血の仕上げ
大変長らくお待たせしました。
3話投稿しました。
2週間未投稿だった事本当にすいませんでした。
「「ギガガガガグギギギィググガガァ!!」」
変な合成音声が聞こえたと思ったらテスト用アンドロイドは機能停止をした。
「なんだろう?テストが終わったのかな?」
そう思った時、突然悲鳴が近くで聞こえた。
恐怖心40%と興味心60%に駆られ悲鳴が聞こえた方へと向かう事にした。
「なんで、待って待って待って待って……!あああああ!」
目の前に映るのは信じがたいものだった。
クラスメイトがクラスメイトを馬乗りになって襲っていた。
片腕が切断され、痛みのあまり発狂している。
その後何度も何度も刺しては抜きまた刺して抜くことを繰り返している。その度に断末魔が聞こえている。
わたしは、その光景をただただ立ち尽くして見ていることしか出来なかった。
暴走したクラスメイトは、次に殺した人間の肉をまるで飢えた動物のように貪りついていた。
血は、引き裂くごとに溢れ出し、骨が見え、臓器はそこらじゅうに散らばっている。
そこでようやく逃げなきゃと思った。
血がこっちに飛んできた時に何も考えることなく、一歩また一歩後ろに下がっていく。
幸いこちらに気づかず貪り食べている
食べられている子が手を伸ばしているように見えた。助けを求めているかの様に。
恐怖のあまり呼吸が荒くなり、手に力が入らず、私はただその場から離れることしかできなかった。
かなり離れた気がする。時々周りで悲鳴が聞こえている。周りを見渡すが人影すらない。あるとすれば停止したアンドロイドぐらいだ。
「と、とりあえず深呼吸。スーー……」
「凛、大丈夫?」
「うわぁぁぁぁぁ!!か、海志さん……?」
驚きのあまり吸った息は叫び声に変わり、前に倒れ込んでしまった。
「あ…なんかごめん!」
「ごめんじゃ……それより海志さんの方こそ大丈夫だった?怪我ないです……か?」
近すぎたせいか、少し引かれている。
「私は、見ての通り大丈夫だけど。凛の方こそ大丈夫なの?」
「こっちは、訳がわからないぐらい混乱するしでも、とりあえずツーマンセルで行動してくれないですか?私と」
「え……まあいいけど、何があったか教えてくれない?」
「わかった」
私は、今さっき起きた事を事細かく海志さんに伝えた。
「わかったわ。それじゃまだ息のある人達を助けに行きましょうか!」
私は頷き、周囲を見渡しながらお互い進み続けた。
「海志さんはどう見てる、今の現状?」
「全部は分からないけど、たった一つ分かっているのが暴走した人全員、機械を体に取り入れた人間だってことぐらいかな」
私と海志の足が止まり二人は相手の顔を見た。
「前のあれ見て、暴走寸前みたいね」
振り返ってみて見ると、そこにはクラスメイトの志真さんが何かに刃向かいながらも苦しんでいる姿があった。
「どうしたんよぉ、志真っち。志真っち……」
近寄るクラスメイトを自分から離れさすように押している。
「いいから、はやっく……逃げげて!」
「でも、ウチは……」
その直後志真さんは動かなくなった。
「イヤァァァァァァ!志真っち。志真っち」
私たちが駆けつけた時にはもう遅く。志真さんはクラスメイトを殺しはじめていた。
「全くあなた方はなにをなさっているのですか?」
その直後マシンガンの発泡音が鳴り響く。
「華山さん……!大丈夫でしたか?」
「大丈夫に決まっているじゃない。でもこれはもうマガイモノではないですか?」
「そう見えなくはないですが、とりあえず掩護お願いします華山さん!!」
「命令しなくてもわかってるわよ!スナイパーさん、こちらにも援護射撃お願いしますわ」
「私の掩護なんて要らないでしょ。凛、あなたも前に出て。撃ちにくいから」
「分かった!」
沢山の発泡音がまた鳴り響く。
同じクラスメイトを殺している。第三者から見たらそう映るのだろう。
だが、彼女は私達に襲いかかってきている。
もう私が知っているクラスメイトではない。
この世界で言うところのマガイモノに変わってしまったからだ。
罪悪感と安心感で私の心は満たされていた。
無事に生還できた私達だが、理事長と担任の先生が学校の中にある理事長室に入って行く姿が見えた。
「ですが理事長!今回のことは公にならないですが今度もまたこのようなことがあれば、我々の立場が……」
「君も割り切ったらどうだ。私たち上層部も結果を出さなければならない」
「それが生徒同士で戦わせることですか!それでも教育者と呼べるのですか?!」
理事長は不敵に笑いつつこう述べた。
「それ承知した上で今まで通り生徒達と接してもらいたい。もし断るのでしたらわかっていますね?」
先生は下唇を噛みながら敬礼をした。悔しそうな顔をしながら。
「物わかりがある者でよかったよ」
笑いながら先生の肩を二回叩き部屋を出て行った。
次回、7月21日になります。予定日より前後する可能性があります。