってんのか」



あんなのもできるのか『風魔法』。バトちゃんも感心してる。バトちゃんは完全に魔法を攻撃方面に振り切ってるからな。

いい感じにあれ覚えてくんないかな。防御手段増えればできること増えるし。



「バトちゃんお留守番で」


「き~」



まぁしょうがないよねぇ~と聞き分けよく諦めてくれた。

流石にどうしようもないからな。



「じゃあ今度こそ、飛びまーす!!」


「クゥ!!」


「るる!」


「クァァァァァ!!」


























バトちゃんは自分に『風魔法』を使って加速するが、こいつらもそれは出来るらしい。

要するに、飛行速度は俺より速い。



「クァ!」


「クァクァ!!」


「クェェェェェェ!!!!」


「うるせぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」



怒りのままに槍を撃ちまくるけど、一発も当たらない。かすりもしない。

純粋に、土の槍の速度が遅くて狙ってもグリフォンは見てから避けてるのだ。こら俺もダメだわ。


ピッちゃんはどうだ。



「るるる~」


「クゥェ・・・」


「・・・見なかったことにしよう」



なんか一匹ハチの巣・・・いや、何も見てない。


『無魔法』だと当てられるんだな。なんだ?速度的にあんま変わんないと思うんだけど。



「るる!」


「クェ!?」


「・・・そういうこと」



『無魔法』の特色は、属性の有利不利がないこと。だけだと思ってたんだけど、別の利点があるようだ。

見にくいのだ。空中で飛んでる状態で、速ければ速いほど見にくい色をしている。俺が最初にピッちゃんをテイムした時に見た『無魔法』は灰色だったんだけど、今回は透明に近かった。

もしかして、色変えられる?


ん~そうすると俺にはできないな。土は土だし。



「ふーちゃん。どうにかならん?」


「クゥ?・・・クゥ」



軽くふーちゃんがしっぽを振る。

すると、グリフォンが数体爆発に飲まれたした。



「・・・え」


「クゥ♪」


「何今の」


「クー!」


「へぇ・・・」



普通に爆発させただけらしい。君のスキルは『豪炎魔法』じゃなかったかと思わんでもない。

多分、火を凝縮させて一気に爆発させたんだろうけど。凝縮から解放までが速くて爆発の瞬間まで見えなかった。


・・・もしかして、俺の即時魔法使用か?



「大丈夫なのか?」


「クゥ?」


「ええ~」



なんか大丈夫らしい、違和感もないとのこと。

俺は一回使うと多少なりとも違和感出るんだけどな。なんだろうか、魔法の使用回数の違いかな。

魔法スキルと魔力はふーちゃんの方が上だしな。上がれば俺のも解消されるのかもしれない。



「クゥ!!」


「おっとっと」


「クゥァ」



グリフォンがかぎ爪で攻撃してきた。

ふーちゃんが気がついたから余裕をもって避けられたが、やっぱり速いな。


ふーちゃんが3体。ピッちゃんが一体倒して、今も一体戦ってる・・・ていうかすでに終わりかけてる。

残り5体。俺も2,3体倒しときたいが・・・さぁ、どうするかな。

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