128話
もしかして21時じゃなくて20時の方がいいんじゃないかと思うでの明日からちょっとお試しで20時に投稿します。
雪ちゃんはフロントで待っているとのことだ。親父は車を置いてから来るので俺たちだけ先に車を降りた。
皆は歩く方が好きだから。これの方がいいんだけど。
「よし。お前らはみんな初めて会うんだから。はしゃぐなよ」
「ぴぴ!」
「きき!」
「クゥ!」
「ワン!」
「う!」
「ちゅ!」
「るる!」
「にゃあ!」
「・・・やっとく?」
「お前はいいんじゃないか?」
フミは基本的に大丈夫だろう。その辺は。
一番は君らだよすらっぴとふーちゃん。
「ぴぴ?」
「クゥ?」
「本当かよ・・・」
「き~」
「あ、バトちゃんは俺の方に乗ってていいよ」
「き~♪」
「うーうー?」
「うん?」
「う!」
「ああ~。ん~。まぁ大丈夫な気もするけど」
「念のためにやっといた方がええんとちゃう?」
「・・・そうするか」
ニホリの提案で、大きいコロちゃん。明らかにモンスターなすらっぴとぴっちゃん、ふーりんちゃんは最初は隠れてもらうことに。
まぁ一応十歳だし。いきなりは刺激が強いか。・・・あんな手紙かけるんだから大丈夫な気もするが。
「てか、その理屈だとニホリもダメじゃね」
「せやな」
「う!?」
「だってお前さん。他人からはう?としか言ってないし」
俺とかは全部わかってるから特に何も思わないが、普通に考えれば一文字しか喋れない女の子は変なわけで。そもそも驚かさない気があるなら浮くのやめなさい。
「・・・う!?」
「気がついてなかったか・・・」
「ニホリも待機組や~」
「う~」
「ワフ」(カプ
「うう~」(プラー
コロちゃんに咥えられて退場。後からみんなで入ってきてね。
「よし。行くか」
「ちゅ~!」
「きき~」
「お~」
「・・・そこは狸の言葉じゃないんか」
フロント広場はそこそこ大きい・・・わけじゃない。なんせ来客なんてほとんどないし。
研究員の受付するくらいだな。それも外部の研究員のだけど。
だけど、まったく来客がないわけじゃないのでソファとかは置いてある。一応待合室にはなっている。
だから待っている人がいればすぐにわかる。
「後姿から可愛いのがわかる子って珍しいんやないの?」(コゴエ
「しー」
「おっと」
小さい子が二つしかないソファの一つに座っている。
ニホリは日本人形が元になっているからか、髪は短い。それを見慣れてるからか、長い髪の小さい子って新鮮だ。
後ろから少しだけ見える肌は白く健康的だ。
そんな風に観察していたら、こちらに気がついたようで。ゆっくり振り返ってきた。
「・・・恭輔様!」
「君最初から飛ばしてくねぇ!?」
(様!?聞いとらんよ!?)
「・・・ちゅ?」
「きき~」
「ちゅちゅ~」
最初から想像を超えてきた。
「お久しぶりです。恭輔さん!」
「うん。久しぶり。ところで様って何?」
「こんなにすぐにお会いできるなんて。とてもうれしいです!」
「うん。俺も元気そうでよかったよ。ところで様って何?」
「わぁ。この子たちが恭輔さんの家族なんですね!」
「ちゅ~」(スリスリ
「可愛いです!」
「様って何?」
「コロちゃんさんはいったいどちらに・・・」
「答える気ないね君」
まさか三回も流されるとは思わなかったよ。
そんなわけで、この子が雪ちゃん。俺も初めて会った時は本当に十歳か疑ったけど、本当に十歳。受け答えもしっかりしているし、いい子っちゃいい子だ。
それに、こう言うとなんか誤解されそうだけど、可愛い子なのだ。それこそ、テレビに出ててもおかしくないレベルで。まぁ俺はテレビ見ないんだけど。
「それで?なんで近いうちに会いたいなんて」
「はい!私、近いうちに退院することになったんです!」(モフモフ
「あら。よかったじゃん」
「これも恭輔さんのおかげなので、直接会って伝えたかったんです!」(モフモフ
「手紙でもよかったのに。今はもう外出て大丈夫なの?」
「ええっと。あんまり長くはまだ無理なんですけど・・・」(モフモフ
「体力的にってことか」
「はい・・・本当はもっとお散歩したいんですけど・・・」(ナデナデ
「まぁゆっくりな。・・・ところで」
「はい!」
「気持ちいい?」
「とっても気持ちいいです!」
「・・・ワフ」
コロちゃん。まぁしばらくそのままで。
コロちゃん渾身のお座りスタイルである。他の子たちもみんな出てきている。
初対面ですらっぴは驚くやろ。とか思ったらそんなことなかったし。なんでだろうね。手紙でも伝えてなかったんだけど。
コロちゃんは雪ちゃんの隣でお座り。すらっぴはお膝の上でぷるぷるしてる。むしろ気に入ってんじゃないか。
「お饅頭ちゃんもかわいい~」
「ぴ~」
「すらっぴだよってさ」
「すらっぴちゃんですか?すらっぴちゃーん」
「ぴぴ~!」
「えへへ~」
うーん。可愛いってのは何しても絵になるってことだな。うちだとニホリとフミがこの枠。
フミは俺の膝から離れようとしない。何にライバル心発揮してんだこいつは。バトちゃん?親父にくっ付いてったよ。あれは多分おやつ貰いに行ったね。
「・・・はあ。雪ちゃん?」
「はい?」
「本当はなんで呼んだの?」
「え、えっと退院を」
「それじゃないよね?」
「・・・はい」(ショボン
「ああ、怒ってるわけじゃないから」
手紙のテンションと違いすぎる。この子なら、ソファの位置も俺の正面じゃなくて隣にくるはずだ。
実際、前回会った時は隣に来たがってたしな。ベットから動けてなかったけど。
「手紙だともっとぐいぐい来るのにね」
「えっと・・・その・・・狸さんがジッと見られているので」
「フミ。ハウス」
「犬やないもん!」
「!?喋った!」
「あ、フミ!」
「あ、やったなうち」
やらかしたなフミ。
「まぁフミが話せることは秘密で」
「はい・・・」(ジー
「・・・まぁ珍しいよな」
「・・・私。狸さんって初めて見たんです。狸さんってみんなお話できるんですか?」
「出来ないねぇ」
そういう勘違いを起こすのか・・・
フミをいったんどかして雪ちゃんの隣に移動。
無駄に高い身体能力を活かしたスタイリッシュ移動だ。テーブルを座ったまま跳んで飛び越える。
「ええ!?」
「話を戻して、雪ちゃんは俺に何してほしいの?」
「あの。なんでわかったんですか?」
「俺に会った時から、ちょくちょくタイミングを伺ってたみたいだから。なんか頼みたいのかなって」
「・・・そんなにわかりやすかったですか?私」
「割とね。雪ちゃんは結構顔に出るタイプみたいだね」
「はうぅ///」
・・・はうって言って絵になる子初めて見たぞ。




