開店初!ご依頼はにゃぅぅ!
猫って、可愛いですよね。猫って、癒し、ですよね。私は半猫狂いの猫好きです。
……にゃぁ!
鈴の可愛らしい声が聞こえる。
………にゃ~にゃぁ!
歌ってるね。楽しそうに、わぁー♪ふあふあ。ネムネム。にゃん、にゃにゃんにゃぁぁぁ♪
(リィ……)
『…むにゃぁむにゃ。』
(リィ……さ……)
『んにゅ。にゃぁぁぁ。』
…………。
リ ィ リ さ ま!?
その後、スパァァァァン!と良い音が鳴った……
「っはい!こちら何でもかんでもお気軽解決!何でも屋、リィリですっ!………っん?」
「リィリ様。おはようございます。」
ニッコリと笑ったイスイがとてつもなく冷たい……。
「は、はい。おはようごさいます。」
「仕事中なのに、よく寝れましたか?仕 事 中 なのに。」
あうぅ。怒ってますね、これ。可愛いおめめが笑ってません……。やけに仕事中を繰り返してます。これ。
「反省文を書いて、トーモさんに提出。」
でも優しいトーモさんになら、怒られても痛くないかも知れません。
「はい……。」
「しっかりしてください。主様。」
「ごめんなさい。」
「でも、寝てしまうのも仕方ないよね。」
「トーモさん……」
やっぱり優しい!天使!可愛い!
「だって。人……来ないし……。」
『うぅっ……』
そう。何でも屋建設から丸々1週間……経ちました!その間に入った依頼は……なんと、
「依頼件数ゼロですものねぇ。」
「潰れちゃいますね、ここ。」
「うぅ……何でですかね?」
「…………チラシ作ろうかな。」
「それが一番良いのでは?」
ちなみに、イスイとアリビィにはちゃんと魔力をあげて、変化で人の容姿になってます。受付嬢だ!やったね!とアリビィはあっさり受け入れましたが、イスイは少し抵抗されました……なんでも、変化はイスイの魔力と合わないそうです。長時間となると、30㎏の砂袋を担いで、1時間位歩き回る位疲れるそうです。なので、交代制になってます。
「トーモさん、今作るんですか?」
「うん。早い方が良いと思うの。」
「そうですか?では、よろしくお願いしますね♪」
「お任せを!」
「主様!主様!そろそろお昼ですよー!ごはーん!」
「……アリビィ。」
空気と言うものを読めない子ですね。まぁ、ごはーん!っと飛んでくるなら仕方がないですね。
「あ、ごめんねアリビィちゃん。買い出しまだなの。」
「では、少し過ぎたら、買い出しに行きますか。」
『賛成!賛成!』
・・・商店街
トーモさんがチラシを作成した。配るついでに買い出しへ行くことになりました。場所は商店街!私は始めて商店街に来てみました!
ガヤガヤ………ガヤガヤ……………。
【いらっしゃい!みてらっしゃい!】
【安くしとくよー!】
【あ、そこのおにぃさん、おねぇさん!こう言うのはどう!?】
【アネモ!ネイイ、カワ、カワ! リチャ、ドゥ?】
【何?この人気持ち悪いわ。】
【……ほっといて行きましょうよ。】
【そーね。】
【がーん!……ぐすっ。】
と言う具合で賑わっています。中には外交の人かな?よくわからない言葉を喋ってますね。可愛いおねぇさんにフラれましたけど……。泣いてる…取り合えず、平和な様子です。
『リィリさまー?なんで実況っぽいこと言ってるのですか~?』
……聞こえてましたか?
『丸聞こえ~』
『アリビィが通訳したのですよ!』
わぁお。イッツア便利♪
「トーモさんは?」
「色仕掛けでチラシ配ってます!イスイもやりたいです!」
色仕掛け……?何か危なそうです。
「アリビィは変化して、イスイはそのままトーモさんについてって!通訳?で連絡とりましょ!」
『『了解です!』』
『……変化。』
ぼふっ。
おお!アリビィは ぼふっ。なのか!新発見!
『では行ってまります!』
「イスイ、言えてない……。」
『!ご、ゴホン。』
そうして商店街を去ろうとしたら……
「ラリナー?ラリナー!」
女の子が半泣きの凄い顔付きで叫んでますね。あぁ、周りの人が引いてます!意外と薄情ですね……。話しかけてみよ……
「どうしたの?」
あ。アリビィが先に行っちゃいましたね。しょうがないですね~。
「迷子なの?」
「っうぇ……?うん。」
「誰が迷子なの?」
「音猫のね、ラリナーっていう子なの。」
「それなら何でも屋さんに相談してみて!」
「何でも屋さん……?」
「そうだよ!」
アリビィ!あれやりますよ!
『え~やるのですか?ほんとに?』
つべこべいわずに!
「悩んじゃったら何でも屋!」
「お困りならば、何でも相談!」
「「こちらは何でも屋です!」」
決まった?
『バッチリです!』
「…………?」
ポッカァーンとしてますね。
「げほんっ!」
「ぁ。何でも屋さん!私のラリナーを探して欲しいの!」
「はい!ご依頼承ります!」
「じゃあちょっときてもらっていい?」
「?うん。」
噛まずにいけるかなー?
『我が望む大地へ!モイミガティー《テレポート》』
・・・草原(何でも屋前)
「とーちゃく!」
「……え?ってぇぇえ!?」
こっそり練習したかいがありましたね!ごっそり魔力持って行かれましたけども。
「どーなってるの!?」
「瞬間移動です!」
「あ、パパが言ってた!上位の魔法のやつ!」
『リィリさまいつの間に門番さんから魔法を教えて貰ったのですか?』
いや、オリジナル!
『え。』
「とにかく!中へどうぞ!」
「う、うん。」
「アリビィ、お茶とお茶請けお願いね♪」
「はいな!」
…………………………
「では早速!貴女のお名前は?」
「私?私はね。イルトナ。」
「えっとラリナーちゃん?だっけ?」
「うん、音猫のラリナーだよ。」
「どこで迷子になったの?」
「商店街のお菓子屋さんのね、隣の、空き地で遊んでたらね、いつの間にか居なかったの!」
「その時変な人とか見ませんでした?」
「んーとね、しゃべり方がね、面白い人!」
しゃべり方が面白い人?……んー?どっかで見たような見てないような?
「それってどんな感じのですか?」
「え?んーと。笑っちゃったらね、『ないにてるわら!』って!怒ってきたの!ビックリして魔法のどーぐで隠れちゃったの!プリプリしてたの!」
ないにてるわら?……なにわらてぃる!かな?よくわかりませんねぇ。
「お茶請けとお茶です!どうぞ!」
「わぁー!ありがとうおねぇさん」
「その人、どんな見た目でしたか?」
「もっんぐ。んっとね。赤色を黒くして、緑色を青にしたものもっててね、お目が黒くて頭が焦げた茶色!ほっぺも黒かった!真っ黒~!」
なるほど!外国人ですね!何故ならこの国に真っ黒なお肌の人は居ませんもの。ちなみに何故かこの国には白いお肌の薄めの顔立ちの人しか生まれないのです!イスイ曰く、
『魔力の巡回が良くて、居心地が良い環境で光の魔力が集まりやすいからです!』
と。言う事らしいですね。
「おねぇちゃん、ラリナー見つかる?」
イルトナちゃんが心配そうに見つめている。ここはお決まりのあの台詞を!
「大丈夫です!ちゃんと見つけます!」
「ほんと?」
「はい!では、ご依頼受け付けました!」
「やった!」
「では、おうちまで送ります。」
「お菓子屋さんの空き地が近いの!」
じゃあ空き地で決定ですね。では、
『我が望む大地へ モイミガティー《テレポート》』
―商店街/空き地―
「じゃあ、ラリナーちゃんが見つかったらベルをならすね。依頼した人に聞こえるベルだよ。こんな音。」
……リンリリリン
軽やかで涼しく吹雪く音が鳴り響いた。
「わかった!ラリナーのこと、絶対見つけて!」
「お任せを!報酬は達成したあとに貰うから、なにか考えてください!」
「うん!」
こうして初めての依頼ラリナーちゃん捜索を決定したのだった。