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異世界で美容整形医はじめました  作者: ハツセノアキラ
序章 こうして僕は異世界で美容整形医になった
28/157

028 少しだけ村の女性たちが明るくなってきたようで

ようやくタイトルらしいことが始まります。




 僕は突然やってきた嵐を前に、どうしたものかと悩んでいた。

 いや、実際のところ選択肢はない。


「それでどうして下さいますの!」


 そう、突然やってきた9人の女性達はダマリスのことを聞いてきたのだ。うち数人はビアンカのことも。


 彼女らを僕がキレイにしたんじゃないか?

 ならば当然わたしたちもキレイにしてもらえるでしょう?


 訴えの内容を要約するとそんなところだった。

 この9人も『こいつ』の被害者で、要するに罪の償いを求められているということだろうけど……やけに知れ渡るのが早い。

 というか、ダマリスはまだ寝てるんじゃ……?


「先ほど橋の上で見ましたの! マリウスと良い雰囲気でしたわ!」


 なんと! 元気になったから出掛けてしまったのか!

 でも、だからと言ってすぐに気付くのかな?

 ダマリスの変わり様からするとさすがに気付くか……

 必要だと思ってやったんだから後悔はしない。

 後悔はしないけど広まるのが早過ぎる……


 彼女たちもいずれ治療しないといけないとは言え、今この睡眠不足な状態で手術してしまったら、失敗してしまわないだろうか。


「分かってます、治療はします。でも、ちょっと待って欲しいんだけど……」


「待てませんわ! 今日中にお願いしますの!」


 先ほどからお嬢様然とした口調の美人さんだけがぐいぐい答えてくるんだけど、被害者団の代表なのかな?

 気になってミレルに視線を送ると、イリーナとひそひそ話をしているのが見えた。

 仕方ない、自分で考えよう。


 彼女の後ろに控える女性達のうち数人は、怯えが表情に出ている。『こいつ』に面と向かって言えない人もいるだろう。それは面と向かって話しをすると、PTSDからのフラッシュバックなんてツラい思いをするからで、代表の強い女性に代弁してもらっている可能性が高い。

 それなら僕としてはツラい思いなんてさせたくないし、可能な限り穏便に済ませたい。

 代表の言を総意として受け取ろう。


「分かりました。準備が終わったらすぐに治療をしていきます。ただ、一人ずつしか出来ませんので、準備している間に順番を決めて下さい」


 そう言うと、彼女たちは一瞬驚いたあと、向き合って相談を始めた。

 この間にどう対応するか整理しよう。


 場所はカモフラ小屋で良いだろう、というかあそこしかない。

 順番が決まれば一旦帰ってもらうか。終わった人が次の人を呼びに行けば良いし。

 あとは治療の内容だけど……怯えてる人も居るし、僕が彼女らの訴えをしっかり聞けるのかという問題がある。

 かと言って直接聞かないと、思っていたのと違う、みたいなことになりかねない。

 写真撮ってCG処理出来るスタッフが誰かいれば、齟齬も少なく出来るんだけど。そんな技術はこの世界にないので仕方がない。

 あと何をするか──いわゆる施術内容の説明も僕からだと頭に入らない人もいそうだし、立ち会いも居ないと不安だろうし。

 そんな役ミレルにしか頼めないけど……ミレルも体調戻って無さそうなんだよね……


 とりあえずミレルに相談しよう。


 イリーナとの話が終わっていたのでミレルに話をしてみると、まず意外な人が手を挙げた。


「はいはい! わたしやる! みんなの似顔絵書いて、どうしたいか聞けば良いんだよね?」


 イリーナが元気に提案してくれた。

 確かに彼女の絵は本人がそこに居るのかと思うほどに精密だから適任と言える。

 絵を見れば誰もが納得するし、女の子だから話しをすることに不安も抱かないだろう。

 鏡を複数枚用意して、患者さん自身で身体をチェックしてもらって、施術内容と要望をイリーナが具体的な絵にする。施術対象箇所に赤丸でも書いてもらえば分かりやすいかな。

 紙とペンは僕が魔法で用意しよう。


 ミレルも説明と立ち会い役としてやる気で立候補してくれた……のは有難いんだけど──


「ミレル、体調大丈夫? ここ何日か顔色悪いよ?」


 僕の指摘にミレルは慌てて顔を隠す。


「気のせい……」


 その反応は何?!

 気付いたら悪いことだったのかな……


「それなら良いんだけど……無理しないでね」


「うん……」


 何か言いたいことがあるような、そうでもないような微妙な表情だ。

 見てて危なそうなら休んでもらうことにしよう。

 その前に僕が寝てしまうかもしれないし。


「じゃあ、2人ともよろしくお願いします」


 被害者団が順番を決める間に、僕たちはいくつか段取りを話し合った。そしてカモフラ小屋に移動して、適当な材料で紙とペンを精製してイリーナに渡し、姿見を5枚作り出して全身見えるように配置して準備を終えた。

 ついでに、今まで布が垂れ下がっただけになっていた入り口にも扉を作り、建物の中も壁を作って部屋を2つに分けた。

 施術の説明や要望を確認する場所には僕がいない方が良いだろうからね。

 紙とペンは早速イリーナが試し描きをして、たいそう喜んでくれたので、今日手伝ってもらうお礼に後日ランプ工房へ持っていくことになった。


 それから3人で眠気覚ましのコーヒーを飲んで感想を聞いたり、やっぱり苦いから砂糖とミルクを入れて飲みやすくしたりと一服して、更に暫くしてから、ようやく被害者団の施術順が決まった。


「わたくしからですわ!」


 うん、それは分かってた。


 終わったら次の人を呼びに行ってもらう案をミレルに説明してもらって、被害者団に納得してもらえたので残りの人には帰ってもらった。

 そして、今はお嬢様風の女性とイリーナが隣室で話をしている。


 日が落ちるまでに全員終わらせるには1人1時間かけずに終わらさなければいけない……かと言って適当に済ませるのは絶対に出来ない。

 しっかり集中してやらないと。


 今日は死にそうだな……



◇◇◇◇



 前半戦の4人の治療を終えたのは、感覚的に午後2時頃だった。

 なので、次の人が来るまでの間に、僕たちは軽く昼食を取ることにした。


 昼食はデボラおばさんに頼んでも良かったけど、僕は少しでも時間の短縮をしたかったので、数日前に試験的に作っておいた栄養調整食品を食べることにした。

 黄色い箱に入ったアレと全く同じなので、この魔法の登録者は製薬会社の人だと思う。


 2人に母屋の方へ言っておいでと言ってから地下室に降りた。そして栄養調整食品を取って戻ってみると、なぜかまだ2人が待っていた。

 疑問に思いながらも、口の中の水分を奪われながら携帯食を咀嚼していると、ミレルとイリーナからも食べてみたいと言われてしまった。


 普通にデボラおばさんのサンドイッチとか食べた方が美味しいと思うんだけど……


 仕方がないので女性の口に合いそうな、チョコレート味とメイプル味を2本ずつ食べてもらった。ちなみに僕はフルーツ味が一番好きだ。

 どちらも思いの外好評で瞬く間に食べきっていた。

 どうやら、クッキーみたいなお菓子はほとんど無いようなので、お菓子感覚で受けが良いようだ。

 仕方がないので他の味3種類も含めて、いつでも食べられるように皿に積んでおいた。


 あんまり食べると肥りますよ?


 そんなわけで食事も早く終わったので、前半の振り返りをしておいた。

 予想していたことだけど、前半は少し我の強い女性が多かった。

 そのため施術内容も多く、時間の関係で100%要望に応えるわけにはいかなかった。

 目や鼻、口と歯の整形はもちろんのこと、フェイスラインの調整、各関節の矯正、身体の傷や痣や黒子の除去、脱毛、豊胸や脂肪吸引まで。美容整形医院やエステで出来るフルメニューを要求された。

 魔法で行うのでひとつひとつの施術は日本での時間の十分の一もかからないけど、流石に全部は対応できない。

 そこは優先順位の高い部位から治療して、残りは後日ということにして納得してもらった。

 前半戦はそんな感じで大変だった。


 そして後半戦に突入した。


 後半戦は後半戦で違った大変さが待っていた。

 『こいつ』を前にした恐怖からか、少し暗く怯えたような表情の女性が多く、加えて元々控えめな性格だからか、施術内容が極端に減ってしまった。

 減って早く終わるから良い、なんてのは誠意がなさ過ぎるので却下。しっかり要望を聞き出して対応するからこそ罪の償いになるというもの。

 無理強いしたいわけじゃないから加減が難しいし、本人の具体的なビジョンがないから、イリーナが絵にしてくれるとは言え僕の感性になってしまう。

 女性と付き合ったこともない僕に、満足してもらえる案が提供できるのだろうか……


「関節で動かしにくいところは無いですか? 動かすと痛いとか、違和感があるとか」


 当たり障り無いように障害の出てそうな場所がないか尋ねていく。


「左右差が気になってる部分は無いですか? 大きさや形、太さや細さ何でも良いので」


 今痛みや違和感がなくても、過去に痛みなどで片方を庇って動かしているとどうしても左右差が出る。筋肉量だったり脂肪の付き方だったり、場合によっては骨の形だって。

 そういった部位がないか、例を挙げながら確認していく。


「生理不順とか、便秘が続くとか、咳が良く出るとか無いですか? 食欲が減ったとか、突然お酒に弱くなったとか無いですか? 鼻水や痰が出やすいとか、吹き出物が出やすくなったとかでも結構ですよ?」


 段々内科か耳鼻咽喉科みたいな質問になってきてるけど、体内へのダメージがそういった形で出ることもあるだろう。


 様々な質問をするにつれ、僕の治したいという想いが伝わったのか、相手も少しずつ気になってるところを話してくれた。


 そうした会話をして、施術内容をミレルとイリーナに説明して、僕が良いと思うように治していった。

 そうすることで女性の顔も明るくなり、『こいつ』に対する恐怖も薄れてくれたみたい。

 最終的にはなんだか嬉しそうに次の人を呼びに行ってくれた。


 上手く行って良かった。

 元気になってくれるのは僕も嬉しい。



◇◇◇◇



 辺りが少し暗くなり始めた時に、ようやく全員の治療を終えることが出来た。

 さすがに疲れたのか、治療を手伝ってくれた2人は、作業が終わると椅子に深くもたれたり、机に突っ伏したりしていた。

 僕は対応した最後の一人を見送りに外へ出てみると、日が山の頂上に接し始めるのが見えた。

 イリーナにはそろそろ帰ってもらわないと、ラズバン氏が心配するだろう。

 一旦カモフラ小屋に戻って、2人にねぎらいの言葉を掛ける。

 ついでに何か飲み物でもと思ったけど、頭が回ってないのかすぐに思い付かない。というか、思い付くのがお酒ばかりだ。

 無難にレモン水を入れることにした。

 初めて飲むイリーナからは驚きの声が上がったが、ミレルは流石に慣れたもので、何も言わず美味しそうに飲んでいた。


 そして、イリーナを帰すために外に出ると見知った顔が5つ、なぜか家の前で話をしていた。


「あ、お姉ちゃん! お迎え〜?」


 その内の1人、アナスタシアに向けてイリーナがとててと走って行く。

 アナスタシアはコクリと頷いてイリーナへと手を差し出すと、イリーナはその手を握ってからこちらを振り返った。


「今日は面白かったよ〜 また来るね〜」


 そう言ってぶんぶんと大きく手を振ってきた。

 さっきまで机に突っ伏してぐったりしていたとは思えないぐらい元気だ。

 僕は手を振り替えして挨拶とお礼を言って、イリーナとアナスタシアを見送った。


 さて、問題は──


「で、君らは家の前で何をしてるのさ?」


 僕はダビド、ビアンカ、ダマリス、マリウスの4人の顔を見回しながらそう尋ねた。


「いや、そのよ……」


「あんたね、何躊躇ってんのさ! 連れてきたのはあんたよ?」


 と、マリウスとダマリスが言い合えば、


「君から言った方が良いかな?」


「わ、わたしは……ダビドにも言えないぐらいなのよ?」


 と、ダビドとビアンカも似たような譲り合いを見せてくる。


 えーっと……リア充さん達は──


「イチャイチャしてるところを僕に見せ付けたいと?」


 意地悪な言い方だけど、反応はしてくれるだろう。


「ちげぇよ! 誰がこいつとイチャイチャなんて!」


 最初に反応したのはダマリス。顔を真っ赤にして叫んで来た。


 誰が誰となんて言ってないんだけどな〜


「何だと! オレだってコイツとなんか──ぐふぁっ!」


 マリウスが言葉の途中で腹パンを受けて悶絶している。


 言い方には気を付けようね〜


「いや、そんな見せ付けるなんて! で、でも、そう見える? そう見えるかな??」


 嬉しそうに身をくねらせながらビアンカが顔を押さえている。


 周りから認められるのも嬉しいんだね。


「そうではない。ただお礼に来ただけだ」


 最後にダビド。


 流石真面目を絵に描いたようなヤツだ。ちゃんと僕に分かるように答えてくれた。

 顔が赤いのはスルーしてあげよう。


 しかし(うい)ヤツらじゃのう……そんな高校生みたいなやり取り見せられたら老化してしまうわい。


「何のお礼? 僕は僕がしないといけないことをしただけだよ。歪めてしまった関係が真っ直ぐになるようにね」


「いや、ボグダン。オレが言いたいのはな──」


 ダビドが説明しようとするのを遮るように僕は片手を挙げる。

 感謝されるのは嬉しいけど、僕は『こいつ』の犯した罪の贖罪という目的でやってるから、お礼を受け入れるのは筋違いだと思う。


「良いんだ。僕の行いが受け入れられるか──いや、僕がしたことで、みんなが明るい未来を見て生きていけるならそれで良いんだよ」


 僕が直接犯した罪じゃないから謝罪しても心がこもらない。だからここでそれを告げるのは良いとは思えない。

 でも、知り合いが喜び楽しんで生きていくことは素直に願うことが出来る。


「そうか……ならオレは何も言わない。今日はビアンカと一緒に住むことにした、という報告だけにしておくな」


 僕の意を汲んでくれたダビドの回答に、顔を押さえていたビアンカがしゃがみ込んでしまった。


 恥ずかしがり屋の可愛い奥さんだな〜 良いな〜


「あたしはあんたを赦したわけじゃないよ!」


 そう言ってくるダマリスに、マリウスが慌てている。

 残念だけど犯した罪が重いだろうから仕方がないか──


「だから、これからマリウスと一緒に住んで、あんたより自由に生きてやる! あんたより幸せになってやる! それを他のヤツらに自慢してやる!!」


 ダマリスが僕を真っ直ぐに見ながら、そう宣言する。


 結局、マリウスじゃなくてダマリスが言ってるじゃん……これは尻に敷かれるパターンだな。

 しかし、ダマリスは強いな。

 自殺しそうな雰囲気もすでに微塵もない。


 赦してもらえなくても、ダマリスが家を出て周りを見る切っ掛けにはなってはくれそうかな。


「いや、ボグダン? こいつこれでめっちゃ喜んでんだ──ぐうぅ」


 余計なこと言うからまたやられて……マリウス、身を犠牲にして伝えてくれてありがとう。君の死は無駄にしないよ。

 とりあえず、ダマリスは赦していないけど、僕のやることは間違ってないって言ってくれたのかな。


 伝えることは伝えたと言わんばかりに、ダマリスは踵を返して帰り始める。

 マリウスは軽く挨拶をしてそのあとを追った。


「これから、どうなっていくのかが楽しみだな」


 ダビドはそう言って挨拶してから、まだしゃがんで顔を隠していたビアンカを連れて帰っていった。


 捉え方は人それぞれだけど、総じて上手く進んでくれたようだ。

 何より、みんな元気になってくれて良かった。


 そう思ってカモフラ小屋を振り返ると、入口からミレルが笑顔を浮かべながらこちらを見ていた。

 ミレルもみんなが元気になってくれて嬉しいみたい。

 ビアンカに挨拶ぐらいしても良かったのに、ダビドも居たから遠慮したのかな?


 とりあえず今日すべき事は終わった。

 全部終わった!

 今日こそは晩御飯食べて早く寝るぞ!!


「あら……?」


 ミレルが外を眺めながら何かを見付けたようだ。


 僕は余計な脳内フラグを立ててしまったか……?


 僕もミレルが見ている方向に視線を送ると、一人の男性がゆっくり歩いてくるのが見えた。

 そして、その速度が遅い理由もすぐに分かった。

 男性は大きな荷車を牽いていて、荷車の上には大量の石が積んであった。


 ゆっくりとゆっくりと近付いてきて、残念なことに僕の家の前で止まった。


「やあ、ボグダン。この間は妻と子供を救ってくれてありがとうね」


 爽やかな雰囲気で少し年上に見える男性はお礼を告げてきた。

 ダビドと似たような体格と、いきなりお礼を言われたことから、僕はその可能性にすぐ思い至った。


「アレックスさん?」


「ん? そうだよ。ああ、僕がここに居るのが不思議かい? いつもは詰め所にいるもんね」


 やっぱり自宅が火事に遭った衛士のアレックスさんだ。


「今日はどうされたんですか?」


点火棒(イグニッションロッド)の材料を持ってきたんだ。村長から新しいのを作ることになったと聞いてね、同じようなことが起きないようになるなら早く作れた方が良いかと思って。お礼を兼ねて僕が持ってきたんだ」


 予定よりかなり早いんだけど……アレックスさんも材料集め頑張ったのかな? 今は家のことで大変だろうに。

 僕が家を直しに行けたら良かったんだろうけど、なぜか次から次へと対応しないと行けないことが降ってきたから……なぜかは知らないけど。


 そんな話をしながら材料を荷車からカモフラ小屋の裏手に降ろしていった。

 ミレルは石運びという重労働だから別に良いよって言ったのに手伝ってくれた。昨日と同じように魔法を掛けておいたから大丈夫だとは思うけど。やっぱりミレルは働き者さんだな。


 そういえば、なんで石なんだ? 未加工だし。

 前の点火棒は木製だったような気がするんだけど……?


「木だと魔法具自体が燃えそうだろ? ということで石にすることになったんだ。なんでも君は形を変える魔法が得意みたいだから、材料を持っていけばすぐに出来るらしいと村長から聞いたよ」


 確かに出来るけど!

 どうしてそうなった??

 村長(おとうさん)には「材料さえ有ればすぐにでも」って答えた気がする……

 形を変えるのが得意ってのはどこから??


「僕の家の火を消すときに、水を掛けながら、焼けている木材の形を変えて消えやすいようにしたと聞いたよ? だから一瞬で消せたんだとか。水魔法も変形魔法?も得意なんてすごいね!」


 変形魔法って何だよ!?

 ……何を材料にしてるのかなんて、使ってる本人にしか分からないからか……外から見ると変形させてるように見えたのか。

 あ! 違う!

 アレックスさんはこう言ってるけど、もう一つ決定的な理由がある!

 認証機能の実験を村長達としたときに、魔石だけ床に置いて実験したら床が燃えるかと思って石の土台を作ったんだった!!

 そっちが原因だな……

 そうなると情報の出所は、村長とマリウスだろうね。

 今度からどんな魔法をどう使うかも説明しないとまずいのか……?

 今からこんな魔法を使ってこうしますよ〜なんて、なんか恩を売ってるみたいでイヤなんだけど……施術内容の説明と一緒なのか。

 専門的なことを誰かの依頼で行う場合は、依頼主への説明責任が発生する、ってか?

 それほど間違いでも無いか、この世界では魔法全てが専門的な技術だろうし。


 まあ、もはや能力を隠す意味が無くなってしまったから、必要になってくるだろうけどね。

 今日は立て続けに無茶な治療したから、今までの感じからすると、これでまた何やら噂が立ってしまうだろうし。

 もしかして傷跡を消すのも、物の変形の延長だと思われてるのかな?

 誤解があるなら解いておかないと。

 魔法で出来ること出来ないことを説明して、理解してもらった方が良いかも知れない。

 って言っても、僕にもまだ全然分からないんだけどね……


 悩みは増えるばかりか……


 とりあえず、石を運び終わったので、アレックスさんにお礼を言ったら、すぐに帰って行った。

 時間が時間だし、僕たちも晩御飯食べたいし、早く寝たいし……


 だからミレルさん、そんな期待に満ちた眼差しで僕を見ないで……

 そんなミレルの視線に僕が勝てるわけ無いので、晩御飯食べてから少しだけ作業しようかな。





後2話で序章が終わる予定です!

休み中に毎日投稿して終わらせたい!



まとめ

1.ボーグは被害女性全員の治療を完了した。

2.被害女性4人は自分の要望通りに、残り5人はボーグの感性で治療した。

3.ビアンカは恥ずかしがり屋の可愛い奥さん。

4.マリウスは多分尻に敷かれる。

5.ボーグは水魔法と変形魔法が得意だと思われている。


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