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10話

「だいぶいろいろたまってきたな・・・」



今、俺は自室に籠って今までの戦利品を確認している。ゴブリンの・・・パーティ?まぁ、一団のフロアボスを討伐してから一週間が経っている。

この一週間。もちろんダンジョンの捜索兼レベル上げは続けている。夏休みの宿題もやっていたので、潜っている時間は短くなったが。


五層にはコボルト、六層オーガ、七層はオークだった。オーガはかなり強面で正直ビビったが我が家のエース、コロちゃんの活躍により無事に倒せた。


他の子も俺自身も、周回で手に入れたスキルスクロールを使い、強化と手札を増やしているので、今は一人でもオーガやオークを倒せる。まぁ実は、スクロールに少し問題が出てきたが。

スクロールを落としていたのは一層ボスのネズミたちなんだが、5回目を超えたあたりで落ちにくくなった。一応一個は貰えたんだが、それでも強化しにくくなったことは確かだ。取りあえず、それぞれのボスの世界初討伐報酬があったから、そこそこスキルは増やせたけどな!



「ここらで一旦まとめてみるか」



恭輔 Lv19 

「土魔法」「硬質化」「魔力節約」「テイム」

すらっぴ Lv15

「水魔法」「溶解液」

バトちゃん Lv13

「風魔法」「超音波」

コロちゃん Lv22

「高速移動」「魔刃」「スタミナ上昇」

ねっさん Lv12

「分身」「爆発」






「スキルとレベルはこんなもんか」



割とわかりやすいものはわかりやすいな。この中で一番強いのはレベルもそうだがコロちゃん。殺傷力が高いのはねっさんだ。


「爆発」のスキルは自分の体力を削り、自爆するスキルだった。初めてねっさんに使わせた時は焦った。最小威力で使わせたので、ねっさんも大してダメージはなかったみたいだが、すごく焦った。目の前で自爆するし、ねっさんは煤けてるし。

だから、俺は使わせる気はなかったんだが、ねっさんはこのスキルを「分身」と組み合わせて使うことで凶悪化させた。


体力を削るうんぬんも、分身の方に試させて理解した。威力を低くすれば分身は消えない。しかし、最大火力だと消えるのだ。最小威力は本当に大したことのない威力しかない。しかし、分身ねっさんの最大火力は、当たり所にもよるが一撃でゴブリンを倒せる威力があった。

しかも、ねっさんが集中できれば、何体でも分身はだせる。出して相手の近くで起爆、出して起爆を繰り返せる。足止め役さえいれば、コボルト3体くらいなら一匹で相手取れる。

コロちゃんは一匹でもっと倒せるけど。


そんなコロちゃんだが「魔刃」とはどんなスキルか。体のどこかに、魔力で構成させた刃を発生させるスキルだ。爪に纏うと、爪の切れ味というか、攻撃力というかが上がるらしいので、もっぱらコロちゃんは爪に使っている。

このスキルで、さらなる攻撃力を手に入れたコロちゃんはさらに進化。ゴブリンはおろか、コボルトも一撃。オーガも数秒で殺すほどになっている。


それに凶悪化という意味では、すらっぴも、バトちゃんも負けてない。

すらっぴは「水魔法」に「溶解液」を追加して、当たった敵が溶けていく魔法とか。貫通力の上がった溶解ウォーターランスとか、敵のどてっぱらに穴が開くレベルになっている。


バトちゃんは「超音波」が元々のコウモリの特性に合っていたのか、コツをつかむのがとても速かった。使い方的には直接的な攻撃力はないが、相手の三半規管を音波で揺らして立てなくしたり、最悪気絶までもっていく。

ねっさんの時に言った足止め役で、一番適しているのはバトちゃんだ。


俺自身は・・・スキル面では目立った変化がないな。「魔力節約」で魔法の使用回数が増えたくらいだ。あと、いろんな形に土を変化させることができるようになってきた。どっちかって言うと、身体能力の上昇のほうが大きい。レベルもだいぶ上がったしな。今度握力とか測ってみるか。スタミナはついたと思うんだけど。





「次は手に入った道具だけど」



ぶっちゃけ、こっちはよくわからない。前に手に入れた薬品らしきものは、親父経由で詳しい人に預けた。


あとは、大体俺の装備品とかか?あ、宝石もあったけど、それも専門の人に渡してある。親父経由で。

蛇皮の籠手、レザーアーマーでいいのだろうか?それらしきものと。金属製の剣。これは、コボルトのフロアボスを倒したときに、宝箱から出てきたものだ。後は、フロアボスのオーガ戦で、宝箱にあったよくわからない札。これは本当にわからない。何か書いてあるのだが読めない。なんとなく、勘で大事な物のような気がしたので、誰にも言ってないが。

あとはフロアボスの「~未満討伐」の報酬か。これは何というか、変わったものが多かった。どっかの国の民族工芸品のような、木彫りの鳥を模した物。日本人形。白紙の本だ。何に使うのとか、以前になんだこれは、といった感想を覚えたよ。これらは、全部俺の部屋にある。よくわからんから持っとけとか言われたからな。


実はいろいろ試したせいで、初回討伐以降は「~未満の報酬」貰ってないんだけど。あ。10分こえると報酬は出ないぞ。あと、オークのいるフロアのボスとは、まだ戦ってない。扉は見つけてるけど。




「こんなもんか」



レザーアーマーは使ってない。自前で体を硬くできるが、動きが遅くなる分、着こみなくないからな。剣は使ってる。鉈より切れ味がいい。鉈も使ってるから、二刀流みたいになってるけど。



「こうやってみると、あんまり物はないのか?預けたりしてるからか?」



そもそも、フロアボス以外の敵を倒しても、何も手に入らないからな。ボスだけだとそんなもんか。できればモチベーション的にも、何かしら落としてほしいけど。オークの肉とか定番だと思うんだけどなぁ。



「ぴっぴぴ!」


「いつもご苦労様」



すらっぴの最近の日課は、木彫り鳥と日本人形の掃除だ。一度取り込んで、汚れだったり埃を取ってる。その後、持ってきているタオルで、俺が水分をふき取る形になっている。おかげで、常にきれいな状態が続いている。俺も人形の手入れには慣れた物よ。

でも、なんでそんなことしようと思ったのだろうか。きれい好きなのか?我が家は、基本綺麗なので気づかなかっただけか?



ふと、すらっぴの新習慣について考えていたところ、変化は突然やってきた。




ポーン

『世界の冒険者数が一万人を超えました。これより、ダンジョンでのモンスタードロップが発生します』





「」


「ぴ?」


「・・・すらっぴ」


「ぴぴ」


「全員呼んでダンジョンイクゾ」


「ぴぴー!」





















「とりあえず、内装は変化なしか」



例の報酬をくれるアナウンスの声が流れてから、五分でダンジョンまで来た。一層は何も変化なしか?



「しかしモンスタードロップねぇ。オークから肉でも落ちればいいけど」



おいしければ、なおよし。不味かったら、八つ当たりにボコす。



「ちゅ!」


「お?どこにいたんだ、そのコウモリ。死ぬ寸前で持ってきたのか。・・・あ!」



ねっさんが持ってきたコウモリが、死にかけから死亡に変わった瞬間。コウモリが小さい牙に変化した。



「これがドロップってやつ?」


「ちゅちゅ?」



こうやって変わるのか、今までこんなの見たことないし、これでいいと思うんだけど。



「もっと下で確かめるか。オーガとオークは、知っといて損はないでしょう」


「ちゅ!」


「みんな呼んできてくれるのか。お願いな」



今となっては、一層のコウモリに負けることはないので、全員別行動をとらせていたけど、ねっさんがいなかったら面倒だったな。















移動中














「成果発表~」



コウモリは牙、ネズミはしっぽ、蛇は皮、ゴブリンは剣や杖(破損)、コボルトは毛皮、オーガは角だった。

そして、肝心のオークだが・・・



「300gくらいの肉でした」



スーパーで売られてる感じに出てきたよ。値札はなかったけど。とりあえず7体ほど倒した。



「今日の夜はこれで焼肉っしょー!!!」


「ぴぴ!」「きー!」「ワンワン!!」「ちゅー!」


「と、言いたいところですが、そうもいきません」


「「「「!?!?」」」」


「いや、飼育された豚肉だって生だと危ないのに、こんなところにいる豚野郎の肉なんて、検査なしで食べさせませんよ」



当然だろう。これでみんなになにかあったら俺は泣くぞ。



「ぴ!ぴっぴ!」


「何?僕は大丈夫だと~?・・・でもダメ!」


「ぴー!!!!」



いくら健康を気にするとかのレベルじゃないにしてもダメです。もしもがあったら手遅れになるだろうが。



「俺が鑑定とかのスキルを持ってたら、その辺も分かるのかもしれないけどなぁ」



持ってないのだから仕方ないだろう。諦めて帰るぞ。よく考えると昼飯食ってない。


そういえばと思い出したのか。さっきまで文句を言ってたメンバーも、機嫌が直り早く帰ろうと言い出す。今日は、母さんが昼飯作ってったからな。いいものがあるのをわかってるのであろう。

あ、ここのボスいつ戦うか。いつでもいいけど、何か起きそうな気がするしな。早めにやっとくか?



「ま、それもこれも、飯食ってからだな」







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― 新着の感想 ―
[気になる点] ていむのスキルがきえてるよ
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