狂い
なんだったのだろう。
なにがあったのだろう。
僕の人生は。
まだ何も見つけられてないのに、ふうちゃんが死んでしまった。誰のせいでもなく、ただただ死んでしまったのだ。
なにをしてあげたのだろう。
なにかをしてあげたのだろうか。
僕は。
言うまでもなく、一番愛しい彼女に。
きっと彼女からすれば、そんな些細なことを気にはしていないだろうけれど、やはり考えてしまう。
失った。
けれど得たものがある。
そんなわけがあるか。
そんな都合のいいことがあるわけがない。
失っただけ。
ふうちゃんを。
生きる意味を。
だから殺す。
もしかしたら、もしかしなくても八つ当たりに過ぎないけれども……じゃあ、どうすればいい? この行き場のない、どうしようもないやるせない怒りは。
どこで吐き出せばいい?
だから殺す。
けれど殺す。
されど殺す。
しかし殺す。
九十九など、理由に過ぎない。もうどうしようもなく、どうでもいい。人間と九十九の境目なんて、考えても疲れるだけだ。
疑わしき者は罰せよ。
その程度。
今になってやっと思うよ。
僕は本当にさ、ふうちゃんが好きだった。
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グチャ
もう聞き慣れた音を聞きながら思考する。
何人目だ?
僕は九十九を何人殺した?
何人目から数えるのをやめた?
自問自答なんてものじゃない。
最早、自分と会話している気さえしてくる。
両の手はとうに過ぎたか?
とりあえず続けよう。
日に日に僕は独りになる。
でもそうだね、君は僕から離れないね。なんでかな? 自分で言うのもアレだけど、相当頭のおかしい狂人だと思うけれど。
……あぁ、そうだった。君はそういう人だった。だから僕は君を協力者にしたんだったよ。
そんなにお金が欲しいかい?
……あは、それだけ聞くと君は僕よりも頭のおかしい人間かもしれないね。いや、それだけでなくとも、君はもう手遅れなのかな……随分と君も物好きなもんだ。
僕には理解できないよ、なんて君も僕を理解できないだろうから、お互い様かな。
しかしこれからどうしようか?
この地域の九十九は大概殺しちゃったし、九十九探しの旅にでも出ようか。
嘘だよ、冗談冗談。何が悲しくてここを出てまで九十九を殺さなきゃいけないのか、分からないしね。
この地域からもう九十九が発生しないとも限らないわけだし。
もう九十九の探しかたもイマイチピンとこなくなっちゃったからね。だって怪しいと思ったら殺しちゃえばいいだけの話だから。
うん、そうだね。
とりあえず殺そう。
短いし、更新おっそ!
……ごめんなさい。
これからも大分多忙になっちゃうので、ゆっくり更新でいきたいと思います。




