13/18
毒を制す日後の誘い
私は多くの人の命を奪った。
倒すはずのマガイモノではなく、市民の。
無論、彼らは無抵抗ではなかった。
周囲では銃声が聞こえ、どこからか赤子の泣き声がする。
他人の目には『大虐殺』に見えているだろう。
勿論、仕事だと割り切ってやった。
その日以降、何度も食べては吐いての繰り返しだった。
『でも、このままじゃいけないんだ!』
そう決意した。ただ私自身はそのつもりだった。
稽古中、ボーとしていた私を気にかけて声をかけてくださった。
「凛ちゃん、大丈夫?」
私に向かって喋ってくれたのは、坂本副隊長だった。
「え……あ、はい大丈夫です」
坂本副隊長は返事した私に、顔色を変えず再び歩いていった。
離れていく音よりも時計の針が進む音の方が大きく聞こえその音が自分自身を侵食していく感じだった。
私の名前を呼ばれた気がして、見てみると坂本副隊長が立っていた。