お店が開店?イスイともう一人の……?
結構掛かりました……その癖とくになんもないって……。
誰かに怒られそうな勢いです。
虚しい悲鳴の後、イスイはちゃんとジュースをもらって回復………しなかった★現在イスイはベッタリとリィリの肩に乗っかり、いかにも疲れてますオーラが出ている。もうお昼だったのから夜になってしまった。夜に出歩くのは危険で、さっきの二人はさっさと退散済である
「…………イスイ?」
『ううぅっ。』
「へ、平気か?」
『平気か?じゃ、無いです。酷いです。残酷です。幾ら魔力を使わないからって、やり過ぎてす。しかも、満足したらしたで、置くもの置いて先に行ってしまいましたし。あの人達の暖かい心は何処に……?』
「あ、まぁ。御愁傷様?」
『イスイは暫くリィリさまのポケットで休みます。』
「うん。お疲れ様、イスイ。ゆっくりやすんで?」
『はい。』
「まぁ、とりあえず、お店の報酬がまだだ。お手伝いを呼んでおいた。その子に指示と、契約をしとけよ?」
「わかりました、契約の仕方は…?」
「あ?そうか、商人の家の子供でな。安心しろ?女の子だ。まぁ、オマケも居るかもな。」
(話が合ってません。にしてもオマケ……?)
「女の子ですか。」
「そうだ、コレを渡しておく。とりあえずの宿と、契約の書類だ。本人にしか書けないからな。燃やしたり、水に浸けないでくれ?」
「わかってますって。大事に預かりますね。」
「まぁ、今日はお疲れ様だな。送ってやるよ。朝は早いからな?悪いが、私は門番があるため、その子に任せる。待ち合わせの場所は、今日と同じように王城に来てくれ。」
「はい、わざわざありがとうございます。」
「王命だからな。当然な事よ。」
「それでもありがたいです。」
「固いって、ねぇ。」
「そうですか?」
「まぁ、それでも良いところだ。」
「?」
「じゃ、そろそろ時間だ。じゃぁな。」
「はい。」
(…………話あんまり合ってませんでした。仕事ですもの、仕方ないです。とりあえずは明日に向けてお休みしますか。)
神殿跡/草原
ガザガサ。
ガザガサガザ。
『……プハァッ!……草原だぁ。にしても魔力が大きいなぁー。』
グルルルゥ
『あ、これは、何て言うんだっけ?でも敵意ムンムンだぁー!危ないなぁ。駆除しないとね。』
犬(?)モンスターが現れた!
犬(?)モンスターの攻撃!
???の攻撃
『もー。いったいなぁー!沈め。』
犬(?)モンスターが沈んでいった!
…………?と思ったら犬(?)モンスターが浮かんだ!
『意外としつこいんだね。じゃあ、』
???の攻撃!
『我、崇める神水子よ、その聖なる力を御貸しください。水脈陣!』
犬(?)モンスターの回りに荒波の渦ができ、犬(?)モンスターを飲み込んで陣を描いた!
『…………終わりかなっ★』
(はやく会いたいなぁー!おねぇちゃんに!)
次の日/早朝
『リィリさまっ!』
「んん?」
『朝です!おはようです!』
「ぅんにゅぅ~~。」
『……変化。』
ぽしゅっん。
「リィ!リ!さ!まっ!」
がぁぁぁぁぁん!
「はぇーーー!」
『寝起き悪すぎますよ♪』
「ふぁぁ。おはようございます。……眠い」
『もう一回やります?』
「いえ!結構ですっ!」
『そうですか?とりあえず、ご飯にしましょう。』
(冗談じゃない!鼓膜が裂けます!)
月野原/食堂
「おはようございます。」
「はい、おはよ!サンドウイッチでいいかい?」
「はい。おねがいします。」
「朝から固いねぇ。」
「そうですか??」
「あぁ、固いねぇ。」
「……?」
私が固まっていると、女将さんが、呆れ通り越してガックリと
「わかんないのかぁー!」
『わかんないのですぅー!』
「何がですかぁ???」
「あっははは!そりゃそうかい!」
「むぅー?」
解せませんね。
『うぅ、さっきから良い匂い……お腹空きます……。』
「そうですね。」
『私もお腹空きましたぁー』
「本当です。」
……10分後
「はいよー!サンドウィッチ、おまたせ。今日はモーヴ〔小型のウシ〕のお肉だよ。朝型のアッサリシャッキリサンドウィッチ!」
「わぁー!」
『やったぁー!』
『やっとですー!』
…………ん?
『『いただきまーす!』』
『『しゃきしゃき、モキュモキュ。』』
『『ごちそうさまでしたー!』』
明らかに居ますね。
「い、イスイ……その子は?」
(私のサンドウィッチ食べられた……。)
『へ?』
『ん?どうしたの?おねぇちゃん。』
あれ?おねぇちゃんん?
「へぇ?」
『あ!』
『むぅ?』
『きゃぁー!アリビィ!』
『うん!アリビィだよっ!』
「ナチュラルに入ってきて、おねぇちゃんって、イスイに姉妹……。」
『違いますよぉー!ちゃんと弟、妹がいます!』
『でもでも!おねぇちゃんが知ってるだけの人数でしょ?』
『あ、それもそうか。多分、私にもおにいちゃんおねぇちゃん居るかもです。』
「はぁ。」
一体……何人の兄姉妹弟なのでしょ?
『アリビィ』
『はいっ!』
おおー。なんか、イスイがしゃきん!ってしてる。
『主様のご飯はどうしましょう?』
『あ!やってしまった!』
アリビィがこちらを向いて、
『神聖なる御子様、この度は無礼を誠に申し訳ございません。この賢者ガナルムー・クルの配下、ガナルムー・ノルク・アリビィ主様の配下として、置かせて頂きます。』
ほほぉーなるほど、わからん。
「え、えっと……」
『つまりは、リィリさまへの無礼と、魔力をチョーダイして、配下になることを許してほしいんだって。』
「ほうほう。どうやるの?」
『取り合えず、ご飯を食べましょう。』
「そうですね。」
………ビッポッパッポッ♪
『先ほどは失礼しましたなの!』
「良いんですよ?別に。」
『怒ってませんの?』
「はい。」
ニコッと笑かけてみた。アリビィもニコォッと返してくれた。イスイにはちょっと似てる気がする……
『あぁ!リィリさま!リィリさまッ!』
「?」
『時間がないですよー!』
『時間ちりちりーん?』
「そうだね。イスイ、お代払っておいて?」
『わかりました!……変化。』
ぽしゅん。
「では、お任せください。」
「行ってきます!」
神殿跡/草原
ガラゴロ、ガラゴロ荷車を引くおにいちゃんを私が手伝って、いつものようにあのバカが先に走ってモンスターを倒していく。
(戦っているのがあんなに格好いいから、直視できないよぉ……。ぅぅ、もうだめ!)
「アールッ!そんなに速く行ったらはぐれるよぉ!」
遠くに向かって叫ぶ。心配だよー。
「はぁ?それは俺の勝手だろー!」
「まぁ、まぁ。喧嘩腰になってるよー?」
「別になってねぇ。」
「そう?」
別に、心配な訳じゃ、ないし、別に、心配な訳じゃないんだからね!うん。ただ、バカが勝手にやってるんだもん。危ないから、仕方ないのよ。
そんな風に悶々としていると、目的地に近付き、普通に着くかと思った、でも荷車がこけてアールからノーボ、私の順番で転がり込むように飛び出してしまった。その先には可愛い少女がいた。容姿は汚れているけど、磨けば綺麗な女の子だった。こちらに気が付いたらしく、あわてて避けて、近づいて来た。ちょっと安心した。
「あっ!」
「「 …………。」」
「君が依頼人かな?」
「はいっ!そうです、リィリといいます!」
「僕はノーボ、こっちが妹のトーモと、友達のアール。」
「よろしくな。」
「はじめまして!」
************
自己紹介が終わって、店の取りかかりに入った。設計をして、後は神殿跡地の魔力を使って造るだけ。簡単作業だ。ちょっと拍子抜けしちゃうなぁ。
「じゃぁ、いくよ?」
「お願いします!」
「本来は皆で詠唱するけど、今日は頑張って私がやるね!」
「静かにしててね?変な風にならないように、」
「噛むなよー?」
「もうっ!アール茶化さないで静かに!」
「ハイハイノーボもキツいなぁ~。」
「今度こそいきます!」
我等、望む、新たなる神殿を創造したまえ。想像の神の継承なる、巫女を捧げる。今巡り行く力を与えん。
詠唱がチカチカ光って形になっていく。やがて実物化して設計通りの建物が出来上がった。
「もう良いよ!」
『すごいでしゅ!』
イスイ、いつの間に帰ってきたの?噛んでるよ?
『さっき来まちた!』
そう。お疲れ様。
『はい!』
「流石ですね、全く動かずに造っちゃいました。」
「まあ、これが仕事ですから」
えっへんっ!とまんざらでもなく照れてます。イスイに関しては、……気にしないで置きましょう。
絶賛しながら、興奮して噛みまくってるイスイを横目に、何処からかくる嬉しさを私はゆっくり楽しんだ。そして、大きな声で、
「営業開始!エイ、エイ、オーーー!」