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聞き込み 3

 学校というと、勉強の側面が強いと思われがちだけれど僕はそうは思わない。確かに学校では勉強させられるし、赤点なんて採れば留年という恐ろしいものもある。

 だけど、実際どうだろうか?

 社会に出て使うだろうか?使うものは、せいぜい算数と漢字くらいだと思う。

 ならなぜ学校に通わなければならないのか。

 多分それは、社会的常識を身に付けるためなのだ。例えば、先輩とのコミュニケーションの取り方。後輩とのコミュニケーションもまたしかり。部活による、精神の向上。こういったものを鍛えるために学校という、都合上扱いやすいものを使っているのだろう。

 社会に出る前の準備運動とでも言うのだろうか。

 まあ、準備運動にしては期間が長すぎな気がしないでもないけど、僕が口を出せることでもない。


 と、言うか。そもそも大体の高校でバイトを禁止しているのもどうかと思う。バイトこそ、色々なものを学べると思うのだ。学校よりも遥かに多くのことを。


 それでも僕はバイトをしないのだけど。

 それとこれとでは、話がまったく別だ。


 長々と話してしまったけれど、何故僕が急にこんなことを言い出し始めたかというと、答えは至ってシンプルだ。


 勉強したくない。

 授業受けたくない。


 それにつきる。


 キーンコーンカーンコーン


 授業の終わりを告げるチャイムと同時に、僕の頭はのっそりと、机から離れる。

 決して寝てた訳じゃないよ。ただちょっと目を瞑って、精神を集中させてただけさ。

 今からまた聞き込みを始めるために、ちょっと力を蓄えていただけなんだ。だから決して寝てた訳じゃないんだ。

 何に言い訳してるでもなく、ただただ自分に言い聞かせるのはいささか滑稽だ。だけれど、僕は滑稽らしさを失わない。きっとそれが僕らしさだから。

 カッコつけてみたけれど、大してカッコよくもなければ、よくよく考えてみると何を言っているかすら分からない。


 これこそ愚の骨頂。滑稽だ。


*************


 本音を言うと、なんとなく犯人、まぁつまり九十九が分かっていた。今まで検討違いの人達に話を聞いたのは、確認みたいなものだ。

 なので、今の僕には九十九が誰か分かっている。それもまぁ、確証があるわけではないので、今から少し話を聞いて確認したいと思う。


 くれぐれも気を付けるように。

 やっぱり、誰に言うでもなく自分に言い聞かせる。きっといつからか癖になっているのだろう。

 いつからその癖がついたのかも、僕は知っている。だからいつからか、なんてあやふやな言葉でなく他の言葉で表現するべきなのだろうけど、そうするとどうだろう?

 今が高校生だから、3年ほど前になるのかな?

 大分記憶が曖昧だ。いつから、と聞かれればまぁ3年ほど前だけれど、正確には覚えていないので、あやふやな言葉で良かったのかもしれない。


 そんなどうでもいいようなことをグダグダと考えながら、九十九であろう人物、C君の元へ向かう。

「やぁやぁやぁやぁ、元気してるかい?C君」

「…あぁ、僕君。あの二人が死んだってのに、ずいぶん元気だね」

「確かにあの二人が亡くなったのは心苦しいしれど、あの二人のためにも前を向くのが今生きてる僕たちの出来ることだろ?」

 なんて、それらしいことを語ったけれど。

 そんな気持ちは微塵もない。

 いや、微塵程度ならあるかもしれない。どっちにしろ、僕が人として最低であることは違いない。

「僕はね…あの二人が死ぬ前日も一緒だったんだ。そんな気持ちにはなれないよ…」


 このセリフは、確定ということで良いのかな?C君が九十九である証拠で良いのかな?

 そうだろう?あの二人と一緒だったのなら、C君だけ死んでいないのは納得出来ない。

 こういう言い方は、不適切だったね。まるでC君にも死んでほしかったみたいに聞こえたかもしれない。

 そんなことはない。僕は、僕に影響のない人が死のうが生きようがどうでもいいのだから。

 C君なんてどうでもいいのだから。


 けれど、C君が九十九なら話は別だ。

 なぜなら僕に影響があるから。


「僕の親友だったんだ…そんな二人が一気に死んだんだ。ほっといてくれ」


 このセリフで決まった、と僕は確信した。

 C君が、死んだ二人以外とつるんでいるところは見たことがない。C君が九十九ならあの二人だけが死んだ理由にもなる。


 そうだね、君はどう思う?


 ………決まりだ。


 C君は九十九だ。

 C君を殺そう。

やっとサイコホラーになる…

どうもですです。夏が半分終わってやっとホラーになるお話。。

これこそホラーだよ!!

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