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142話

増やしました。

昼一話。夜一話の予定です

ほな、ちょっと行ってくるわーとフミと別れて1時間ほど。

その間にもキメラをちぎっては投げちぎっては投げ・・・投げてはないんだけどとりあえず倒しまくってた。

いい加減バッグがいっぱいになりそうなところでフミ帰還。



「ただいまー」


「おかえりー・・・元居た場所に戻してこい」


「いややー!!」



なんか抱きしめながら持ってきたのは真っ黒の毛玉。耳は大きい。だが脚は細い。

フミに抱えられているが、恐怖心からか涙目で震えている。


なんだその生物。



「おもろい子や!」


「・・・飼う気?」


「ええやんかーうちがペット飼ったって~」


「お前一応扱い的には俺に飼われてる立場であることを理解してない感じ?」



本当にこの子は何を言っているのだろうか、大体だ、外に連れ出すってことは俺がテイムするって事じゃんか。

また俺の管理範囲が増えるじゃんか。



「割と今手一杯・・・でもないけどさ」


「恭輔は動物関連ならどこまでもいけるやろ?」


「割とそう思ってる」


「ならOK?」


「まず何故飼いたいか言いなさい」


「わかったわ」



黒毛玉・・・耳がウサギっぽいからウサギでいいや。サイズは車のタイヤより少し小さいくらい。

フミが抱えられるくらいの大きさ。抱えてる感じから毛深いわけじゃないみたいだ。

目は小さい・・・というかつぶらな瞳。結論で言うなら可愛い系で俺の好みに入る感じ。



「いや、恭輔の好みて」


「うー・・・」(ジトー


「範囲広いだけだから」(震え声



話を戻そう。

フミがこの子を持ってきた理由は、この子が貴重で有用だからとのこと。



「この子な?変わったスキル持っとるんよ」


「・・・スキルなんて全部変わってるみたいなもんだろう」


「それ言うたらおしまいや」


「だよな」



その変わったスキルとは『薬品生成』。一日一回しか使えないスキル。

これしか覚えることのできないモンスターらしい。



「なんだそのスキル」


「読んで字のごとくってやつや」


「ポーション作れるのか?」


「まぁ強くなればできるで」



最初の段階で作れるのは切り傷を治す程度の薬。強く成れば最終的に雪ちゃんが使ったものと同等の物を手に入れられるらしい。



「そんなやついたのか・・・」


「まぁここの子やないけど」


「・・・は?」


「バン君と同じ子って意味や」


「・・・おお?」



カーバンクルのバン君は三崎さんがテイムしたモンスターの子だ。

俺は一度も見たことないが、上の階層にいたらしい。



「そもそも、バン君の事もよくわかってないんだけど」


「お、じゃあ説明しなあかんな」



カーバンクルなどのモンスターはそもそもどこかの固定の階層で出てくるモンスターじゃないらしい。

どこかの階層で、極稀に生まれ、気がついたらいなくなってる。そんな存在らしい。



「お前らと一緒ってこと?」


「全然違うで。うちらはレアっちゅうか、正確には突然変異に近いんかな」


「・・・じゃあこの子らがマジ物のレア?」


「そやで。まぁ会うのが難しいっちゅう意味なら、うちらの方が上やで」(ドヤ


「いや俺その突然変異にすでに4匹会ってるんだけど」



なんなら全員テイム済みなんだけど。



「・・・それもそうやな。うちらレアやないかも」


「まぁ説明続けて」


「ほいほ~い」



フミもこの子を見たことがあるのは、前に住んでたダンジョンで一度きり。その時は倒してしまったらしい。



「いや~うっかり。後でむっちゃ怒られたわ」


「妹?」


「そや」


「」(プルプル



薬品を生成できる都合上、もったいないだろってことだったらしい。

その前に、倒したってあたりで震えがパワーアップしてるからいったん放してやろうか。



「え、放したら逃げるやん」


「まぁまぁ任せろ」


「なら、よっと」



ウサギ擬きは開放された瞬間に逃げようとするが、足が滑ってこける。

痛かったのか、完全に泣き出してしまった。



「」(ピー


「あーよしよし。大丈夫か~」


「」(グスグス


「大丈夫だぞ~。俺がいるからもう大丈夫だぞー」


「」(ホントニ?


「ほんとほんと・・・うん?」


「」(コテン


「・・・気のせいか」



なんか言葉が聞こえた気がするんだけど・・・。


まぁとりあえず泣き止んだ。

俺に抱き着いて離れなくなったけど。小さい手でぎゅっとしてくる。カワイイ



「あかんな」


「うー」


「恭輔がまたあかんわ」


「うー」


「・・・ワン」


「なれたもんやなぁ」


「」(スリスリ


「懐かれた」


「なんでや!?」


「う!?」



一瞬で懐かれ事に何か疑問があるようだが、俺にとっては些細なことだ。

俺にとってはよくあることだし。すらっぴもそうだったし。



「いや、おかしやろ・・・その子らこっち見たらすぐ逃げるんやで?」


「お前が追いかけまわすからじゃね?」


「最初は追いかけまわしてはないわ」


「今回は?」


「結構走ったわ」


「追ってんじゃんか」


「だって脚速いんやもん!!」


「・・・え、お前でも早いと思うレベル?」


「そやで」


「」(スリスリ


「これが?」


「うん」



この丸くてきゃわいい生き物が・・・?

そうなるとコロちゃんより速いんだけど。



「てか、その子こけるんやな」


「どういうこと?」


「いやな?さっき足場を悪くしたりいろいろやったんに全く遅くならなかったんよ」


「恐怖で足が竦んだんじゃね?」


「前の時も似たようなことしなかったのにこけへんかったで」


「おお?」


「ワン」


「コロちゃん?」


「クゥ!」


「俺のせい?」



コロちゃん曰く、恭輔のにおいを嗅ぐとなんか落ち着くらしい。

こいつは恐怖でビビってたところに恭輔のにおいを感じてちょっと意識が逸れたらしい。

その結果、足元がおろそかになりこけたと。



「そんなことある?」


「ワン」


「ああ~言われてみれば・・・」



なんか初めて会う子とか、俺の事凝視してたな。あれなんだろうって思ったけど。

俺のにおいで見てたの?



「ああーわかるかもしれん」


「わかるの?」


「ええ匂いちゅうか、気になる匂いなんよ」


「」(コクコク


「そうなのか・・・」



なるほど、怖いから逃げたかったけど、俺が気になったから止まりたくもあったのか。



「止まってよかった?」


「」(ニパー


「・・・この子いいな」



なんか一々動作が可愛いんだよなぁ。いっぱいご飯あげたい。



「うちが見つけのにぃ。なんで恭輔は一瞬で懐かれるんよー」


「うー」


「・・・まぁせやなぁ」



まぁなんだ。フミにはああいったけど、なんか有用そうなスキル持ってるらしいし?

連れて帰ったらいろいろいい事ありそうだし?



「うち来る?」


「」(イクー


「よっし決定。テイムテイム~・・・うん?」



やっぱりこの子。喋らなかった?

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