真面目に集うで章 17 変化
ガイアスの世界
スプリング達が寝ている間のヒラキ王の行動。
スプリング達が爆睡している間、ヒラキ王は町の復興の手配や、襲撃者達への警戒を強めるためにガウルド各地への兵の配置を指示していた。
ヒラキ王、レーニは現在三日間寝ていない。
真面目に集うで章 17 変化
剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス
伝説の武具の所有者達がヒトクイの王レーニから国の過去を聞き終え時間が経過し彼らが現在いるガウルドには夜が訪れていた。
現在ガウルドは謎の光の柱が出現しそこを中心として大きな爆発が起こった事と、謎の襲撃者がガウルド城に現れたことにより、厳重警戒体勢が敷かれていた。ガウルド城には光や松明の光が灯り、夜だというのに昼のような明るさの下、ガウルドの兵達は慌ただしく動いていた。
突如起こった爆発により被害を受けた町はすでに町の人々の手によって復旧作業が始まっていた。こういう言い方はおかしいかもしれないが、ガウルドの人々はこういった非常事態には強く慣れていた。
幾度となく町が半壊、もしくは全壊という経験をしてきたガウルドの人々の行動は早く、すでに半壊した町の瓦礫の撤去は半分以上が終わっていた。ガウルドの兵との連携もスムーズであり、負傷した者や家を無くした者達はガウルド城へ避難していた。
それは幾多の困難を乗り越えたガウルドの人々とヒトクイの王の采配の賜物であり、ここまで人々と兵の信頼関係が築けている国はガイアスではそうそうないであろう。
そんなガウルドの兵と町の人々が昼夜問わず町の復興に助力している中ようやく目を覚ました男が一人大きな欠伸をしながらガウルド城内にある広間に足を運んだ。
「……おいおい、凄く寝過ごしちまったぞ!」
真光のダンジョンから無事帰還してから数日ろくに睡眠をとっていなかった伝説の防具の所有者であるアキは久々の睡眠でほぼ丸一日眠り続けつい先ほど目を覚ましたという状態であり、寝癖を付けたままの髪をワシャワシャと触りながら慌ただしくガウルド城内の広間にやってきたのだった。
そこには伝説の武器の所有者であるスプリングと伝説の盾の所有者であるブリザラ、水の大精霊であるウルディネ、そして先程意識を取り戻したピーランの姿と、真光のダンジョン内で一緒に戦った仲間の面々がすでに広間で話をしている最中であった。
「アキ殿! ……凄い寝癖だな……」
「おおっ! ピーラン意識を取り戻したのか!」
声をかけられたアキはその声の主であるピーランの姿に驚きと喜びの表情を浮かべるアキ。
「お寝坊さんだな、アキ殿……」
「お前に言われたくない……」
互いに笑顔で軽口を叩くアキとピーラン。だがピーランは目の前にいるアキにの雰囲気に違和感を覚え表情を変える。
「……なんだか少し柔らかくなったなアキ殿」
「あっ?」
ピーランが口にした言葉の意味が理解できないアキは首を傾げる。
「そうなのか?」
ピーランとアキの会話を聞いていたスプリングが二人の会話に入って行く。仲間になって日が浅いスプリングや、長く一緒にいるブリザラやウルディネにはアキの中で起こった小さな変化が分からなかったが、数日間意識の無かったピーランはアキの中で起こった小さな変化を感じ取っていた。
「発している空気感が数日前に比べて柔らかくなっているように感じたのだが?」
「知らねぇよ」
アキは照れ臭くなったのかふて腐れるようにピーランにそういうと、その二人の後ろにいたブリザラとウルディネをみた。
「てか、皆起きているなら俺も起こせよ」
「いや、このオウサマが、ピーランが起きた途端凄い速度で部屋を飛び出していってアキを起こす暇が無くてな、それからはピーランの事でアレコレあってすっかり忘れていた……というか、クイーンに起こしてもらえばよかったじゃないか」
ブリザラを指指しながら、ウルディネはアキに起こせなかった理由を話した。
「ああ、そうだよな……なんで起こさなかったんだよクイーン」
『あまりにもマスターが気持ち良さそうに寝ていたので、起こしてはいけないと』
自分が纏っている漆黒の色をした鎧に視線を向けるアキ。するとアキが纏っている伝説の防具であるクイーンはアキを起こさなかった理由を話した。
「あ、はいありがとうよ……それで目覚めたピーラン含めてここで何やってたんだ?」
アキはクイーンから起こせなかった理由を聞き、なんとも複雑そうな顔をしながら話を切り替えた。
「ああ、明日の動きについて話をしていた所だ」
アキの質問について答えたスプリングの表情が真剣なものに変わる。
「ならなおさら俺を早く起こせよ……時間がもうねぇだろ」
「ああ、悪かったよ」
アキも真面目な表情をしてそういうと、広間に集まっていたスプリング達の輪に入って行く。
「それでこれ……」
アキが明日についてどうするのか口火を切ろうとした瞬間であった。扉が開く音が広間に響き渡り、一斉に扉を見つめるスプリング達。
「集まっているようだな」
その場にいたすべての者から視線を浴びるヒトクイの王ヒラキの姿があった。伝説の武具の所有者達の面々以外にいた者達は腰を落とし頭をヒラキ王に頭を下げる。
「レ―、はぅ……ヒラキ王……」
ブリザラはヒラキ王の本当の名を思わず口にしようとして手で押さえる。ブリザラ達はヒラキ王の事情を知っているが、周囲にいたガウルドの兵達はその事実を知らないからだ。ヒラキ王の事実が知られれば、ガウルドは元よりも国中が混乱に陥るからだ。それほどの事実をブリザラは思わず口にしようとしていたのだった。
「ははは……」
ヒラキ王は笑いながらブリザラ達の輪に近づいていく。ブリザラは冷汗をかきながらヒラキ王の笑いに合わせ笑おうとするが顔が引きつる。
「……ブリザラ殿……この場では勘弁してください」
ヒラキ王は焦った表情でブリザラの耳元で呟いた。
「す、すいません」
ヒラキ王に向けておもいきり頭を下げるブリザラ。お互い焦った表情のヒラキ王とブリザラは互いに深呼吸をし、気持ちを落ち着ける。
「……さて、これから明日の事についての相談かな……私もその輪の中にいれてもらえるか?」
冷静になったヒラキ王はブリザラ達に向けて自分も輪に入れてくれないか言う。
「……は、ハイ、是非ヒラキ王にも参加してもらいたいです」
まだ少し動揺した表情ではあったが今度は間違えること無くヒラキ王の名を口にしたブリザラは輪に入ってもらうために頭を下げた。
「……それで、明日の事なんですが……」
頭を上げたブリザラが明日の動きについて口火を切ろうとした瞬間、再び扉が開かれる音が広間に響く。
「……ああ、今度は誰だよ」
中々本題に入れないことに苛立ちを見せるアキ。
「申し訳ない、話を中断させてしまって」
アキの苛立ちを見て素直に謝るヒラキ王。
「い、いやヒラキ王の事じゃ……ないです、すいません」
不用意な事を口走ったとしまったという表情でアキは逆にヒラキ王に謝った。
「……それじゃ話の続きを……」
「ちょちょっと待つニャ!」
ブリザラが話を進めようとすると、慌ててブリザラの話に割って入る声。
「……ああ?」
語尾にニャとつく言葉を聞いたアキは扉の前に立つその声の主に向かって睨みを利かした視線をおくる。その視線に語尾にニャとつく声の主は体中の毛を逆立ていた。スプリングとヒラキ王以外の者達は別段興味無さそうな目でその者を見る。
「な、なんだその目はニャ! こ、怖いニャ……くぅ! 本当は私だってお前達みたいな薄情な奴らの下になんて来たくなかったニャ! だけど、ヒラキ王とスプリングがどうしてもというから、来てやったというのに、この仕打ちはなんニャ!」
プリプリと怒り出すその者の名はロンキ、自称ガイアス一の鍛冶師と名乗る猫獣人の亜人であった。
「あ、あの……なぜあの方を……」
ブリザラが困った表情でヒラキ王に顔を向ける。
「おいおい、冗談だろスプリング」
アキは半笑いでロンキを呼んだ張本人であるスプリングに視線を向ける。
「いや、あははは……」
スプリングはここで初めてアキやブリザラ達に本当に信用されていないことに気付いた。
「ロンキ殿、はるばるご苦労である……」
「あ、はいニャ」
ロンキは膝を折り、ヒラキ王に頭を下げる。その姿を見たスプリングはアキとブリザラの方に視線を向けた。
「実は……このロンキに伝説の武具の状態を見て貰おうと思って」
「?」「?」『?』『?』
そこでブリザラとアキ、二つの伝説の武具は疑問を浮かべた。
『どういうことだスプリング、我々は別に鍛冶師の力を借りずとも自己修復ができる、状態に不備は無いと思うが……』
『そうよ、私達は普通の武具とは違う』
伝説の盾であるキングと伝説の防具であるクイーンは、自分達に不備は無いとスプリングに訴えた。
「え、ああ……そうかもしれないんだが……」
『待ってくれ、主殿の話は本当だ、私はこのロンキに自分の不備を直してもらったのだ……』
自分の不備をロンキが直したという事実をキングとクイーンに伝えるポーン。
「どういうことだ?」
アキは伝説の武具達の話に頭を掻きむしった。多少使い勝手が悪い所はあるが、それでも十分すぎるほどの力を発揮しているクイーンに不具合があるとは思えなかったからだ。
それはブリザラも同じであり、幼いころから知っているキングに不具合があるなんて思っていなかった。
『……簡単に言えば、今以上に強くなる可能性があると言うことだ』
「!」「!」
ポーンの言葉に驚くアキとブリザラ。
『だが先程も言ったが私もクイーンも自分の不備には身に覚えが無い』
自分達には身に覚えのない不備、ポーンの言葉を素直には聞く事が出来ないキング。
『私もそうだった……どうやら記憶に封印がかけられている可能性がある、私を信じてくれないか、キング、クイーン』
そう言うポーンも自分の本来の力は思いだしていたが、なぜその記憶が失われていたのか分からなかった。だとすれば誰かが意図的に自分に封印を施したといのが辻褄が合う。
『……』『……』
考えるように沈黙する二人。
「今以上に力強くなるならいいんじゃないか?」
「ええ、今は少しでも強くなるのならそれを試すべきだと思います」
比較的伝説の武具の所有者であるアキとブリザラはスプリングとポーンの話に前向きであった。
『……分かった、王がそう言うのであれば、その話に乗ろう』
少しの間の後先に言葉を発したのはキングだった。だがクイーンは沈黙したまま何の反応も示さない。
「どうしたクイーン?」
沈黙したクイーンに話かけるアキ。
『その話、受けること自体は私も賛成です、ただ……マスター』
「なんだ?」
『……私と出会った時のマスターの状態を覚えていますか?』
随分懐かしい話をするとアキは困ったような表情で再び頭を掻きむしる。
「そりゃお前、俺が死んだ所をお前が……」
そこでアキの言葉が止まる。クイーンが言おうとしている事に気付くアキ。
「……駄目だ……」
「なんで駄目なんだ?」
スプリングが不思議そうにアキを見つめる。それはブリザラも同じであった。
『ロンキさんに見て貰うということは、マスターは私を脱がねばなりません、ですが私と契約を結んだ時のマスターはすでに死んでいました……ではなぜマスターが今生きているのか……それは私が防具であると同時にマスターの生命維持も担っているということです、マスターが私を脱げば、マスターは死んだ時と同じ状態にもどるということです』
「なっ!」
「えっ……」
「……!」
本来ならばすでにアキが死んでいるという事実にスプリングとブリザラは驚きを隠しきれない表情になった。それはアキと長く一緒にいるウルディネも同じようであり、一番ショックを受けているようであった。
アキ自身、なんら死ぬ前の自分と変わらない、いやそれ以上にできる事が増え、いい動きができるようになっていたことで、自分が本当はどんな状態であるのかを忘れていた。
アキが本当は死んでいるという事実が周囲の者達の空気を重くさせた。
「あははは! 忘れてた忘れてた、俺死んでるんだったな!」
場の重い空気を笑い飛ばすアキ。だがそれを見ているスプリング達にはアキが強がっているようにしか見えなかった。
「まあとりあえずブリザラ、やってもらえよ……」
アキはそれでも笑顔を作りながらブリザラにスプリング達の話を試してみるように勧めた。
「アキ……さん……」
痛々しい笑顔を見つめるブリザラ。
「何か方法はないのか」
今まで話を黙って聞いていたヒラキ王がアキの状態をどうにかできないのかと伝説の武具達に意見する。だがどの伝説の武具もヒラキ王の言葉に無言を返す。それがどういった意味なのか理解するその場の者達。
「お前が治療しながらロンキに見て貰うことはできないのか?」
『いや、それは無理だ』
スプリングの言葉を否定するポーン。
『あれは本人の生命力があってのことだ、すでに死んでいる者に効果は無い』
ポーンの言葉は事実だけを伝えており、そこには何の感情も籠っていてない。そんな冷たくも聞こえるポーンの声に歯を食いしばるスプリング。
「おいおい、なんでお前が辛そうな顔するんだよ」
アキは歯を食いしばるスプリングの顔を見て首を傾げた。
「なんでって……俺達、血の繋がった兄弟だろ、兄弟がそんな状態だったら誰だって辛い顔をするだろ!」
スプリングの言葉に頷くブリザラ。
「もう兄弟面か……ふん……そんなもんかね……」
だがアキはスプリングの言葉に今一ピンときていないようであった。
「俺は物心ついた時には、お前が言うような甘ったれた事の外で生きてきたからな、正直理解できねぇよ」
事実アキは兄弟はもとより、家族というものを知らない。物心ついた時にはすでに子供にとっては過酷すぎる場所におり生きていくというだけで精一杯で、自分の家族の事を考えている暇など無かったからだ。
周囲にいる大人はすべて自分を利用して小銭を稼ごうとするクソな大人ばかり。そんな場所で生きてきた当時のアキにとって信じられる者は自分しかいなかった。兄弟や家族とのそんな感情持ち合わせる隙すらなかったのだ。
先程まで笑いを作っていた顔は消え失せ、無表情でスプリングの言った言葉を甘ったるいと言い放つアキ。その瞬間スプリング達のいる平間に乾いた音が響いた。
スプリングの後ろに立っていたブリザラはアキの前まで歩いて行くと、右手を振りかぶりアキの顔目がけて平手打ちをかましていた。
「ぐぅ……」
首がもげるかもというぐらいにアキの体がのけ反るアキ。のけ反った体を元に戻すとアキはブリザラを睨みつけた。
「い、いてぇな……何すんだよ!」
睨みつけていたアキではあったがブリザラの行動に内心動揺していた。どこか抜けている所があり、自分が支えないとすぐにフラフラとどこかに行ってしまいそうだと思っていたブリザラが今、自分の頬を叩いて自分に強い意思を向けている。それがアキが動揺する理由であった。
「……過去のアキさんの事は知りません、でも今の言葉は嘘です……だってそう思っているなら、サイデリーで私の事を助けてくれたり、一緒に笑いあったり、一緒に悩んでくれたりなんかしない」
ブリザラは目に涙を溜めながらアキにそう言う。するとスプリングがブリザラの横に立った。
「そうだな……そんな事を本当に思っているんだったらこの場にもいないはずだ」
スプリングは優しくアキにそう言うとニコリと微笑んだ。
「くぅ……チぃ……兄貴面しやがって……」
居心地が悪そうに下打ちしたアキはスプリングに文句を言うと二人から顔を背けた。
『素直じゃないですね、マスター』
アキにしか聞こえない声でそう言うクイーンはどこか嬉しそうであった。
「五月蠅い、クソ……ブリザラもそうだがスプリングも一緒にいると調子が狂う……」
クイーンにだけ見せる本音とでも言えばいいのか、アキは思わずクイーンに本音を吐露していた。
ブリザラと出会うまで、人にここまで心を乱された事は無かった。どんな時も常に冷静に相手を疑い、そして信じてこなかった。だがブリザラはアキの疑う心を凌駕する真っ直ぐさでアキの心に入り込み引っ掻き回すのだ。自分に与えられる利益では無く、損得勘定皆無の行動、それがアキの心を変えた。
そしてスプリング。自分にとって初めてといっていい強敵はそれ以上に頼りになる仲間でもあった。まだ数日しか一緒にいないが、そう認めざるおえないのは、スプリングが自分と血の繋がった兄弟であるからだろうか。
アキの中で色々な感情が渦巻き、それを制御することが出来ない。
『いいんですよ、そんなものです……仲間というのは』
そんなアキの事をみて、クイーンは周囲に聞こえないほどの声で嬉しそうにアキにそう言った。
「……むむむ……また私はのけ者ニャ!」
アキ達がもめているのをただ傍観していたロンキはもう何度味わったか分からない疎外感を感じていた。
「あ、ああ……すまない、それでロンキ、ブリザラさんの持っているキングを見て貰いたいんだが?」
完全に存在を忘れていたスプリングはロンキに謝ると早速キングを見て貰うように頼んだ。
「ん? 盾だけでいいのかニャ? そっちの鎧のほうは見なくていいのかニャ?」
ロンキは興味津々と言った目でブリザラの持つキングとアキが纏っているクイーンを見つめる。
「ああ、アキはクイーンを脱いだらまずいんだ」
「なんでにゃ? ……死んでしまうからかニャ?」
スプリングの言葉に首を傾げるロンキ。
「そ、そうだよ、分かってるなら聞く必要ないだろ?」
「だから何でニャ?」
再度首を傾げるロンキ。
「え、いやだから……」
「脱いだら死ぬんだったら脱がなきゃいいだけニャ」
ロンキの言葉にポカンとするスプリング達。
「あ、あれ……だって色々と調べるには脱がなきゃ駄目だろ」
スプリングは顔を引きつらせながらロンキに聞いた。
「ああ、うん、脱いだほうがやりやすいけど、私ぐらいになれば脱がなくても別に問題ないニャ!」
それが当然であるというようにロンキはスプリングに脱がなくても問題ないと言った。
「あ、でもほら、もし手を加えなきゃならなくなったら流石に……」
「それも問題ないニャ」
『「「「ええええええ……」」」』
その場にいたロンキ以外の者の声がガウルド城内にある広間に響いた。
ガイアスの世界
アキの状態
アキは伝説の防具であるクイーンと出会った時、すでに死んでいた。それを無理矢理蘇生させたのがクイーンである。だが無理矢理と言っているように、その蘇生には無理があり命を繋ぎ止めるだけで精一杯で、アキが負った致命的な傷は今も癒されていない。傷から流れ出る血はすべてクイーンが一旦吸収し、再びアキの体に戻すといった状態にある。
アキの身を守る防具であり、命を繋ぎ止める生命維持の役割も担っているクイーンがもしアキから離れることになれば、傷から一瞬にして大量の血が噴き出し、アキは即死することになる。




