106話
最近になってまた誤字が増えてきた気が・・・。
昼分一話です。
「めぇ」
「・・・」(シュン
「まぁまぁその辺に」
「めぇ」
「・・・」(ショボーン
「ぶち切れとるやん」
しーちゃんが完全に怒ってるよ。あの温厚なしーちゃん怒らせるんだから大したもんだぞお前。
「・・・」(シュン
「まぁまぁ。嫌われたわけじゃないから。な?」
「・・・めぇ」
「!!」
「ならよし」
二度と投げませんと言ったのでまぁ大丈夫だろう。
しーちゃんもこの辺でね?俺も怪我してないし。
「それにしても、あんなのいつ覚えたの」
「・・・!!」
「ああ。ニホリか」
どうもニホリが見てた動画を後ろから見てたらしい。なんかのアニメみたいだけど、なんのアニメだよおい。
「!!!」
「それなんか違くない?」
「??」
「あと、俺は戦国武将じゃありません」
なんのアニメなんだ・・・
まぁともかく、誰も怪我しなくてよかった。
俺はあの程度の高さなら基本怪我しないけど、ユニちゃんはわからなかったし。投げたのあいつだけど。
俺の体重を考えると下敷きにしちゃったら十分危なかったはずだ。俺は平均体重くらいしかないから重いわけではないけどさ。
「めぇ?」
「それは過保護?いやだってなぁ」
「めぇ・・・」
「・・・それはそれだよ」
さっきその子供に嫉妬してたのは誰よと聞かれると非常に弱くなる。
でもそれはそれだと思うんですよ。
「てかこの場合危ないの俺だったの?」
「めぇ」
「ええ~。でもたかだか5メートルくらいじゃんか」
それくらいなら垂直跳び出来るぞ。
「めぇ」
「ああ、投げられた場合は違うだろってこと?まぁそりゃそうだけどさ」
てか普通に考えて投げられてそんな飛ばされる経験とかないわな。
自分で飛んだ場合は最初から落ちることわかってる分ちゃんと姿勢もちゃんと整えられるが、急に投げられると最悪地面に打ち付けられることもある。
今回は下にユニちゃんもいたから、最悪はユニちゃんが俺を受け止めて怪我かな。馬の場合は歩けなくなると命の危機に陥る。ユニちゃんがいくら特殊だとは言え、可能ならそういった怪我は避けたいところだ。
「だからもうダメな?」
「!!」
「ん~よしよし~」
ユニちゃんは素直ないい子だ~。
「めぇ・・・」
「・・・わかってるけどさ」
しーちゃんがさっきから怒ってた理由は、ユニちゃんが危なかったってのもあるけど、それ以上に俺に万が一があったらどうするんだって部分で怒っている。
正確には、別の生き物に危険なことはするなって感じだ。もちろん敵は別だけど。
今も、ユニちゃんばっかり心配する俺に対して、自分の事も心配しなさいと言っている。
でも基本的に、俺は自分とみんなとでは優先度が全然違うのだ。みんなの方が大事だ。
「めぇ」
「そこまで?」
「めぇめぇ」
病的だなとはまぁ・・・・前にも誰かに言われたような気がするが、治しようがないからどうしようもない。
治す気もかけらもないんだけどな。
そんな考えを察したのか、大きくため息をつきながら小屋に戻っていく。
そこに飛びつく俺。
「・・・め?」
「まぁまぁ。たまにはね?」
「・・・めぇ」
「くっはっは。いつもありがとうな」
「めぇ」
「ほれユニちゃーん。戻るよ~」
「!!」
しーちゃんはうちでは数少ない俺を心配する子だ。もちろん、みんな俺に何かあったら心配するんだけど。
しーちゃんは一歩引いて見守ってくれる子。コロちゃんは俺の隣にいる子だから、しーちゃんはしーちゃんで特別だ。
最初はボス部屋でいきなりテイムかけたんだけど。そんな出会いなのに、俺を見守ってくれているのだ。
「・・・うちに来れてよかったか?」
「・・・」
「へへへ。そうか」
答えは・・・俺だけの秘密だ。
「そんなわけで、ユニちゃんにぶちきれしーちゃんでした」
「う~」
「クゥ?」
「乗り心地か~。一瞬だったから何とも」
今思えばもうちょい乗っておけばよかったと後悔・・・
「ワン」
「うへぇ。しーちゃんにも十分言われたからやめれ~」
「きき!」
「あら~またおこられちゃったの~」
「またって何。またって」
「まただろう」
「またやね」
「なんでフミまで言ってるんだ」
お前はそこまで知らないだろう。
しーちゃんたちの小屋に戻って、少しゆっくりして掃除して朝ごはんの準備してたらみんな起きてた。
どうも親父たちも今日は休みらしく、普段よりはゆっくりだった。あと、俺の絶叫は聞こえなかったらしい。嘘だろ。
ちなみに俺が無茶をすると大体しーちゃんに怒られる。やりすぎるとコロちゃんも怒る。最悪みんな口きいてくれない。
「今日のは俺悪くないし」
「クゥ!」(ボロ
「そうは言うけどさぁ。あとこぼれてる」
「ぴぴ!」
「クゥ♪」
「・・・え、また器用になってる」
すらっぴは基本水まんじゅう形態・・・要するにただの球体状態から変化しないんだけど、今ふーちゃんがこぼしたくずを取るのになんか手っぽいのが出てきた。
指とかあるわけじゃないけど、なんかこう・・・手っぽい物が。
「毎回思うんだけど、お前はいつそういうのができるようになってるの?」
「ぴ?」
「うー」
「だからなんでニホリの方が知ってるの?」
君たちのご主人様は一応俺なんだよ?
「あら?最近はああやって手伝ってくれてるわよ?」
「せやねー。昨日もお皿運ぶの手伝っとたし」
「う」
「ナニソレシラナイ」
あれ、なんかニホリだけじゃなくなってるんだけど・・・。
もしかして、最近俺がキッチンに立たなくなってるのが問題?ニホリに任せっぱなしなのが原因?
「・・・今度から交代制とかどうよ」
「うー!」
「ダメやって」
「完全にお株を奪われとる」
「なんだ。恭輔より出来るようになったのか?」
「う!」
元々そこまでうまくなかったのもあるけど、まさか2か月くらいで抜かされるとは・・・。一応家事歴で言うなら数年分あるのに・・・。
あれ、フミもある程度できるよな?練習すればもっと出来るよな?不味くね?
「俺のニート化が進んでる?」
「どうしてそうなった!?」
「いやだって。家事はニホリでしょ?フミもいるし。ダンジョンもフミいれば・・・」
「ん~まぁ恭輔がそうしたいって言うなら構わんけども」
「うー!」
「なるほど、もっといろいろ頑張るわ」
「よくわからんががんばれ」
「どうせなら、今日のお昼は作る?」
「やるわ」
やべぇよ・・・。よく考えると、みんな自分の面倒は自分で見れそうな子ばっかりだよ・・・。
餌とか自分で出せるし、片付けもどうにかできるし、俺が要らなくなるのも時間の問題では?
「そこのところどう思います?」
「・・・ワフ」
「後で抱きしめるわ」
「クゥ!!!」
「ぴぴ!!!」
「きき!!」
「ちゅちゅ!!」
「順番な?」
みんないい子だ。




