表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

重く

 こういう時ってどうやって書き始めるのが正しいのかな?拝啓、とか?


 分かんないから、分かるまで生きていけなくなったから、勘で書くぜぇ……

 女の勘は鋭いってよく言うから、きっと私の勘も正しいと信じて書くぜぇ。


 拝啓、僕君へ。


 まあ実際書くことなんてこれっぽっちもないんだけれど、僕君にはなにか遺しておきたいから。手紙ってやつを遺しておくことにするよ。


 もう出会いだとか、好きになった理由とかは全然全くもってと言ってもいいほど覚えてないな~。どっちから声かけたっけ?

 私な気もするし、僕君からな気もする。

 いつの間にか好きになってたし、自分の気持ちに気付いた時には付き合ってた。それからずっと一緒に居た気がするんだけどね。


 私の最初の殺人って言っちゃってもいいのかな? とにかく最初の殺人が僕君にならなかったのは心の底から良かった。

 私が僕君を殺しちゃうとこだった。


 どうせ僕君のことだから私の最初の犠牲者になりたかったとか、言いそう。


 そんなことが起きたら多分私は私の正気を失うと思うよ。


 あはは、こういうことろだけは正反対だよね。僕君と私はさ。


 大体僕君は重いんだよね、そういうとこ。


 それだけ愛されてるってことだろうけど。いくら私が美少女だったからって、いくらなんでも重いと思うんだ、おねーさんは。


 僕君に言いたいことは死ぬほどあるよ。


 死にたくなるほどあるよ。


 けど伝えきれないから、簡単にまとめるから読み取って。私を、私の文字から。



 私の為に死なないで。



 絶対だから。

 破ったら、僕君のこと嫌いになるから。



 私はさ、きっとこういう運命にあったんだよ。生まれたときから決まってたんだよ。


 さっきまで体中の水分が無くなるってほど泣いてたけど、今は割りと受け止めきれてるんだ。


 別に不幸せだったわけじゃないし。

 ちょっと終わるのが早すぎたけど、その分幸せも貰ってたんだよ。僕君から抱えきれないくらい貰ってた。抱えきれなくて笑っちゃうくらい。


 だから死にたくないけど、受け止めれるよ。


 幸せと不幸せはプラスマイナス0なんだってさ。私の人生は今の今まで、僕君に会ってからずっっっと。


 ずっと。


 泣きたくなるくらい。


 ありがとうって言いたいくらい。


 プラスだったんだよ。



 なのでここでマイナスを受け取って、0になります。ってな話な訳だよ。


 寂しいよ?

 悲しいよ?

 辛いよ?


 それと同じだけ。


 嬉しかったよ?

 楽しかったよ?

 笑ったよ?


 心残りとしては僕君と一緒におじいちゃんと、おばあちゃんになりたかったな。



 本当の本当を言えば、だけれど。


 ここから先は読まなくてもいいよ?



 私の独り言だし、わかままだから。





 読むんだね?





 僕君もわがままだな~。






 本当はね。








 僕君に殺してほしかった。








 僕君ずっとーーーーから。




 *********************


「ふうちゃんは馬鹿だなあ」


 これじゃあ読めないじゃん。


 大事な部分がさ。


 滲んじゃってるじゃん。

 これ書いてる時どんだけ泣いてたのさ。


 そんなに泣くなら書かなきゃよかったのに。



 吊るされていたふうちゃんを降ろして、愛らしい頬に触れる。



 涙の後が頬に伝っているのがたまらなく僕の胸中を掻き乱した。


  生きる意味を失って僕はどうする?


 ふうちゃんを失ってどうする?


 僕の人生、何度自問自答しただろう。何度自分に言い聞かせてきただろうか。


 これがきっと人生最大の自問自答だ。

 後にも先にもこんな大きな自問自答はないだろうと、本気で思った。

 だけれども、答えは呆気なく浮かんでしまっている。これが僕だ、と言わんばかりに。だからこそ僕は僕なのだし、僕以外になり得ないのだ。


 復讐。


 そう復讐だ。



 何に対してでもなく、言うなら全てに対して。



 僕を僕たらしめた全てに、ふうちゃんをふうちゃんにした全てに、僕達の運命とやらに。



 愚かしく抵抗するだけだ。

 もう終わってしまっている僕達が、終わらせないと駄々をこねている子供のように。


 希望などとうに死んだ。



 なんて厨二病くさいか。



 とりあえず復讐だ。


 殺そう、僕を狂わせた九十九という存在を。

 根絶やしにしてやろう、ふうちゃんを死なせた九十九という忌々しい存在を。



 殺せ、と心臓が泣いている。

久しぶりの投稿、って毎回言ってる気がする…

物語も終盤、どうか暖かい目で見守ってください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ