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126話

夜一話です。ちょっとだけ長め

しーちゃん自体は元々ここにいたモンスターだ。だからここの羊たちとは元々仲間なんだろう。

でも、しーちゃんは特殊な個体の子だからスキルいっぱい持ってるけど、他の子って持ってないんじゃ・・・



「え?持っとるで」


「え」


「いや、しーちゃんが特殊なのはスキル面より能力やで」


「え」


「あ、レベルも高かったんやったな」



そういう問題じゃないんだが?

でもしーちゃんのスキルって『雷魔法』『受け流し』『増毛』だよな。

・・・もしかして。



悪い想像は当たるようで。しーちゃん含めて全員の羊ちゃん達からなんらバチバチ音がしてきた。それも、時間が経てばたつほど音が大きくなっている。

音が大きくなるにつれて、雷の光も見えてきた。一つ一つは小さいが、数の暴力と言わんばかりの数のせいで威圧感が半端ない。


計100越え。


その数の羊ちゃん達が一斉に『雷魔法』を撃とうとしているのだ。



「ここの子ら、みんな『雷魔法』持ちやで」


「・・・変なのは『増毛』と『受け流し』だったのか」


「まぁ元の能力的に魔力が高くないらしくってなぁ。本来はあんまり威力でーへんらしいで」


「うー」


「ニホリ情報?」


「そらな。細かいのは知らんし」


「ううー」



なんか雷を貯めている?のかみんな動かない。


足を切り落とされたが、何もしてこない敵に攻撃しないわけでもなく、亀はまた攻撃をしてくる。

急に回避したから最初は見えなかったが、あれも珊瑚なんだな。珊瑚しかないのかこいつは。


まぁそんな射撃攻撃も貯まってきた雷に近づいた途端勝手に焼き尽くされて消滅。みんなには届かない。

今の威力と速度的に、あの雷だけはしーちゃんの物だろう。明らかにあれだけ別格だ。


5分ほどそれが続き。羊ちゃん達の魔法が完成した。

巨大な雷の球だ。亀を軽く覆えるほどのサイズがある。いや、正確には完成してないみたいだ。中で雷が増幅してる。

さらに巨大化を続ける雷の大玉・・・あれ、これって俺たちも危なくね。



「覆う?」


「・・・大丈夫やと思うけど・・・」


「・・・うー・・・」


「ワン?」


「クゥ」(ブルブル


「ぴー」(ブルブル


「き」(ササ



ふーちゃんとすらっぴは震えながら俺に引っ付いている。バトちゃんに至ってはすでに俺の服の中に潜り込んでいる。

ユニちゃんは何かキレイだなーって感じ眺めてるし、コロちゃんは、来ても避けられるしと言わんばかりに余裕。ピッちゃんは?



「う」


「るる」


「ああ、そこ」


「安心安全や」



フミのしっぽに紛れ込んでいた。そらまぁ安全ですよね。



「ねっさんは?」


「ちゅちゅ?」


「ワン」



コロちゃんの上に乗ってた。君も余裕ね。

まぁ雷の性質上、『分身』で壁でも作れば避雷針代わりになるしな。



雷がそろそろ限界まで来てるのか、ちょくちょく漏れで出てるのが亀に当たってる。デカいから全部吸ってるよ。まぁ珊瑚に阻まれて効いてないみたいだが。


羊ちゃん達から一歩前に出てくるしーちゃん。

しーちゃんの魔力がとどめと言わんばかりに高まり・・・



「あ、バトちゃん全面ガード」


「き?」


「このままだと砂にのまれる」


「きき!?きー!!」


「めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」



大きくしーちゃんが鳴いたその時。雷が亀に向かって落ちた。

当たった瞬間にその衝撃で砂が巻き上げられるが先にバトちゃんが風のカーテンで防いでくれたので視界は良好。

まぁ見る意味はあんまりなかったんだけど。


だって・・・



「・・・はは。マジか」


「こら驚いたわ」


「うー・・・」


「めぇ」(ドヤ


「「「「「「「「「「「「「「めぇ」」」」」」」」」」」」」」」(ドヤァァァァァァァァ



一瞬で亀は飲み込まれ、一瞬で消し去った。


・・・ただ。皆で一斉にどや顔しないで。





















「そんな協力プレイできたのね君ら」


「「「「めぇ」」」」


「ていうか、いつ打ち合わせしたの」


「めぇ?」


「え、元々できた?うっそー」



なんだそれ。



「ていうか、コロちゃん相変わらずお強いのね」


「ワフ」


「よしよし」


「!!!」(ゴロゴロ


「そういやみんなは怪我なし?」


「・・・大丈夫そうやね」


「うー!」


「るー!」


「まぁこっちには雷来なかったしな」



本当に砂しか来なかったよ。それにしたってあの威力で敵にしか被害がでないのはすごいことだわ。

あれがどこでもできれば・・・



「あれ、前に聴いた時ってみんなスキル持ってないって聞いた気が」


「めぇ」


「・・・雷以外は持ってない的なやつか」



確かに持っていないと言えるけどさ。



「でも魔法であんなことができるとは」


「あんなん見たことないなぁ」


「フミもないと。ニホリは知ってた?」


「うーうー」(フルフル


「んー知識的はわからんと。理論的には出来るかもってレベルか」



じゃあうちで運用するのは無理だな。

多分、同じ種族で、同じ魔法スキルを持ってた上で、だれかしら完璧にリードできる存在が必要だと思う。

まず同じ種族の時点で無理があるわ。同じ魔法スキルも絶対にとは言わないけど無理だな。



「フミなら一人で同じ威力出せる?」


「・・・ちょい時間貰えばまぁ」


「あれと同じくらいの時間?」


「もうちょい短くてもいけるで」



やっぱりこいつおかしいわ。



「俺がそれ出せるまでどこまでかかることやら」


「恭輔のペースならすぐやって」


「・・・俺より先にコロちゃんがその領域に行かない?」


「・・・まぁ行きそうやけど」



範囲的にと言うより、凶悪性的な意味で。



「クゥン?」


「おおー可愛い。顔埋めたい」


「顔がおもろいことになっとるで」


「うー」


「せやな」


「なんでや」



いつも通りって何



「ていうか、あれでよかったん?」


「何が」


「いや、倒してもうたやん」


「まぁ・・・あっちから攻撃してきたし」


「いや、そうやなくて」


「うん?」


「跡形も残さずに倒してもうたけどって話や」


「・・・あ」



ドロップってどうなった。


ふと亀のいた空間に目を向けると、亀のいた部分がえぐれており、なんか焦げてる。

覗いてみても中には何もなし。倒した後も雷は残ってたから、ドロップごと消滅したか・・・。



「なんちゅう威力」


「ふーちゃんだって似たようなことできるもんなー」


「クゥー」


「う?」


「いっぱい出せば出来るで」


「うー!」


「クゥ!」


「ぴぴ~」


「きき~」


「君らの攻撃力はふーちゃん達とは違うしな・・・」



お前らは攻撃力より殺傷力じゃないの?なんなら俺のも違うし。

そもそも俺の場合、敵を消し飛ばすとかできないし。潰すことは可能。



「・・・あ、これもう一匹探さなきゃいけないやつ?」


「やね~」


「うーうー?」


「・・・もう一回」


「うー」


「え」



一匹しかいないよーとのこと。

マジで言ってる?



「うう」


「あ、骸骨と同じ感じかよかったぁ」


「あやうく大変なことになることやったな」



まったくだよ。しーちゃんたちにも手加減を言い渡さねば。



「消滅させちゃだめ」


「めぇ?」


「あ、知ってたのね」



だから容赦なく消し飛ばしたのか・・・


まぁ明日も出るならいいや。とりあえず陸に上がってきたら攻撃してくるのがわかったし。

今日のところはこれでいいか。本当はもっと細かいの必要なんだろうけど。



「魔力が感知できないってのと、陸に来たら攻撃がくるってことでいいや」


「それだけでええん?」


「一匹しかいないとなぁ。これで大丈夫・・・のはず」



本来ならもっと多くの個体を見比べて判断するものだし。一匹しかいないとかそんなパターン想定してないし。

そもそも、初見敵は基本すぐに倒しちゃうからな。最初に全力で当たって、戦力調査。余裕があるのならその後にいろいろ調べる。こんな感じ。



「そんなわけでてったーい」


「はよ終わったんやから下行けばええやん」


「・・・海に入った後に砂漠は行きたくないなぁ」



特にこれと言った理由はないんだけど。あれだよあれ。

体が濡れたらなんかその後動きたくなくなるあれだよ。プールの授業の後的な感じ。俺はその後の授業がアホほど眠かったよ。



「今もそんな気分」


「だぁからさっきからコロちゃん撫でまくっとるんか」


「ツカレタネムイ」


「はいはい。全然体力残っとるやろ」


「帰るけどな!」


「う!」


「・・・うぇーい」



いろいろかたしてからだって。






















「ただいまー」


「あ、おかえりー」


「あら姉ちゃん」



なんでいるんだ?



「いや、あんたが呼んだんでしょ」


「・・・出張ならまだ先だけど」


「え?そうだっけ?」



忘れてたなこの姉。



「まぁいいや。みんなともしばらく一緒だろうし」


「ダンジョンも行っていいのよね?」


「いいよ~。あ、じゃあいろいろ見たいから明日一緒に行く?」


「誰が残るんだっけ?」


「すらっぴとバトちゃんとねっさんとぴっちゃんとふーりんちゃんとしーちゃんとユニちゃん」


「割と多いのね。大丈夫なの?」


「よそじゃそんなに真面目にダンジョン入らないし。ていうかフミいれば最悪はどうにかなるし」


「あんまり迷惑かけんじゃないわよ」


「わかってるよ。ちゃんと頼ったらお願い聞いてるし」


「へぇ~。意外とちゃんとしてるのね」


「なんだと思ってるんだ」



俺のペットへの扱いは完璧・・・じゃあないけどかなり満足度が高いはずだぞ!



「やっぱダメだわ」


「なんで!?」


「大変ねぇフミさんも」



なんか俺と姉ちゃんの間で認識の差がある気がする。



「にゅ~」


「お、ふーりんちゃんどうした」


「にゃ?」


「ああ、替えのタオルなら引き出しの2段目の袋に入ったやつ使って」


「にゃーんにゃん」


「・・・ふーりんちゃん。会うたびに奇天烈になってない?」


「だってふーりんちゃんだし・・・」



大本のピッちゃんが割とあれだからなぁ・・・鳴き声も完璧にならなかったし。

いやまぁあれはあれでいいんだけど。



「やっぱダメねあんた」


「この評価の受けようよ」



解せぬ

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