慈悲の干渉
場の空気が少し変わった気がした。
何か、いけないことを聞いてしまったのかと思った私は口を紡いでしまった。
それと同時に条件判事で、何かを察したのか陽美奈は口を開いた。
「えーとね、今は03部隊に訓練生として所属しているんだ」
「03部隊に。いいなぁ〜!」
「でもまだ訓練生だよ」
「それでも羨ましいよ」
話している時の陽美奈は、やっぱり無理に笑顔を作っている感じがした。
誰にでもわかるような顔を。
「最近どうなの、凛は?」
真っ直ぐ私に聞いてくる陽美奈に何処となく嫌気がさしていた。
「あっ、そういえばこの後部隊別の訓練があったんだっけ?」
逃げるように私は別れの挨拶しその場を離れた。
陽美奈は何か言いたそうだったのだろうか。
多分そうだ、そう違いない。
その時の私はそう思っておくことで心を保ってなかった。
その夜、私は坂本副隊長に誘われ部隊室でミーティングをしていた。
「今月行われる奉仕活動のテーマを決めたいんだけど
何か言い案はないー?」
かなりだるそうにホワイトボートに書き始める大戸隊長。
いくつかの案が出されたがなかなか決まらない。
「大戸隊長、ここはひとつ投票で決めませんか?」
「そうしたいんだけどね上の事も考えなきゃいけないからねー」
「結構色々あったんだよ、特に去年のなんてやばかったんだよ」
説明を聞いて納得した私に「じゃあ凛ちゃんが、決めていいよ」となんだか投げられた……。