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エピローグとプロローグ

 はい、拍手。

 ほらそこ、もっと大きな拍手をお願いしますよ。

 せっかく僕の黒歴史を明かしたってのに、そこまで反応が薄いと傷付くからね。


 ここからはまぁ、後日談というかエピローグというか。今の僕からしたら、プロローグだったのかもしれないけれど。


 病院から抜け出した僕は数日もしないうちに、警察に見つかって保護されたよ。

 けれど、その後すぐ親戚のところに引き取られた。

 それからは普通に過ごして、今に至る感じかな。


 高校入学する時に一人暮らしの許可をもらってね。


 だから僕も九十九はこの学校に来るまでで、2人しか殺したことなかったよ。

 それがまさかこの学校に来て、また2人も殺るなんてね。九十九に運命感じちゃうな。……なんて冗談でも笑えないけれど。


 こんなところでどうかな?

 僕の過去話は。昔語りは。


 面白いかと問われれば、そんなに面白い話でもないし、どっちかと言うと顔面蒼白な昔語りだったね。やはり笑えないけど。


 そうそう、D君の件のお金は君の口座に振り込んでおいたから、今度確認しておいて。


 こんな傷付いた手で銀行に行ったら、周りから凄い見られたんだから、少しは感謝してほしいもんだな。視線集めるのは好きじゃないのだからさ。


 それじゃ、また学校で会おう。


 僕は今から、夜ご飯の買い出しと処方箋を出さないといけなくて、色々と忙しいんだ。



 君と別れて僕はまず病院で貰った処方箋を出しに行った。鎮痛剤の処方箋だ。今も割りとじんじんと痛む。

 あの九十九め……本気で刺しやがって……今更のように怒りが込み上げて来て何となく生きているという実感が湧いた。痛みで生きているという実感を得るというのも、(はなは)だおかしな気もするけれど。


「こんな量の鎮痛剤、あなたどんだけ大きな怪我をしたの?」

「お医者さんが大袈裟なだけですよ、ちょっと手を切っちゃったくらいでそこまで大きい怪我じゃないですよ」

「あらそう?でも気を付けなさいね、刃物の扱いは」

「はい、気を付けます」


 世の中は優しいと思わないかい?

 初めて会った人の心配が出来る人で溢れているなんて。綺麗で透き通ってて。


 まるで作り物だ。創造物だろ。


 僕だったら、大怪我をした人を見てまず思うのは、僕が怪我しなくて良かったとか、知り合いが怪我しなくて良かったとか、そういう(たぐい)のものだ。


 君だってそうだろ?

 不幸な人がいたら、相対的に自分が幸せに見えるし、幸せそうな人がいたら妬ましい。


 友達が不幸になったら、自分も悲しいし、友達が幸せそうだったら羨ましい。


 自分の機嫌が悪いときに、他人が笑っていると余計に腹が立つし、自分の機嫌が良いときに機嫌の悪い人を見かけると、嫌な気分になる。


 幸せは分け与えることが出来ないのに、不幸は半分こに出来るし人に不幸を伝染(うつ)せる。


 ほら、なんて世の中は優しいのだろうね。


 ……うるさいなぁ、僕の性根が腐っていることくらい僕が一番誰よりも知ってるっての。


 この世の誰よりも。


 僕は僕が嫌いなのだから。



 そんなことはどうでもいっか。

 それよりも今日の夜ご飯を考えよっか。


 ハンバーグかカレーか……簡単なのは勿論カレーなのだけれど、あれって一度作ると2日くらいずっとカレーだからなぁ……正直飽きる。


 あ、そうだふうちゃんを家に呼んで夜ご飯を作ってもらおう。


 思い立ったが吉日だ。

 早速ふうちゃんに電話しようとして気付く、いや思い出すの方が正しいな。


 スマホ家に置きっぱなしだ。


 そうそう、そうだった。だから君に連絡をしようと思ったとき、すぐに連絡出来なかったのだった。D君、九十九の家に行く前からもうスマホは置いてきてしまっていた。手放してしまっていた。


 現代っ子にあるまじき行いだと思うよ、いや自分に言うのも変な話だけれど。


 と言っても僕が連絡をとる相手なんて、君かふうちゃんしかいないのだけど。

 いやいやいやいや、ちゃんと友達もいるよ?いるいる、超いる。けど僕から連絡するのは君とふうちゃんだけだって話。


 まあ今現在ふうちゃんと連絡が取れないのだから、スマホを忘れてきたのは大きなミスだが。


 結局家に帰ってふうちゃんと連絡を取ればいいだけのことなんだけれど。


 行き先が決まった途端(とたん)、足取りが驚くほど軽くなったような気がした。


 徒歩4分、あぁ割りと近いもんだな。

 薬局と僕の家は。


 ガチャ


「ただいま」


 おかえりぃ。

 未だに耳の奥の奥で再生されるそれは、僕の弟だったはずである九十九の声だ。


 僕は繰り返す。


「ただいま」


 何かに答えるように。

 応じるように。


 取り敢えず鎮痛剤を口に含んでごくり、それから残りの鎮痛剤は机に置いておく。また痛くなったとき飲めるように。


 手も洗わずに、まずスマホを探す。


 やっぱり、僕も現代っ子だ。心のどこかで安心した僕がいた。


 見つけたスマホには何度か着信履歴があった。

 ふうちゃんからだ。


 メールもきていた。

 ふうちゃんからだ。


 何の気なしにメールを開いた。

 返信ついでに、夜ご飯のことを話そうと思って。


『たすけて』


 一文だけで。

 漢字も使わずに。


 心のどこかで絶望の音がした。

遅くなりました、すいません…

けど!夏休み入ったので、書けると思います!

バイト増えるけど……

なんとかなるでしょ!!

またよろしくお願いします。

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