真面目に集うで章 35 決まらない決着 決まる決着
ガイアスの世界
魔王の存在
ガイアスの世界にはその歴史の中で何度か魔王と呼ばれた存在が出現している。
しかし現在比較的平和を保てているということは、そのすべてが何もかの手によって倒されているということになる。
魔王といってもピンキリであり、世界を脅かす魔王もいれば、小さな小国で国々の者達を苦しめる独裁者を魔王と総称する場合もある。
世界を脅かす魔王の場合、魔王になる者には何等かの素質があるようで、それは異世界からやってきたユウトのように強大な力を持って生まれてくると言われている。
だがそれは逆に言えば勇者になる素質であるということであり、勇者と魔王の素質はほぼ一緒であり、生まれてからの環境によって変化するのではないかとも言われている。
真面目に集うで章 35 決まらない決着 決まる決着
剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス
小さな島国ヒトクイの王が住まうガウルド城の城下町、中心街からから少し離れた場所では、『聖』の力と『闇』の力を持った者達の戦いの火蓋が切られていた。
無人と化した突如として爆音がしたかと思うと、そこ一帯は『闇』の性質を持った闇の炎で火の海と化していく。爆音はとまることなく、黒い火柱が至る所で立ち上がった。その中心には炎のように燃え盛る『闇』を纏ったスビアの姿であった。
「ド派手にぶっ放すなよな!」
すでに聖狼の姿となっていたガイルズは、スビアの放つ闇の炎、闇炎球によって焦げてしまった尻尾に息を吹きかけながらスビアに文句をたれる。
しかしとうの本人であるスビアはガイルズの文句に何も答えず、その代わりに闇炎球をガイルズに向けて放ち続ける。当たれば即座に蒸発するのではないかという威力を持った黒炎球を避けながらガイルズは自分を狙い撃ちにしているスビアの姿を見つめる。
「一体なんだ? ……死神から変な石を渡されて、突然光だしたと思ったら……体中に闇を纏いやがって……力が各段に上がってやがる」
闇歩者スビアは、突然現れた死神に石を手渡され何かを呟いた途端、光というには禍々しい輝きを放った何かに呑み込まれ、気付けばそこには闇を纏ったスビアの姿があった。
しかしその『闇』はスビアの体を侵食していくように膨れ上がっていき、もうそこにスビアという者の姿は無く今ガイルズの目の前にいるのは、『闇』を纏った化け物とでも言えばいいのか、とにかくそのような形容しか出来ない姿へとスビアは変貌を遂げていた。
その姿は明らかに理性が感じられず、目に着いたものをとにかく闇炎球で燃やし尽くす破壊衝動だけが残った破壊の獣であった。
「おいっ! 俺はな、戦いは好きだがこんな獣臭い戦いは好きじゃねぇ、俺達は知性がある生き物なんだからよ、もっとこう、おわっ!」
ガイルズの言葉が全く届かない『闇』の獣と化したスビアは容赦なく闇炎球をガイルズに放ち続ける。
「だぁ! 全く聞こえてねぇな、このガキが! ぶっ殺すぞ!」
段々イライラしてきたガイルズは、体に生えた銀色の毛をとがらせ闇炎球に放つ。すると闇炎球はあっさりと打ち消される。
「んっ?」
ガイルズは自分の放った攻撃で、スビアの放った闇炎球をあっさりと打ち消した事に違和感を持った。
ガイルズの持つ聖狼という力は『闇』の力を持つ存在、主に夜歩者を倒すために数百年前の人々が作り出した対夜歩者兵器である。
それ故に『闇』の力を持つ者に対しては絶対の力を持つのだが、今ガイルズの目の前にいるスビアであった者は、夜歩者の上位存在、聖狼を倒すために作られた、闇歩者である。
以前ガイルズとスビアがガウルド墓地で戦った時はスビアの圧勝であり、ガイルズは手も足も出なかった。以前よりも強くなっているとはいえ、その程度で埋まるほどの実力差ではないはずであり、そこにガイルズは違和感を持っていた。
ガイルズは、それ以降もただ破壊衝動のみで動く『闇』の獣と化したスビアの攻撃をその俊敏さと銀色の毛を飛ばすことによって次々と回避していく。
「どういうことだ……これならよっぽど理性を持っていた時の方が、歯ごたえがあるぞ」
確かに攻撃の頻度が高すぎて、防戦一方になっているガイルズではあるが、そんな事些細な事であった。なぜならまだガイルズは本気を出していないからだ。
「なるほどな……」
ガイルズは攻撃を続けるスビアを見てなぜ変異する前よりも力が弱っているのか理解した。
息をつかせぬほどの勢いで攻撃してくる『闇』の獣と化したスビア。確かにそれは驚異だ。しかしそれだけなのだ。今のスビアは理性が無く、考える事をしない。それはただ本能で戦っているだけに過ぎない。今のスビアには『闇』の力を最大限に引き出せる力はあるが、それをうまく操る理性が無い。
「チィ……そうじゃないだろ!」
吠えるガイルズは手に持っていた特大剣を投げ捨てると、幾つもの闇炎球の間を縫って『闇』の獣の喉元を鋭い爪で切り裂いた。
「そうじゃないだろ……お前は! 俺はこんな戦いを望んじゃいない!」
ガイルズの中で、スビアは最大の宿敵であった。それはガイルズ自身なのか、それともガイルズを聖狼とさせる血によるものなのかは分からない。ガイルズはただ破壊する事だけが目的となってしまっているスビアを否定した。
スビアにはただの獣では無く、闇歩者として自分と対峙し、戦う事をガイルズは望んでいるのである。それはガイルズにとってスビアは自分が存在する理由そのものであったからだ。
聖狼と夜歩者による戦いはすでに遠い過去の事であり、その戦いの後に生まれたガイルズにも、戦いに投入される事の無かったスビアにもすでに今のガイアスに存在している理由は無かった。
しかしそんな二人が出会う事で、ガイルズとスビアには己の存在理由が生まれたのだ。巡りあえた宿敵、それはお互いの存在を肯定する理由と証明になるのである。しかし今ガイルズの目の前で喉元を切り裂かれ唸る知性の無い『闇』の獣と化したスビアではガイルズを宿敵であるとは証明してくれない。
ガイルズは目の前でただの獣と成り下がったスビアに激昂する。
「そんな下らない力に落ちたお前を俺は絶対に赦さない!」
獣人、聖狼の姿であるガイルズの体に『聖』の光があふれ出す。すると、その光は大きな獣の形を成し、ガイルズは上位聖狼に姿を変えた。
互いに獣の姿となった二人の戦い。しかし、上位聖狼の姿となったガイルズの目には確かに意識が感じられる。ガイルズは自分に出来た事がなぜお前に出来ないと見せるように、血のように『闇』の獣の喉元から噴き出す闇を掻き分けその鋭い牙で喰らいついた。
〈ギャウァぁァアアアア!〉
しかしガイルズの激しい問いかけに答える事なく悲鳴にも似た『闇』の獣と化したスビアの咆哮がガウルドの町に響き渡る。
『己を失ったお前に意味は無い、潔く上位聖狼の力で浄化してやる』
喉元に噛みついたまま、白い光を『闇』の獣に流しこんでいくガイルズ。『闇』の力を持つ者にとって『聖』の力はまさに毒でありそれを体中に流されるということは激しい激痛が走る。それは『闇』の塊とも言っていい『闇』の獣と化したスビアも同様であった。
〈ヒギャアアアアアア!〉
さらに苦しむ『闇』の獣と化したスビアの体は白い光を大量に体内に流し込まれた事によってどんどんと肥大化していく。
『これで終わりだぁぁぁぁぁ! 爆ぜろぉおおおおおお!』
ガイルズの叫びによって『闇』の獣の膨らんだ体が限界に達し、体内に流れ込んだ光が漏れだし始める。
「やめなさい!」
その瞬間、矢のように鋭い声がガイルズの耳に響いたかと思うと、何かに弾かれるようにして上位聖狼の巨体は『闇』の獣から引きはがされ吹き飛ばされる。
『な、なんだ!』
吹き飛ばされガウルドの建物にぶつかるガイルズ。その衝撃によって建物は破壊され瓦礫がガイルズの体に積もっていく。
『ぬおおおおおお!』
自身の体の上に積もった瓦礫を払いのけるガイルズは、自分を弾き飛ばしたであろう乱入者を探す。しかし、探すまでもなく、その者は苦しむ『闇』の獣と化したスビアの前に立っていた。
『誰だお前は?』
威嚇するように喉を鳴らすガイルズの視線の先には美しい女性が立っていた。しかし、その女性から感じられる力の気配は紛れも無く『闇』の力、だがその中に『闇』と同じだけ別の何かが混じっている事を瞬時に感じるガイルズ。
「私は、この国の王、ヒラキ……そして夜歩者レーニ!」
ガイルズの目の前に現れたヒトクイの王にして夜歩者であるレーニは声高らかに名乗った。
『何ィ? ……』
今目の前の女は何と言ったと困惑するガイルズ。
『人間の国の王が夜歩者だと、笑えない冗談だな!』
吹き飛ばされた場所から飛び出すガイルズは、瞬く間にレーニとの距離を縮めると巨大な右腕でレーニ目がけ薙いだ。
今の自分が夜歩者に本気を出すまでもないという過信がガイルズの心の中にあったのは事実だ。
『はぁ?』
しかしそれであっても今ガイルズの視界に写る光景は納得しがたいものであった。
レーニは細い腕一本で、何十倍もある上位聖狼と化したガイルズの腕による攻撃を防いでいたからである。
「やめてください……今あなた達がそんな強大な力でぶつかり合えば、この国が吹き飛ぶ……」
全く力んでいる様子が無いレーニは、軽々とガイルズの攻撃を受け流しながらガイルズに話かける。
ガイルズの攻撃をくらった『闇』の獣と化したスビアが肥大化し続け破裂すれば、そこを中心としてガウルドは跡形も無く吹き飛んでいたであろう。それをレーニはヒトクイの王として止めに入ったのであった。
『お前……』
聖狼としての血の疼きが目の前のレーニを己の倒す宿敵と叫んでいる。しかし人間としてのガイルズの理性は、この者と戦うなと訴えている。ガイルズは自分の中で相反する二つの反応に戸惑っていた。
「あなたが何者であるかは知りません、しかしここはその鋭い爪と牙をしまってください、今ここでこんな事をしている場合では無いのです……今このガウルドではこの国の……いえこの世界の命運が掛かった戦いが行われているのです!」
『何だと!』
受け流された巨大な腕を再びレーニ向かって放つガイルズ。しかしそれもまたレーニの腕一本で止められてしまう。
『俺とこのガキの戦いをこんな事と言うのか!』
すでに穢れてしまった戦いではあったがそれでも尚、ガイルズはスビアとの戦いに僅かばかりの誇りが残っている。スビアに理性は無くとも、せめてその命を終わらせるのは自分の役目であると。
しかし目の前の夜歩者はその戦いをこんな事と言い放ち、汚したのだ。
赦せない、赦せるはずがない。目の前で自分の腕を止めたレーニを吹き飛ばそうとガイルズは巨大な腕ありったけの力を込めてレーニに対して振り下ろす。
『なっ!』
しかしそれはまるで分厚い岩に打ちつけたように堅くガイルズの巨大な腕はレーニの細い体を吹き飛ばせないどころか、ピクリともさせられなかった。
『何故だ……何故』
本来ならば、『聖』の力を持った聖狼の力は、夜歩者の力を凌駕しており、力負けするなどありえない。そのはずなのにガイルズの前にいる夜歩者であるレーニは力負けする所か、上位聖狼であるガイルズの力を上回っているのである。
そもそも聖狼の体に触れただけでも夜歩者は苦痛を感じるはずだ。しかもガイルズは上位聖狼であり、並の夜歩者ならば消し飛んでもおかしくない。
だが現実として、夜歩者であるレーニの様子は至って普通であり、消し飛ぶことも、苦しんでいる様子も無い。
『お前……お前は何者なんだ!』
レーニという存在を理解できないガイルズは、己の中に恐怖が生まれているのを感じる。聖狼になってしまった幼い日からというもの、人と人が争う戦場でも、ガウルド墓地でスビアに出会った時もこんな恐怖を感じた事はなかった。
しかし今、ガイルズは自分よりも圧倒的な力量を持つ強者を知り、そして恐怖を理解した。
「お願いです、戦いを止めてください」
レーニは戦いを止めるよう上位聖狼の姿をしているガイルズを説得しようとする。
『……駄目だ……俺は彼奴と勝負をつけなきゃならない……』
レーニの説得を跳ねのけるガイルズ。恐怖しているものの、ガイルズはまだ戦意を喪失した訳では無い。鋭い眼光を更に鋭くして自分の前に立つレーニを睨みつけた。
「……あなたが『闇』を滅する存在であることは理解しています……この騒動が一段落したら……私があなたのお相手をします……ですから、今ここで戦うことはやめてください」
『いや、駄目だ! 俺は……あの闇歩者と……』
そう口にするガイルズの耳にミシッという音が聞こえた。ガイルズは自分の腕に違和感を抱き視線を向ける。
『ぐぅ……!』
そこにはレーニによって握り潰された腕があった。
「……私もあなたの誇りは分からなくもありません……私達は相反する存在ではありますがどこか似ている……ですが、状況を考えてください」
一瞬にしてガイルズの背筋は凍りつく。至って平常なレーニの顔であるにも関わらず、ガイルズに次は無いというような強大な圧を与えてきたからだ。
『……脅しているのか?』
「このままあなたが分らず屋なのならば、そう思ってもらってかまいません、私はこの国の国を守るための最前の選択をとります……」
自分の腕をへし折った夜歩者が先程からその存在らしからぬ言葉を口にしたことに茫然とするガイルズ。
夜歩者とは人類を家畜程度に考えていた種族である。人との戦いに敗れてからは、夜歩者である事を隠し人類と共存している者もいるという事は知っていたが、人間の国を守ると言いだす夜歩者が居るなんてとガイルズは困惑していた。
『……この国の王っていうのは本当らしいな……』
ぎこちなく苦笑いを浮かべるガイルズの体からは白い煙が何本も昇り始めた。
「分かった……降参する……」
納得はしていなかった。しかし人の姿に戻ったガイルズはグチャグチャになった自分の腕を健在な方の腕で押さえながら、戦意を喪失した事をレーニに伝える。
「そうですか……理解してくれてありがとう」
背筋が凍るような圧が一瞬にして消え去り、正直ガイルズは安堵した。
「しかし……それじゃ奴はどうするんだ」
ガイルズはレーニに向けていた視線をその後ろに向ける。そこには未だ断末魔のように叫び散らす『闇』の獣と化したスビアの姿があった。ガイルズの攻撃により爆発寸前まで追いやられていた『闇』の獣とかしたスビアは体中に流れる『聖』の力に苦しみもがいていた。
「それなら大丈夫です」
それは一瞬であった。レーニがガイルズの問に答えた瞬間、『闇』の獣の首かずれた。ガイルズにはレーニが何をしたのかが理解できない。ただ自分の前で立っていただけに見えた。しかし、レーニはこの一瞬で『闇』の獣の首を切り落としていたのだった。
『闇』の獣の頭はスビアの頭に戻りながらレーニの腕の中に落ちていく。
「とりあえずこれでスビアの暴走は収まりました……」
崩れる『闇』の獣の体を背にレーニは手に持ったスビアの頭を見つめそして、胸に押し込んでいく。するとレーニの胸の中に吸い込まれていくスビアの頭。
「……何でもありなんだなあんた……」
驚きを通り越して呆れてしまうガイルズは苦笑いを浮かべた。
「……確かにそうですね……私はもう自分が何者なのかよくわかりません……ですが……この国を守りたいという事だけははっきりしています……私の我儘を聞いてくれてありがとう」
レーニは感謝を込めてガイルズに深く頭を下げた。
「……我儘? 単なる脅迫だろ」
ガイルズは目の前の存在がすでに単なる夜歩者でもなければ、小さな島国の王でも無い事をうっすらと理解し始めていた。だがガイルズは僅かな抵抗をしてみせる。その言葉に今度はレーニが苦笑いを浮かべた。
ガイルズはレーニの選択に納得した訳では無い。それはレーニも分かっているようで、それ以降二人に会話は無く、しばらく無言が続いた。
「……あんた、急いでいるんじゃないのか?」
無言を破ったのはガイルズのほうであった。
「あ、そうでした! それじゃ私は行きます」
まるで助け船をだされたように、レーニはガイルズの言葉に頷き、ガイルズに短く別れを告げる一瞬にして目の前から姿を消した。
「はぁ……本当に何でもありだな……」
「あっそうだ!」
「のわっ!」
完全に気を抜いていたガイルズの下に再び姿を現すレーニ。
「な、何だ!」
不意にレーニが現れたため、驚いたガイルズはそれを誤魔化すように声が大きくなる。
「あ、いや……あなたの約束の事で」
「約束?」
はて何か約束なんかしたかと、首を傾げるガイルズ。
「この騒動が終わったら、『聖』と『闇』の決着をつけましょう、それじゃ!」
レーニはそう言うとすぐさま姿を消した。
「……おいおいあの話、本気にしてるのかよ……こりゃもっと強くならなきゃな……」
そう口にして無理だろと思うガイルズ。ガイルズはレーニの中に流れる『闇』以外の力が何なのか薄っすらと理解した。
「神には勝てねぇよな……」
それはすでに『聖』や『闇』といった力を凌駕した存在であった。ガイルズは途方にくれながらギンドレット跡地から噴き出る『闇』の気配によって暗くなった空を見上げ呟くのであった。
― 小さな島国ヒトクイ ガウルド ギンドレッド跡地 ―
ただの巨大な空洞と成り果てたギンドレッド跡地は静まり返っていた。それと同時に思いもよらない光景がそこにはあった。
「ビショップ……」
黒い手に首を掴まれ苦しい表情をしているユウトは、掠れる声で伝説の本の名を呟く。しかしユウトの問に返事は返ってこない。人の姿に変わっていたビショップの姿はそこには無かった。その代わりユウトの足元には真っ二つに引き裂かれた分厚い本が転がっていた。
「まさか……魔王を倒すのが勇者じゃなくて魔王だなんて……とんだ三流シナリオだな……クソゲェ確定だよ」
目を潰され視力を失っているユウトは自分の首を掴んでいる者が何者なのか分からない。しかしユウトは自分の首を絞めている人物が誰であるかは理解していた。
「お前が隠れボスなんだな……伝説の防具の所有者……」
潰され見えるはずの無いその目でユウトは自分の首を絞める者を見つめるのであった。
ガイアスの世界
『闇』の獣
闇歩者であるスビアが月石に力を欲し手に入れた姿。しかし強い思いが暴走し、スビアをただ破壊するだけの獣へと変異させてしまった。
それはスビアにとって成功とはいえず、無尽蔵に湧いてくる『闇』の力はあるものの、それをうまく制御できる知性、理性が無いため、力を垂れ流す事ができず、結果変異前よりも力が劣る存在になってしまった。




