思いがけない一撃
「勝てるか!んなモーーーン!」
魂の叫びだった…自分の倍以上もある化物に素手はいかんと思うのだよ!
「ベヘモスですか…珍しいですね。」
ノアは冷静に相手を分析しながら俺に問いを投げかける
「何故逃げるのですかマスター?あの程度の敵問題無い筈ですが」
心底不思議そうにノアは聞いてきた
「メンタルの問題だ!あんなん勝てるか!」
基本的に人間が勝てる動物とは精々大型犬程度が関の山だ。それが自分よりもでかい、しかも攻撃的な動物に武器も無しではやる気も削がれるのは仕方ないと思う。
「マスターあんな物はその辺のチンピラと変わりありません。寧ろ手加減しなければ死んでしまうチンピラの方が厄介だと言っていいと思われます。」
やだ、この子怖い!予想外にバイオレンスな例えに少しぞっとする。
「あんな物、近づいて来たら鼻先を殴りつければいいのです。マスターの力なら相手は次の瞬間には肉塊ですよ」
俺はどこのケ○シロウだ!!一体どこからそんな自信が来るんのか?ノアが少し心配になる…
「分かったよ…やるだけやってみよう。どの道あいつは倒さないと出してもらえそうにも無いからな。」
洞窟の入り口付近を見るとベヘモスが洞窟を破壊せんとばかりに暴れている。
「その意気ですよマスター。さぁあんな小物蹴散らしてしまいましょう!」
ウチのサポーターは血の気が多いな…
ノアの声に励まされながらクラウチングスタートの姿勢をとる。作戦はいたって簡単。ただ目の前まで走りぶん殴る。ノアの言葉を信じればワンパンでいいらしいのでこの作戦にかける。
「ベヘモスが首を突っ込んだ瞬間が勝負ですよマスター」
ノアの言葉に頷き、相手を観察する。
洞窟に入れない為、手を入れて中身を掻き出そうとして暴れている。
「ウォォォーーーン!!」
待ちきれなくなったのか、ベヘモスが吠えながら首を突っ込んできた!!
「今だ!!!」
足に力を入れる。爆発的な加速で一気にベヘモスの鼻先に近づく!
「往生しやがれーーー!!!」
拳を振りかぶる。完璧にベヘモスの鼻先を捉えるコースに入っている。
そしてベヘモスの鼻先に俺の拳が触れた。
ひしゃげるベヘモスの口元。そのまま拳を振り抜くと、ベヘモスの巨体が洞窟の外に押し出されていく。
「まだダメか!?ならもう一発!」
ダメージが足りなかったのか?口元は完全に潰れているがまだ持ち直しそうな気配がうかがえる。
「相手はもう再起不能ですマスター」
ノアの声に足を止めると、ベヘモスが急に震えだす。
まさか…メテオか!?
思わず身構えると、ベヘモスは「パァァン」とゆう音とともに霧散する。
拝啓親友達よ…どうやら俺はケン○ロウになった様です。
ベヘモスさんワンパンです
ベヘモスさんの後は都市部を目指して冒険ですね!
次回「12の都市」
ほぼ説明回になりそうです