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9話

二層と同じくらいの大きさの広間に入る。いつものことながら入った瞬間、うしろの道は閉ざされ、前の扉から敵が出てくる。


今度の敵は・・・動物じゃない?



「グガガガ!」「グゴゴ」「グギグギ!」


「うるせぇ」



あれは・・・ゴブリン?緑の子供くらいの背丈のモンスターだ。手にはこん棒を持っている。

こちらに対して、手に持つこん棒を地面に打ち付けたりしている。威嚇のつもりだろうか。



やかましく鳴いてるのが三匹、その後ろに二匹。後ろのは杖っぽい物を持っている。魔法でも使うのか?

変化が激しいな。



「急に難易度上がってないか。これ?」


「ちゅー!」



ねっさんの分身が相手に突っ込むことで戦闘が始まった。分身の数は四匹。増えたのか。



「グゴ?」


「グガギゴ!」



こん棒持ちの攻撃は分身には当たらなかった。しかし、後ろに控えていた杖?持ちの魔法で二匹倒されてしまった。



「やっぱり魔法か。ねっさんナイス!警戒してけよ」


「ぴぴぴ!」「ききききー!」



警戒の声を俺があげたと同時に、すらっぴとバトちゃんも魔法を使う。水の槍と風の・・・かまいたち的な?

また知らないうちに進化してるし。


飛んで行った魔法は、ゴブリン二体に命中するも、倒すまでは行かなかったようだ。水の槍は敵を大きく吹き飛ばしたが、起き上がってきた。かまいたちが当たった方は体に切られた跡が出ており、血もでているがまだ動けるようだ。



「き!」


「ああ、初めて使ったのね!」



どうせならと思い、ひるんだ二匹に向かって俺も魔法を使う。普段は土の塊をうちだすイメージだが、今回は変えてみた。

今回のイメージは幅10cmの土の棒だ。しかもガッチガチに固めるイメージ。それを二本。高速で地面から射出するイメージで!



「っしゃあ、成功!」



見事イメージ通り。土の棒は、今までの魔法とは一線を画す威力を出したように見えた。

二本の魔法が、こん棒持ちの一体ずつ敵の頭にあたり、勢いが止まることなく壁まで飛んでいく。ゴブリンは壁と棒の間に挟まれ、頭が潰されて死ぬ。


自分のイメージと、魔法の熟練度によってできる魔法の質で、攻撃力が変わるようだ。

しかしデメリットは・・・



「魔法が使えなくなりむっちゃ疲れる・・・」


「ちちゅ?」


「大丈夫、若干だるいだけだから。残りは・・・」



一体はすらっぴとバトちゃんの魔法で滅多打ちにあっている。すぐ倒れるだろう。


杖持ちはどうか。コロちゃんの移動をとらえきれずに翻弄されている。一体は足をやられているのか立てなくなっている。そこをねっさんの分身が取り付いて噛んでいる。



「ギィィィィィ!!!!」


「うわぁ、えっぐい」



生きたままネズミにかじられているのだからその姿はかなりえぐいことに。俺の倒した二体も頭がパッカーンしてるから大概だけど。



「ガウア!!」


「グゲッ」



全身を爪で切られ、高速移動込みの体当たりを食らい、杖持ち二体目が倒される。

こん棒持ちの残り一体はその姿が見当たらないあたり、すらっぴとバトちゃんの魔法で倒されていたようだ。


さてラストはかじられてたやつだけど・・・



「ギ、ギギギ、ガ・・・」


「哀れだからとどめ刺すか」


「ぴー!」



分身がどいて、すらっぴの魔法でとどめ。



今回も危なげなく倒せた。ねっさんの分身の利便性と、コロちゃんの戦闘力の高さがやっぱりいいな。

俺、すらっぴ、バトちゃんの魔法もいい感じで強化されている。レベルも上がってるし、いい気分だ。



「この強くなってるのがわかるのはいいよなぁ。フフフフフ」


「ワン」


「あ、宝箱とアナウンスか」




ポーン

『三層のボスの初討伐を確認しました。スキルスクロールを送ります』

『三層ボスの10分未満での討伐を確認しました。報酬を送ります』



「五分過ぎてたか」


「くぅーん」


「俺も見てただけだし、落ち込むことないよ。無理もできないし」


「ワンワン!」


「そうねぇ、次のスキルはコロちゃんが使える奴がいいねぇ」



どうも五分未満じゃなかったのが気になるようだ。もっと強くなるとの意気込みをもらった。

宝箱の中身はいつも通りのよくわからない宝石擬き、よくわからない緑色の液体の入った封のしてあるフラスコが五本。



「またわからないものが来ましたよ」


「くんくん」


「こぼれないようになってるからわかんないでしょ」


「ぴー?」


「とりあえず割らないように持って帰るか。報告は親父たちが帰ってきてからかな」



メールだけ入れとくか、念のために。



「今回も下チラ見で」



いつも通り扉を少しだけあける。いつも通り階段になっている。下に続いているようだ。



「向かうか。今までの傾向なら敵はゴブリンなわけだけど」


「ワンワン!」


「ちゅちゅ!」



もっとはやく倒せる練習をするとのことだ。どんだけ五分切りできなかったのを気にしてるんだ。



「ちなみに君たちはどうよ」


「ぴ?・・・ぴぴ!」


「ききー!」


「楽ができるならいいと、性格分かれてるなぁ」



コロちゃんとねっさんは好戦的、ってか強くなりたいのかな?力試しが好きなのか、俺と同じか。

すらっぴとバトちゃんはマイペース。みんながやるなら頑張る的な。でも戦うのはやぶさかじゃない感じかな。



「そういや蛇のテイム・・・まぁいっか」



なんかうちの子たちの捕食者みたいだし、蛇って。でも次のゴブリンもなぁ。なんというか・・・動物じゃないし。



「狐とかいないかなぁ。オオカミ二体目も捨てがたい・・・」



ゴブリンもいるんだからコボルトとかもいるでしょ。可愛いかどうかはわからんが。あ、人型でもオーガとかかっこいいかも。悩むなぁ。



「ワン?」


「全部はなぁ。面倒見切れなくなっちゃうし。最後まで面倒見たいし」



我が家の家訓。拾ってきたら最後まで。捨て猫でもなんでも、拾ったらちゃんと面倒見ること。

生物学者の両親なので多くの動物と触れ合ってきたが、最後までこれは守ってきた。

飼ってたわけじゃないけど、あった中で一番珍しいのはダチョウか?

親父の知り合いがやってる小さな動物園にいた子だがいい子だった。俺になつきすぎて飼育員にツンデレかましてたが。



「どうにかして、大量にテイムできる手段を・・・」


「ぴ?」


「ワフ」



すらっぴがどうしたの?コロちゃんが、時々こうなるからほっといていいよ、と言っている。

考え事はしてるが聞こえてるぞ、あとでわしわししてやる。



「とりあえず、軽く見たし帰るか。ゴブリンいなかったな」


「ちゅちゅちゅ」



おなか減ったか。まぁ、敵より飯だな。今日何食うか。家になんかあるといいけど。



「お前らも何がいい?」


「ワン」「ぴ」「きき」「ちゅ」



肉肉肉チーズ。まぁそれなら、コロちゃん用に大量にあるから大丈夫だな。チーズも買ってくるか。


俺は・・・カレーでいいかな。面倒だし。




「あ、すらっぴは野菜も食えよ。バランス大事」


「ぴっぴ!」


「トマトがいいと。わかった」


「ちゅちゅ!」


「え、ニンジン?食えるのか。カレーで使うし構わんけど」



まさかニンジンいけるとは、そして自分から志願するとは。なんて健康的なやつだねっさん。

ちなみに俺も食べられないものはない。特に何か言われたわけじゃないけど、勝手に食べられるようになってた。ゴーヤが苦手なくらいか?




よく考えると帰り道遠いな。三階分上がるのか。



「この辺も楽したいな」


「ぴ~」


「ききっ!」


「がんばってじゃないよ。人の上に乗りおってからに」



基本的にすらっぴとバトちゃんは俺の肩か頭、もしくはコロちゃんの上に乗りながら移動しているので疲れないはずなんだが。ずるいぞ。



「ちゅ?」


「え、乗っていいって?・・・まぁ、抱えるなら」


「ちゅー!」



乗ってる二人を見てうらやましいのか、ねっさんがおねだりをしてきた。

左肩と頭は埋まっているが、両肩埋まってると動きにくいので、抱えるので勘弁してもらう。それでもうれしそうだ。

すまん、コロちゃんお前を乗せるのは無理だ。帰ったらかまってあげるから。



「ワン」


「約束約束」



ならいい、とばかりに歩みを再開するコロちゃん。なんだかんだいって甘えん坊だからな。感情豊かでいい。オオカミっぽさはなくなるけど、これがコロちゃんの良い所だ。



「走って帰るか。敵は任せていいか?」


「ワン!」


「よっしゃ。ほれ、捕まってろよチーム小動物」


「ぴ!」「き!」「ちゅちゅ!」



帰宅RTAの最高記録を目指していくZE☆

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ダチョウが主人公に懐く・・・。 [一言] ダチョウは奇跡的な頭の悪さを持っている事は良く知られており、生物界でほぼ最高の免疫機能や肉体補給機能を持つ代わりに失われたのが知性だと言われ、…
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