真面目に合同で章 (スプリング&ソフィア編)6 蘇る感情
ガイアスの世界
生と死の狭間の記憶
意識を取り戻し目覚めたスプリングはどうやら生と死の狭間の記憶を覚えていないようだ。
ポーンが覚えているのかは不明。
真面目に行動で章 (スプリング&ソフィア編)6 蘇る感情
剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス
― 小さな島国ヒトクイ ガウルド 転職場 ―
「……確かにスプリング=イライヤさんの現在の戦闘職は拳士で間違いありませんが……?」
ヒトクイの中心都市であるガウルド。そのガウルドの一角にガウルド城の次に目立つ建物がある。人々が自分の戦闘職を変える場所、転職場である。ヒトクイの中心都市ということもあり転職場の大きさも他の町に比べ大きくそして何より人の往来が激しい。
そんな人でごった返す転職場の受付にはズラリと人の列が出来ていて、現在早い者でも受け付けに腰を下ろすのに十五分はかかるようであった。その受付の一つに比較的早い時間で腰を下ろすことが出来たスプリングは、目の前で自分の担当をしてくれている職員の言葉にガクリと肩を落とした。
「あ、あの……」
戦闘職とは自らの意思で選ぶもので、他人の介入によって選ばれることは特例を除き有り得ない。従い自分の戦闘職は一体何ですかなどと聞きに来る者は早々いないはずである。いるとすれば自分の事が全く分からない記憶喪失になった者ぐらいであろう。だが目の前の珍客は自分のフルネームをしっかりと口にしている時点で記憶喪失の線は無い。それ以前にスプリングとは顔見知りである職員は、突然訳の分からない事を言いだしたスプリングにその理由を尋ねようとしたのだが、自分の言葉によって落胆するスプリングの姿に一旦言葉を飲み込んだ。
「え、えっと、とりあえず私、イライヤさんが魔法使いに転職されていたとは驚きでした……」
一旦話を変えようと職員は手元にあったスプリングの戦闘職の経歴が書かれた書類に目を通しそれを話しのネタにした。
スプリングが新米剣士の頃からの付き合いで職員は、当然スプリングが剣聖を目指していることを知っている。だからこそ手元にある書類に魔法使いという文字が書かれていたことに驚いたという感想を添えた。
「あ……ああ……はい」
きっと魔法使いになった経緯を話してくれると思っていた職員は素っ気ない返事しか返ってこなかったスプリングの様子に切り替えた話題が悪かったと更に慌て話のネタになるものはないかと再び書類に目を通す。
「……えーと、あ! ポーン支部で魔法使いに転職したんですね、だから私イライヤさんが魔法使いになった事知らなかったんだ……ポーン支部ってかなり辺境にあるからイライヤさんかなり遠出なされたんですね」
手元の書類にはスプリングが魔法使いになった場所がポーン支部と書かれておりなるほどだから自分はスプリングが魔法使いになった事を知らなかったのかと納得しながら、その場所が辺境の地にありスプリングがかなり遠出したという事実を確認する。
「はぁ? ……ポーン支店?」
職員の言葉にスプリングが首を傾げる。
「あ、あそこってリゾート地でもあるんですよね、どうでした? いいところでしたか?」
なぜ首を傾げたのかは分からないが今まで暗い表情で沈み込んでいたスプリングの表情に僅かな変化があった事を見流さなかった職員は、ポーン支部の話題はいけると感じ瞬時にポーン支部がリゾート地にあるという内容で話を広げていく。
「……ポーン……?」
「はい、ポーン支部の感想を……」
ポーン支部があるリゾート地の感想を引き出そうとする職員。だがスプリングが口にしたポーンとはポーン支部の事では無く職員に対して向けた言葉でもなく現在スプリングの腰に鎖で吊るされた打撃用手甲の名であった。
《……これは転職場の者達が主殿の転職を不審がらない為の処置だ、まさかリゾート地に転職場があることになっているとは私も驚きだが……》
ポーン支部の経緯を説明する声がスプリングの腰に吊るされた打撃用手甲から響く。その声はスプリングの目の前に座る職員には聞こえないのか、ジッとスプリングがリゾート地の感想を話すのを待ち続けている。
その声の正体は、自我を持つ伝説の武器ポーンであった。
「……本当、お前は何でもありだな……」
「え? 何ですか?」
感想を述べたかと思えば全くリゾート地とは関係の無い言葉を呟いたスプリングに首を傾げる職員。何とも言えない表情を浮かべそう呟くスプリング。
「ああ、いや……分かりました、ありがとうございます」
職員との話を切り上げ受付の席から立ち上がったスプリングは、自分の担当である職員に礼を述べると出口に向かって歩きはじめた。
「あ、あのイライヤさん……どうしちゃったんだろうイライヤさん」
明らかに様子がおかしいスプリングに心配になる職員。しかしすぐに次の戦闘職の者が席に付き転職の相談を始めたため職員はスプリングを気にすることが出来ず目の前の戦闘職の話に耳を傾けるのであった。
「まさかこの世にお前の名が付いた転職場があるとは……」
転職場の大きな門をくぐり外に出たスプリングは、ポーンの得体の知れない能力をまた新たに垣間見たとわざとらしく驚きながら腰にぶら下がるポーンに話しかけた。
『実際にある訳では無い、主殿の転職を不審に思われない為の処置と先程説明しただろう……』
そんなに邪険にしなくてもいいでは無いかと言いたげなポーンはあくまでスプリングのためだと主張する。
「凄くいいリゾート地らしいぞ、ポーン支部がある場所は……一度は行ってみたいもんだな……」
それでもスプリングは無駄口を叩きながら人が行き来する波の中に紛れ込んでいく。
『まだ言うか……何度も言うが、私の行動は全て主殿の事を思ってのことだ』
いい加減自分の思いを分かってくれとスプリングの態度に半ば呆れながら再度そう主張するポーン。
「だったらまず勝手に俺の戦闘職を転職させてしまうその能力をどうにかしろよ」
結局スプリングが行きつく先はそこであった。
自我を持つ伝説の武器ポーンは数々の特殊能力を持っているがその数ある特殊能力の中で最も目立つのが、転職場の手続きを省き瞬時に所有者の戦闘職を転職させることが出来る戦闘職変更であった。
しかし本来任意によって変更が可能であるはずの転職職変更は、ポーン自身の原因不明の機能不全によって制御できない状態にあった。その影響でスプリングは二度に渡る望まない強制転職をさせられていたのだった。
ここ最近やっと魔法使いにも慣れてきた所と言う所での二度目の強制転職は、流石のスプリングでも心が挫けそうになっていた。
まだ幸運だったのは、転職した戦闘職が近接戦闘を得意とする拳士であった事と、魔法使いの熟練度が満期を迎えており初級を無事クリアしていたという所であった。
拳と剣という違いはあるものの拳士はスプリングが目指す剣聖と同じ近接職に属している。近接職である以上、戦闘で得られる経験には近いものがあり、剣聖への道の妨げになるものばかりでは無かった。
そして魔法使いに関しては魔法使いとしての熟練度が満期に達していたことで他の戦闘職に転職したとしても覚えた魔法や簡単な魔法ならば扱える状態にあることであった。
個人が持つ魔法使いの素養によって使える魔法の限度や種類、数などは変わってくるが、己自身の身体能力を強化する魔法や敵の行動を妨害する魔法など他の戦闘職でも十分に活用できる魔法を会得することが出来る。そういった便利な魔法を習得する為に魔法使いの初級の熟練度だけは満期にする者が多い。それ故にガイアスに存在する初級魔法使いの熟練度が満期になっている者達の数は気軽になれるファイターなどの下位戦闘職に次いで想数が多い。
そんな魔法使いには厳しい精度が存在する。もし熟練度が満期に達しておらず他の戦闘職に転職した場合、再度魔法使いに転職した際には今まで積み上げた魔法使いの熟練度はゼロに戻りまた一からのスタートになるからだ。
今まで魔法の魔の字も知らず、魔法使いなる予定も一切無く、魔法使いという戦闘職に苦手意識すらあったスプリングにまた一から魔法使いをやり直すというのは無理な話で勘弁してほしい状況であった。
『そうは言われても仕方ない、原因が全く分からないのだ』
不具合の原因が全く分かっていないとはっきりと言い放つポーン。
「仕方ないだと!」
自分の体に起る不具合によって迷惑を被っている人間がいるというのに全く詫びる様子が無いポーンに対して怒りが込み上げるスプリング。
『ま、まあここは前向きに考えよう、魔法使いに比べれば主殿が望む近接職だ、きっと得る物も多いはずだ』
「チィ……あーあわかりましたよ」
言葉とは裏腹に態度では納得していない事を現すスプリング。だが自分が何を言おうともポーンのこの性格は変わらないとここ数カ月の付き合いで理解したスプリングは、会話を即座に切り上げるとガウルドから外にでる為の出入り口を目で探す。
「たしかソフィアは北側の草原にいるって言っていたな……」
そう言いながら北側と書かれた標識を見つけたスプリングは、その標識が示す方向にあるガウルド北門の出入り口へと足を進めていくのであった。
― ガウルド外 北の平原 ―
少し用事があるから一緒にはいけないと転職場へ向かうスプリングに同行することを断ったソフィアは、町の北側にある平原で待っているから終わったらきてと言い残しスプリングよりも先に安宿を出ていった。
わざわざ町を出て何も無い平原で待ち合わせるのかといささか疑問ではあったが、スプリングはその場では訳を聞かず軽く頷きソフィアとの約束を承諾していた。
「……それで、何でこんな場所に呼び出したんだ?」
柔らかく気持ちいい春の風が吹き生い茂る草を揺らす草原に辿り付いたスプリングは、平原にポツリと立つソフィアの姿を見つけるとゆっくりと歩みよりなぜこんな場所に自分を呼んだのかその理由を聞いた。
「……スプリング……」
スプリングの声に振り向いたソフィアの表情は安宿の時とは違いどこか深刻にも見える張りつめた雰囲気を持っていた。
「……今から私と勝負してくれない?」
「……勝負?」
突然ソフィアの口から発せられた勝負という言葉に少し困惑するスプリング。
「……ああ、勝負って例の約束か?」
だが瞬時にソフィアが何を求めているのかスプリングは理解しそれを口にする。スプリングとソフィアの間で交された約束とは、ソフィアが真っ当な戦闘職に就いた時、スプリングと勝負をして勝つことが出来れば自我を持つ伝説の武器ポーンの所有権をソフィアに渡すというものであった。
「いや、だがあれは……」
スプリングにとってはポーンを渡せとしつこく迫ったソフィアをなだめるための軽い冗談のつもりだった。それにそもそもソフィアは既にその約束を果たすことが不可能である事を知っているはずだと思うスプリングは更に困惑した。
『……ソフィア殿、その件についてなのだが……』
「いいから、私と勝負してくれるの? してくれないの?」
言葉に困るスプリングに変わり自分の所有権を移すことが出来ない事を説明しようとするポーン。しかし説明しようとしたポーンの言葉を遮りソフィアは、スプリングに勝負するのかしないのか迫った。
「……ソフィア……?」
勝負を必要以上に迫るソフィアの表情には焦りの色が見える。様子がおかしいソフィアに首を傾げるスプリング。
「……それでどうなの?」
再度自分との勝負を受けてくれるのかどうかをスプリングに尋ねるソフィア。
「……分かった、その勝負受けてやる」
追い詰められているようなソフィアの表情にスプリングは何かを感じたのか勝負を受けることを承諾し頷いた。
「……ありがとう……」
安宿でスプリングが目覚めた時に見せていたものとは明らかに様子が違うソフィアは、低い声でスプリングに礼を言うと細身の剣を鞘から抜き両手に持ち戦闘態勢に入った。
《主殿、どう考えてもソフィア殿の様子がおかしい》
「ああ、分かっている……」
スプリングにしか聞こえない特殊な声でそう告げるポーン。その言葉に頷くスプリングもソフィアの様子がおかしいことを理解している。様子がおかしいソフィアを前に真剣な表情で対峙するソフィアを見つめた。
「それじゃ行くよッ!」
両手の拳を構え戦闘態勢に入ったスプリングを確認したソフィアは、勝負の開始をスプリングに告げると前へと飛び出した。スプリングに狙いを定められないよう元盗賊の軽やかなフットワークを生かし右へ左へと素早く移動しながら細身の剣が届く間合いに入り込む。スプリングは左右に動きながら迫ってくるソフィアの動きをしっかりと目で追いながらソフィアが間合いに入るタイミングを狙っていた。
しかし最初の攻撃のタイミングを手にしたソフィアであった。スプリングの目の前に姿を現した瞬間、もう一度左右に短く動きスプリングに揺さぶりをかける。目が良い分、その動きを目で追ってしまったスプリングはソフィアが既に攻撃態勢に入っていることに気付くのが一瞬おくれてしまう。その隙を狙いソフィアは鋭い突きをスプリングに向けて放つ。いや放つつもりだった。だが放つ瞬間突然脳裏に過った光景が突きを出そうとしたソフィアの手を止めさせた。
「?」
放つ段階で突然硬直したソフィアに首を傾げるスプリングは、一旦距離をとるようにソフィアから離れると硬直が解けたソフィアの様子を観察する。
「くぅ……」
まだ一撃たりとも攻撃を受けていないというのに苦悶の表情を浮かべるソフィアは、距離が開いたスプリング対して再び右へ左へと移動しながら迫る。今度は上段から斬り下ろそうと細身の剣を振りかぶるソフィア。だがそのソフィアの攻撃に対して何かを感じたスプリングは一切動かずソフィアの攻撃が来るのを待った。
しかし振りかぶった細身の剣はスプリングに辿り付くことは無かった。ソフィアが細身の剣を振り下ろそうとした瞬間、再び先程と同じ光景がソフィアの脳裏を過り再びその手が止まってしまったからだ。
「……」
二度も同じタイミングで動きを止めれば余程のヘタレでない限りその隙をついて攻撃を仕掛けるのは当然のことである。スプリングは動きを止めたソフィアに対して右の拳をコンパクトに軽く振りかぶった。
(ダメ打ち込まれるッ)
そう思った瞬間ソフィアは、迫りくるスプリングの拳に目を瞑っていた。
「……」
だが何時までたってもスプリングの拳の衝撃がやってこない。その代わりにやってきたのは拳によって発生した微かな風圧だけであった。
どうなったと思いながらゆっくりと目をあけるソフィア。そこには顔ギリギリで届いていないスプリングの拳があった。
「……今のお前とは戦えない……」
ソフィアの顔ギリギリの所で拳を止めていたスプリングは、その拳を下ろしなが背を向けた。
「……」
勝負が始まりスプリングに攻撃するタイミングが二度もあったというのに体が思うように動かなかったこと、そしてスプリングが放った拳に対して防御する訳でも回避する訳でもなく目を瞑って何も行動出来なかったという事実にソフィアは手に持っていた細身の剣を地面に落とし自分も膝から崩れ落ちた。
「……何があったソフィア?」
まるで剣を振う事を躊躇しているかのようなソフィアの戦い方にスプリングは何があったのかを尋ねた。
「……私……ダメみたいなんだ……」
「ダメ?」
茫然とした表情で地面を見つめるソフィアは、自分に背を向けたスプリングにかき消えそうな声でそう呟いた。
「昨日、意識を失っていたスプリングを……宿に運んでいる最中に……路地裏で獣人に襲われたんだ……」
「……」
その時の光景を思いだすように、だがその光景を思い出したくないという感情がソフィアの言葉を濁らせる。
「わ……たし……私……その獣人達を殺しちゃったんだ……」
流れ出す涙によって言葉を詰まらせるソフィアは吐き出すようにスプリングに自分が罪を犯した事を告白した。
「……もう何も言わなくていい……」
スプリングはそう言うと震えるソフィアの体を優しく抱き寄せた。
「私……私ねスプリング……相手の命を絶つって言う意味をちゃんと理解してなかった……分かってなかった……こんなに苦しいなんて知らなかった……どうしよう……どうしよう……心が潰れちゃいそうだよ」
町の外や遺跡で遭遇する魔物とは明らかに違う、意思疎通が出来る種族を殺してしまったという罪の意識に心が押し潰される感覚。これは戦闘職であれば遅かれ早かれ誰もが味わう感覚である。
戦場に出ていたスプリングも初めて敵である人を切り殺した時は、罪の意識に心を押し潰されそうになりそれから数日まともに眠ることが出来なかった。
だがそれでもスプリングはその罪の意識を、戦場という常に命のやり取りが行われる場所を日常とすることによってその罪の意識を克服した。
それが正しい事だとは思わない。だが戦闘職である以上、その罪とは死ぬまで付きあっていかなければいけないのだとそうスプリングは覚悟を決めたのだった。
「ソフィア……悪い……お前の心が抱くその罪の意識を俺は取り除くことが出来ない……これはお前自身が自分で答えを見つけるしかないんだ……」
自分の経験を踏まえたうえでそうソフィアに答えるスプリング。
「……ただ、お前の行動によって俺は今生きている……」
抱きしめていたソフィアから体を離したスプリングはソフィアの顔を自分に向けると自分の胸にソフィアの手を当てた。
「お前が俺を守ってくれたという事実がここにある」
トクントクンというスプリングの鼓動がソフィアの手に伝わる。
「……その……守ってくれてありがとうな、ソフィア……」
柔らかく微笑みを涙で頬を濡らすソフィアに向けるスプリング。
「……うぅぅぅ……ぅぅぅうん……」
スプリングの言葉によって僅かに自分の心を押し潰そうとしていた罪の意識が和らいだように感じたソフィアは泣きながらも僅かに頬を吊り上げ微笑する。
「……」
スプリングはソフィアの微笑を目にすると再び優しく抱きしめた。だがソフィアを優しく抱きしめた両腕に反してスプリングの表情は何かを堪えるような厳しく歪む。
命を絶つ行為、その行為が他人の裁きによって正当化されたとしても心にはけして消えない罪の意識が纏わりつく。そのことを罪の意識に押し潰されそうになるソフィアの姿によって思いだすスプリング。
ソフィアの問った行為は確かに相手の命を絶ちはしたが他人を守るための行為であり、けして後ろ指をさされるようなものでは無い。胸を張っていいとさえスプリングは思った。
だが次の瞬間、スプリングは考えてしまった、それなら自分はどうなのだろうと。
俺は誰かを守る為に剣を振ってきたか?
違う
なら、俺の剣は何のために命を絶ってきた
夢のため
何と自分の剣は身勝手で我儘で醜いのだろうと思うスプリング。誰かを守るわけでも無く己の夢を貫き通す為の剣でしかない。だがスプリングには身勝手で我儘で醜くとも貫き通さなければならない理由があった。
剣聖になるという夢、しかしスプリングの夢はそこで終わりでは無い。いやそれは恨みと怒りにまみれた夢とは名ばかりの感情。スプリングが剣聖になりたいと思う理由、ならなければならない理由、それはある男を殺す為の力を手に入れる為、復讐を果たすためであった。
剣聖の先にある復讐を思い出したスプリングは、その腕で優しくソフィアを抱きしめながら、復讐に心を再び強く燃やすのであった。
ガイアスの世界
剣聖という夢に隠された復讐
剣聖になりたいというスプリングの夢、だがそれはただの夢では無かった。
幼い頃のスプリングはとある事件をきっかけにある男に復讐することを決意する。復讐する為に力を求めたスプリングは、憧れと力の象徴であった剣聖になることを決め旅立ったようだ。




