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九十九って?

 人狼ゲームって知ってるかい?


 そう、それそれ。

 1グループの中に、一人だけ人狼が混ざっててそいつを探し当てるゲームだ。

 そのゲームがかなり難しいんだ。

 一人一人話を聞いても、嘘ばかりでなにが本当なのか分かったもんじゃない。

 それはそうだ。自分が人狼だとバレたら殺されるから、犯人は嘘をつく。犯人ではないとしても、後ろめたいことがあったり、他人に話したくないことがあったりで、やっぱり嘘をつく。

 あのゲームを考えた人は、正気の沙汰じゃなかったんではないだろうかとすら、疑いたくもなる。

 僕はもともとそうゆう、何て言うのかな…推理ゲーム?みたいなのが、得意ではなかった。苦手でもないけれど。普通だ。普通に普通。


 そもそも人狼ゲームとは、人狼が人を殺したところでスタートする。まあ基本的には、ってだけで例外もあったりするのだけれど、今はその話をする必要はないだろう。


 そして、この中に人狼がいるってことをグループ内の誰かが指摘する。別に人狼でなくても、この話は成立する。

「犯人はこの中にいる!」

 みたいな感じで、殺人犯だって構わない。

 ただ人狼と表現した方が、後々に説明する僕の今現在の立場が理解しやすいのだろうと思うので、人狼と表現させてもらう。


 さて、話を戻そう。

 誰かが人狼がいると指摘した。

 そうなると、皆口を揃えてこう言う。

「俺(私)は人狼じゃない」

 と。


 たがしかし、人狼がこの中にいると疑っている人たちは、誰かが嘘をついていると判断する。


 しかし、やはり皆が口々に言い争う。


「お前が嘘をついている」

「いや、私じゃない、そう言うあなたこそ」

「ならお前だ」

「僕じゃない」


 醜い争いだ。

 アヒルの子よりも、ずっとずっと醜い。


 それから一人、また一人と人狼に殺されていく。


 けれど言い争いは、終わらない。


 さぁ、あなたはこの中から人狼だと確信する相手を選んで殺せますか?


 ざっくりとした説明で大変申し訳ないのだけれど、正直に言ってそんな説明しか出来ないほど、僕は切羽詰まっている。


 もうほんとヤバい。

 ヤバいっていうか、ヤヴァイ。


 ん?…あぁ!そうだった、そうだった!

 今の僕の状況を全くもって説明していないのだった。ごめんごめん、めんごめんご。

 すっかり失念していた。

 もう本当、これだから僕はお調子者とか、ご都合主義って言われちゃうんだなきっと。


 と言っても、説明できるほど僕も僕の状況が理解できているわけでも、実はないんだな、これが。


 簡単に言うと、つい先程説明した人狼ゲームをやっている。やっていると言うより、やらされている。


 ん~、これもしっくりこないな。

 人狼ゲームになっているが、ひょっとすると正しいかもしれない。


 おっとこれ以上はぐらかすと、ま~た回りくどいとか、めんどくさいとか言われるな。


 僕の通っている高校……あ、しまった。

 極力個人情報は出さないようにしていたのに、初っぱなから高校って言ってしまった。

 まあ、これくらいなら問題ないか。


 気を取り直して。

 僕の通っている高校、仮にT高校としよう。

 T高校の僕のクラス、これもまた仮に1-Aだとしよう。


 僕のクラス1-Aで、死人がでた。

 それも二人も。

 二人とも不自然な形で。


 九十九(つくも)、さっきの説明で言うところの人狼の仕業だ。ただ、人狼ゲームと違うところが何ヵ所かある。


 まずひとつ。

 九十九、いわゆる人狼と同じ空間に長い時間一緒にいるだけで、人間は死ぬこと。

 つまり、九十九と同じクラスになんかなってしまったら、死ぬことは当たり前になるということ。


 それからふたつめ。

 九十九は、自分自身が九十九だとは知らない。

 知るすべがない。現代科学を駆使しても、今のところ九十九を九十九だと確信することが出来ない。

 自身が九十九だったとしても。

 と、されている。


 僕の知識では、君達が知っている人狼ゲームとの違いを二つ挙げるのが精一杯だ。


 え?なに?九十九ってなに、だって?

 おやおや、僕としたことが九十九のことを説明していなかった。失礼。


 九十九ってのは僕の世界ではびこる…何て言うのかな?きっと病原菌ってのが一番近いと思う。

 その九十九ってのになってしまうと、一緒にいるだけで、周りの人を殺してしまうんだ。

 自分が九十九だってことに気が付かないまま。


 そして、その九十九は治すことの出来ない病気だ。致死率100%と言い換えても、差し支えないくらいに。

 まあこの場合、致死するのは九十九にかかってしまった人ではなく、その周りに居る人だが。


 ずいぶんと前置きが長くなってしまったけど、ここからが重要な話なのでまだ読むのをやめないでいただきたい。


 今のこの国では、九十九は人間扱いされていない。

 簡単に言ってしまえば、法律の適用外だ。

 殺しても問題ない。


 どころか、九十九を殺せば報酬が手に入る。

 一生とまではいかないものの、長い間遊んで暮らせる額はある。


 ところで九十九を殺しても、本当にそれが九十九か見分けることが出来るのか疑問に思わないかい?


 疑問に思ったそこの君!冴えてるよ。

 僕も疑問に思う。


 ここからは僕の推測なので、信じずに聞いてほしい。そんな馬鹿なって思いながら聞いてほしい。


 多分、九十九は見分けることが出来る。

 それなりの検査をすれば、生きている間にも見分けることが可能だと思う。

 だけれども生きている間に見分けられたとしても、誰も検査に行かないだろう。

 何故だろう?


 何故だか分かったそこの君!

 いや、これは誰でも分かるかな?


 そう。見分けられたとしても意味がないからだ。

 だってそうだろう?

 検査に行って自分が九十九だと分かったならば、殺されること折り合いだし、九十九ではないと分かったところで、お金を取られるだけだ。


 分かったかな?

 九十九を見分けても意味がない理由が。


 ふぅ…。

 これでやっと本題に入れる。

 僕のクラス1-Aに九十九がいる。

 じゃないと、クラスメイトが二人も不自然死するわけがない。きっとこれからも、僕のクラスでは死人が出るだろう。


 この先は察せられるかな?


 うん、流石だ!流石僕の選んだ×××だ!


 さぁ、九十九を殺そう。

夏休みということで、1度他の作品を休憩してこのホラーを書き上げようと思います。

8月末には終わる予定です!

あんまり怖くないかもしれませんが、ヒヤッとしてもらえたなら、頑張った甲斐があります!

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