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91話

中途半端な時間なんだけど投稿。

明日は親済みです。一話だけです。

寒いから、中入ってきぃ。

とのお誘いを受けてダンジョンの中に入る。警戒はしていたが、ダンジョン内の様子を見て気が抜けた。



「これって」


「みーんな冬眠中の子やな。あったかいからって居ついてもーた」


「熊も猪もいるけど」


「なんでやろなぁ」



通りで山の中で気配が全くしないわけだ。冬眠中とは言え、いるはずの存在がきれいさっぱりいないんだからな。



「さて、あんまり信用されてないみたいやし?聞きたいことあったら聞いてええで」


「・・・どこの階層から来た?」


「階層?ああ、うちがいた場所かいな。うちは79層やで」


「ぶっちぎり過ぎない?」


「う!?」


「ふふふー。お嬢ちゃんも知らんとこやからなぁ」


「50層もまだ遠いんだけど?」


「うん?あんさんなら、30の後半近くは行けると思うねんけど」


「いろいろあるんだよ」


「はぁー。人間さんは大変やなぁ」



79層・・・いつ行けるのかもわからないほど先の話だ。

それに、ここまで上がってきたってことは特殊な個体なんだろう。実力面ではそれ以上と考えていい。

ニホリなんかは警戒心ゼロになってるけど、コロちゃん何かはまだ一応警戒してる。

ただ、自分でも無駄なのを理解しているのだろう。出来るだけ大人しく、可能な限りそれをわからせないようにしている。

まぁ多分、全部バレてるんだろうけど。



「実のところ、話はみぃんな知っとるんやけどな」


「聞いてたってことか?」


「そやで。ほら、うちの子、可愛いやろ?」


「うちの子?・・・あ、狸たち」


「せいかい~」



どうやったかは知らないが、あの狸ちゃん達の聞こえた内容はこの人に伝わるのだろう。

俺のゴーレムや、ピッちゃんとふーりんちゃんが視界共有などをしているようなものだろう。できないけど。



「ほれほれ~。もっと聞いてええでー」


「・・・なんか調子狂うな」



こっちが警戒しても、全く意味なし。糠に釘打ってるのってこんな感じか。

実力の表れか、それともマジで敵意がないから意味ないのか。




「ハァ疲れる」


「おお!ようやっとりらっくすしてくれたぁ」


「ここまで相手にされないとそらな」


「なーんもせーへんって」


「わかったよ」



とりあえず、本当に大丈夫な存在と見ていいだろう。まぁダンジョン内だから最低限は警戒するけど。

そこはこの人からしたらそれは当然なのだろう。嬉しそうににこにこしている。



「あ、一個思い出した」


「お!なんやなんや」


「なんで俺たちがモンスターって言ってるって知ってるんだ?」


「???そら、こうブワーって」


「ブワー」


「うー」



全く分からん。



「魔力の扱い方ってやつやな。これもスキルやけど」


「スキルは何個持ってるんだ?」


「んーそやなぁ。よく使うんわ5個やな」


「5個か」



よく使うのは五個ってことは、もっと大量に持ってるのか。

俺が現時点で五個。なるほど、数でも質でも負けてるわけだ。



「もう。そんなことやなくて、もっと聞きたいことあるやろ」


「・・・・・?」


「う?」


「コロちゃんなんかあるー?」


「・・・・ワフ?」


「「きゅー」」


「クゥ!!」


「きゅきゅ!!」


「なかったことにしてー」



なんか起きてきた動物たちと遊び始めた。うりぼうもいるぞ。



「むー。人間は、美人を見たら口説きたくなるんちゃうんかい」


「なんの情報だよそれ」



一部の人間だろうそれ。



「しかも、ちゃんとあんたの好みに合わせた言うに」


「・・・そのしっぽのことか?」


「せやでー」


「出直せ」


「なんでや!」



別に人間にまで動物要素を求めているわけじゃないわ。何だと思ってるんだ俺を。



「う」


「ワン」


「クゥ」


「ぴ」


「にゃ」


「敵しかいないのか」


「やけど、時々この子とかに目移りしとるやん」


「・・・・ぶ?」


「抱きしめたい(そんなことない)」


「心の声と逆になっとるで」


「は!」



うりぼうを抱っこできる機会とかそんなないんだぞ仕方ないだろ抱っこさせてください。



「あっちのが親やで」


「抱っこOK?」


「早」


「うー」


「え、いつもあんなんなんか・・・」



あっちで何か言われているが、気にしない。とりあえず、この親猪の許可を取らねば俺の野望が叶えられない。



「・・・!」


「許可でたからちょーだい」


「あーはいはい」


「ぶー」


「おおおお・・・・・」



感無量だ・・・。もちろん抱っこしたことあるけど、やっぱり自然にいる子はいろいろ感じる物がある。

本当は野生の子を抱っことかよくないんだけどね。







20分後








「大満足」


「ぶ?」


「ありがとなー」



親の元に帰してやる。これであと10年は戦えそう。



「よし、話の続きを・・・」


「もうちょいうちに興味持ってくれてええやん・・・すりーさいずとかも調べたんに」


「うー」


「この話し方?これは元からやなぁ」


「う?」


「せやでー。人間の雄落とすんなら胸は大きい方がええって」


「うー」



なんか仲良くなってね?

俺の入る隙間なくね?帰っていい?



「いやさせへんて。折角近くまで来たから出てきたんに」


「ていうかもしかして、俺の事知ってた?それも随分前から」


「知ってたで~。具体的には半年くらい前から」


「最初っからかよ・・・」



あの、ブワーってやつで知ったってことか。



「そもそも、外の世界で初めて魔力を持った存在やし、いろいろおもろい子も多かったしなぁ」


「おもしろい?」


「そこのスライムとかやで?知能はそこらのスライムと変わらんのに人間に着いていくって珍しさで言うならうち以上やで?」


「ぴぴ?」


「だってよ」


「ぴ!」


「本来は知能があって初めて人間を見るからなぁ」


「はい?最初っから見られてただろう?」


「ちゃうちゃう。そもそもうちらは基本的に人間を人間と認識しとらんよ」


「・・・どういうことだ」


「簡単な話や。人間も狼も変わりありません。ただの侵入者で、敵や。基本はな」


「例外があんただと?」


「そこのスライムと、あの羊ちゃんもやな」



確かに二匹は攻撃はしてこなかった。しーちゃんの時なんか、俺ははっきりいって隙だらけだったはずだ。

なのに攻撃されなかった。つまり、そういうことなんだろう。


ああ、またなんか知ってしまった・・・

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