12の都市と神々
すこしお話が中途半端になっちゃってますがご了承ください。よろしくお願いします。
「商業都市フィレムってどんな所なんだ?」
洞窟から離れ、自分の腹の辺りまで生えている草むらを掻き分けながらこれから目指す場所についてノアに尋ねる。
「商業都市フィレムとはこの大陸『アルス』にある12の都市の一つですね。名前の通り商業が盛んで人の行き来が最も激しい都市です。理由としてはこの都市を納めている神『ルスト』と『ルクス』が商業と交流を司っている為です。」
神!?神が都市を納めているのか?てゆうか神様ってそんな身近に居るもんなの?
「12の都市はそれぞれの神によって統治されています。豊穣都市アルゴはアリエスに、闘技都市エウロはバランに、技術都市カルノスはキャンサーに、帝国都市レグルスはレオに、信仰都市コレーはセルピナ、審判都市ブラキウムはリブラに、崩滅都市アンタレスはアルニャ、狩猟都市タリウスはケイロン、魔術都市コルヌスはギパーン、水上都市メリクはエリアス、幽幻都市アルシャにはディーテとエース、そしてこれから向かう商業都市フィレムというわけです。」
12の都市に12の神々…なんか12星座みたいだな。神々の名前にも聞き覚えのあるものが多い。
「加護っていうのはどんな効果があるんだ?それって俺も貰えたりすんのかな?」
加護…俺の考えてる通りならそれはもう胸踊る存在だ。身体能力の上昇に武器を産み出す能力、相手のスキルを奪う能力。異世界にいる以上そういったものがどうしても欲しくなるものだ。
「………」
?どうしてノアは何も言わないのだろうか。
はっ!何か嫌な予感がする…
「マスター。残酷な事を言うようですが…その…神々はこれまで人間にしか加護を与えた事がありません…」
「oh my God!!!!」
頭を抱えながら叫ぶ。
此の世の神は死んだ!!!
魔法も使えない、加護も貰えない。挙句の果てには身体も無い。異世界要素ゼロじゃないですかい!?
「マスター。お気持ちは察しますがこればかりは…」
俺の心情を察してかノアが心配そうに声をかけてくる。
分かっている…分かってはいるのだ。だがこればかりは…
「マスター!神々も今まで人にしか加護を与えた事は無いかもしれませんがマスターの事情を知ればきっと加護をくださいますよ!諦めないで邁進しましょうマスター」
ううっ、なんて優しい子や…
こんなダメなマスターを気遣ってくれるなんて…
しかし、そんなノアの優しさにいつまでも甘えている訳にもいかない。『ノアの断章』を探すと決めた以上は、全てを見つけるまで足を止めることはできない。
「いろいろ納得はいかないが、気を取り直して行くか…」
俺はまた歩みを進める。未だ街道にすら辿り着けていないのだ。こんな所でモタモタしていられない。
『がさっがさっ…』
むっ!魔物か!?と辺りを見回すが自分が歩いてきた場所に生えていた草以外特に目立った動きは無い。
「私の方でも気配が感じられませんマスター」
むぅ…ノアでもダメか…と思ったその時、目の前に生えていた草が姿を消し、その空間には黒塗りでゴツゴツした宝箱が置かれていた。しかも…なんかガタガタ揺れている…
「放置の方向で」
「同意ですマスター」
そして、その宝箱を迂回して進むとまた目の前に宝箱が現れる。正直しつこい。すると宝箱は
『開けろよ』
と訴えてきた…
はぁ…また面倒そうなのが来たもんだ。
そうして俺は再び宝箱を迂回する。
「はぁ…何時になったらフィレムにつくのかねぇ?」
まだまだ旅は長くなりそうだ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。こらからもこの位の頻度で更新していこうと思いますのでよろしくお願いします。