この話は忘れていいで章3 誕生祭?
この話は忘れていいで章 2 生誕祭?
剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス……?
ガイアスの遥か上空、雲を突き抜け、それよりもはるか上。そこは暗い空間が広がる場所であり、どんな生物も生きていけないと言われている場所。
場所というには広すぎるその空間は小さな光が無数に存在し、暗い中でもその光は輝きを放っており、ガイアスから見上げる夜空と瓜二つであった。暗闇に輝く光だけが暗黒が広がるこの世界の唯一の救いと言ってもいいのかも知れない。
その光は強弱がり、どれ一つとして同じものは無い。それはまるでガイアスに生きる人々のように一つ一つに個性があるのだ。
「なーんて事を言う私は、詩人か哲学者か……いいや創造主……」
ガイアスの遥か上空に浮かぶ謎の建造物の中で、一人の男がそんな事を呟きながら深くため息をつき、肩を落とした。
「そりゃね……私は孤独を愛する者ですよ……ええ孤独は大好きです、三食孤独で大丈夫です……でもねこの日は駄目だ……いや正確に言えばこの周期のこの日だけは駄目なんだ……」
そう独り言をつぶやく男は目の前に広がるガイアスを眺め再びため息をついた。
「……一人になって何百、何千、何万の時が過ぎていったが……私はこの事を失念していた……まさか、この私がこんな事を忘れているなんて」
どれほど前のことかは知らないが、一人になった事を男は今更になって後悔しているようであった。
「くぅ……もう……あっちに下りちゃおうかな……」
男は指をくわえながら目の前に広がるガイアスを見つめる。その目は孤独を愛するといいながら人肌に飢えているように寂しさをやどしていた。
男がガイアスに下りるということはそれ即ちガイアスが滅茶苦茶になるということの同義である。なんせこの男はガイアスの創造主なのだから。
その事を知ってかしらずか ――いや確実に知っているのだが、男はなんともちょっと隣のお店へというぐらいの心意気で、目の前に見えるガイアスを見つめながら身を乗り出そうとしていた。
暗い暗黒の世界と自分がいる場所を仕切っているガラスに顔をぶつける男。
「……分かってるよ、そんなことしちゃ駄目だって……だって私は創造主……孤独な創造主……誰にも誕生を祝ってもらえない創造主……特別な区切りだというのに誰にも祝ってもらえない……そうぞうしゅキラッ!」
途中からは涙声であった男はガラスに己の涙をたらしながら鼻を啜り、ふざけたようなポーズをとってみせる。顔に手を持っていきキラッてやる奴だ。
空しく実に滑稽だ。本人もすぐに気付いたのであろう目の前に広がっていたガイアスを背に向ける。
「私は創造主、創造主は孤独だ、孤独でなればならない……それが創造主なのだから」
なんともよく分からない理由を捏造して自分に言い聞かせる男は右手に拳を作り、唸りをあげる。
「よし……続き書こう」
己を納得させた男は、相棒になってからそれなりの月日が経過した箱の前に向かう。
「カタカタカタカタ――」
箱を叩く音が響く部屋は何処か暗く……
「ぐふふふ……このにょた……」
いや部屋は屑の雰囲気に包まれていた。
どうも山田です。
えーこの話は忘れていいで章はフィクションです。……ええ、フィクションです。
ということで山田はこの日で節目のある歳となりました。正直実感はわきませんが、何ともその文字だけみるとこたえるものがあるというか……(苦笑
とりあえずこれから強く生きていこうと思います。
2016年 5月21日 某池袋を舞台としたアニメと、某宇宙世紀のアニメを梯子しなきゃいけないのに夜更かししていて起きられるか不安になりながら




