夕闇で章7 統一への道4
ガイアスの世界
ヒトクイでのレーニの立ち位置
ヒラキの言葉通り、レーニはその強力な力を持ちながらヒトクイと合流してから一度もその力を振ってはいない。
ヒトクイへと誘われた時にヒラキがその力を貸してくれと言ったにも関わらず一切戦場へと出れないことにレーニ自身を不満を感じていたようだ。
しかしヒラキは魔族、夜歩者としてのレーニの力を欲していた訳で無く、その魔族という素性が後に他の種族との懸け橋になるという点で力を貸してくれと言っていたようだ。
夕闇で章7 統一への道4
戦乱吹き荒れる小さき島
― デンゲ砦を制圧してから三カ月後 ―
周辺国から奪った領土にある各拠点への物資搬入の要であったデンゲ砦。その砦が陥落した事により、ガウルド国は大打撃を受け、その戦力は著しく低下することになった。それ故にシーオカ国の島の統一が決定的になったと瞬間だと誰もが思っていた。しかし事態はそううまく進まなかった。
デンゲ砦陥落後、ガウルド国の戦力が低下している事を実感した他の小国は、今が勝機と言うように、奪われた領地を取り返そうと動き出した。そしてそれは成功した。
だが前線がデンゲ砦より後ろに後退すると今まで島の各地に散っていた兵が元々のガウルド国の領地に戻り防衛を固めた。その防衛力は想像以上に堅く、その影響は現在ガウルド国と勢力を二分して戦うシーオカ国に及び、三カ月が経った現在、防衛力が高まったガウルド国の王都や周辺の拠点をシーオカ国は攻め落とせずにいた。
だが王都を攻め落とせない理由は、前線が下がったことで戦力が集中し防衛力が高まったからという要因の他にあった。
その一つが各地の小国の動きにあった。デンゲ砦陥落以降、自身の領土を取り戻した各地の小国の王は皆、ある考えが頭の中に浮かんでいた。
このまま攻め続ければ自分がこの島を統一できるかもしれない。デカい顔しているシーオカ国を出し抜けるかもしれない。欲に冷静さを奪われた各地の小国の王は自身の身の丈に合わない夢と野心を抱くようになったのである。こうして各地の小国の王はガウルド国の領土に手を伸ばし始めたのである。
だが当然、事はそう簡単には運ばない。元々、戦いにおいての熟練度は島で一番と言われていたガウルド国の兵。デンゲ砦を失ったことで前線を下げざるを得なくなったが、その影響で戦力が集中したガウルド国は、息を吹き返すように本来の強さを取り戻したのである。まるで兵を動かす参謀が変わったかの如く、その戦略の色も変えたガウルド国は、最初の頃とは違い無駄に前線を伸ばすことはせず防衛に比重をおくようになり、次々と攻め込んでくる小国を返り討ちにしていった。
各地の小国の王たちの欲の暴走により戦場は荒れた。敗北した小国の兵たちは逃げることに必至で後の事を考えず手にしていた武器や物資をその場に捨て撤退した。その武器や物資は更にガウルド国は防衛力を強固にした。
だがガウルド国の防衛面だけが強化された訳では無い。どういう訳か元々個々として力量が高かったガウルド国の兵の力が更に高まっていたのだ。その変化は明らかに異常でありガウルド国の兵と対峙した者たちは皆口々に今のガウルド国の兵は死を恐れない兵隊と語る程だった。
一体ガウルド国内で何が起こったのかは分からないが、彼らと対峙した者達が言うようにガウルド国の兵たちは己の命を顧みることなく今までよりも更に暴力的に攻め込む小国に立ち向かうようになっていた。その光景はどちらが攻め込んでいるのか分からなくなる程であった。
そんな敗走を強いられた各地の小国の王と同じようにシーオカ国の王バン=デンダもまたガウルド国に対して無策のまま兵を攻め込ませようとしていた。だがそんな愚策を認めたのは武装組織ヒトクイの参謀的立ち位置にいたバラライカだった。バラライカは無策で兵をガウルド国へ攻め込ませようとするバン=デンダに異議を申し出たのだ。
だがバラライカの発言はバン=デンダの反感を買うことになった。元々大きな顔でシーオカ国の兵たちにまで作戦指示を出していたバラライカを良く思っていなかったバン=デンダは、自分の命令に異議を唱えたバラライカに対して、武装組織ヒトクイだけでガウルド王都を落して見せろと無理難題を突き付けたのだ。立場上拒否権の無いバラライカはこの無理難題を呑むことしか出来なかった。
― 王都ガウルドよりすこし離れた草原 ―
「……」
現在一番戦力が集中している王都ガウルドより少し離れた場所に陣を置いた武装組織ヒトクイ。その陣の後方で作戦開始まで待機しているバラライカは、暗い表情で王都から覗くガウルド城を見つめていた。
「……イタッ!」
すると突然バラライカの背に強烈な衝撃が走った。その衝撃によって体勢を崩したバラライカは倒れそうになる体を右足で踏ん張ることで支え何とか転倒するのを回避した。
「な、何よ!」
体勢を立て直し振り返ったバラライカは自分を転倒させようとした張本人を睨みつけた。
「あーわりわりぃそんなにまさかこの程度でふらつくとは思わなかった」
そう言いながらガハハハと豪快に笑ったのはインセントだった。
「だから脳まで筋肉の……はぁ」
普段ならばここで二言三言と言い返すバラライカ。しかし今日はそんな元気もないのか途中まで言いかけ後、深いため息をつき俯いた。
「なーに暗い顔しているんだ、お前天才魔法使いだろ、しっかりしろ!」
人を小ばかするように暗い顔で俯くバラライカにインセントはそう言うと今度は肩を叩こうと軽く腕を振った。
「ふん……だから、私は天才魔法使じゃない……もしてや私に人を動かす才能ないのよ」
軽く振り下ろされたインセントの手を絶妙なタイミングで躱したバラライカはか細い声で、インセントとのいつものやり取りに加え、今回の失敗に関しての気持ちを吐露する。
「ははッ、なんだそんな事を気にしていたのか……誰もお前の事を攻めちゃいない、むしろこの状況になって皆暴れられると喜んでいるくらいだ」
上手く躱された手を見ながらインセントはバラライカが言う失敗は何の問題でも無いと口にする。それは彼なりの気遣いであった。そしてインセントが口にした言葉はバラライカを気遣う為の嘘などでは無く事実でもあった。
元々一癖も二癖もあり戦いを好む者達が多く集まっているヒトクイ。荒くれ者揃いが集まったその集団は今まで組織という枠に収まっていたことが不思議だった程だ。そんな彼らは最近、待機状態が続き力を持て余しており、バン=デンダの最前線送りの言葉に歓喜すらしていた。
「……だが危険なことに変わりはない……」
王都ガウルドの最前線へ送られることに仲間達が歓喜していたことはバラライカも知っていた。だがそれでも自分の失態によって仲間達を危険な場所に送ることになってしまったことに責任を感じているバラライカ。
「……シーオカ国の戦力じゃ今のガウルド国には太刀打ちできない、だから私は作戦とその準備を整えている最中だった……あのブタ鼻に言われるまでも無く先陣を切るのは私達ヒトクイだった……でも、それはしっかりとした作戦を立てて準備を万全にしたらの話、でもそれが出来なかった……出来ていれば危険を回避できる可能性を高められたのに……」
バラライカ自身の分析によれば、シーオカ国の兵の戦力では王都へ攻め込むのは荷が重すぎると思っていた。だからこそ、戦力と突破力のあるヒトクイに先陣を任せるという作戦を考えていた。だがその作戦を実行する為の時間と準備が整う前に、自分の失態によってその作戦も準備も整わないまま王都ガウルドへヒトクイを送りこまなければならなくなった状況に不安を零すバラライカ。
「はぁ……だから天才様は困る……今まで俺達が一度たりともお前の提案した作戦を守ったか? お前があれこれ色々考えても結局俺達にとっては無駄なんだよ……だからもう少し気楽に考えろよ」
バラライカから戦の都度言い渡される作戦内容を頭に入れたことが無いインセントは、少し意地悪な言い方でそう言った。だがこれは少し嘘である。
インセント自身はバラライカの作戦に頼ることはしないが、バラライカが持ってくる有益な情報に関してはほぼ全て頭に入れていた。それはヒトクイの者達や大将であるヒラキも同じで皆口には出さないがバラライカのその努力に感謝していた。
「だがッ!」
気楽に考えろというインセントの言葉を否定するバラライカ。確かに自分が立てた作戦は無駄になることが多い。しかしそれでもバラライカには彼らの命を預かっているという責任があった。気楽になど考えることは出来なかった。
「それに何か……嫌な予感がする……その予感が私の胸を締め上げるんだ」
バラライカにはもう一つ不安があった。これはヒトクイの参謀としてでは無く一瞬の勘、女としての勘が、王都全体に立ち込める暗雲の雰囲気に言い知れぬ不安を抱せ危険だとバラライカに警告していた。
「……ふぅ……なら尚の事だ、今まで幾つもの奇跡を見せてきた俺達の大将を信じようぜ……あいつなら……このイケ好かない空気も吹っ飛ばしてくれるはずだ……」
バラライカが言う嫌な予感はインセント自身も感じていた。だが奇跡を信じようと、単独で王都ガウルドへ向かったヒラキを想いながらインセントはバラライカにいつも通りの笑顔を向けた。
― デンゲ砦 大広間 ―
「……どうやら私には芝居の才能もあるようだな……道化の演技は上手くいった、さあ……ヒラキとヒトクイよ、後はお前達が私の為に躍り……そしてその命を差し出すだけだ……」
広々としたデンゲ砦の大広間の中心にポツリと置かれた悪趣味な輝きを放つ玉座。既に自分がこの島の王であることを象徴するかのように特注で職人に作らせたその玉座に贅肉を挟みながら座るバン=デンダは、王都ガウルドがある方角に視線を向けると自分が仕組んだ罠に引っかかった者達の事を思いながら欲に塗れた笑みを浮かべた。
シーオカ国の王バン=デンダの強制的な命により王都ガウルド制圧を言い渡された武装組織ヒトクイ。しかし制圧とは名ばかりでヒトクイの本当の役目はただの露払い。シーオカ国が有利に事を進めるための時間稼ぎと戦力削りであった。
この三カ月でバン=デンダは、ヒラキが自分よりも遥かに影響力を持っていることを知った。自分が何か言う度に少し困った表情を浮かべる兵や大臣。皆口々にヒラキであればとかヒトクイであればと例えバン=デンダ自身の言葉を聞こうとはしない。それが癪に触っていたバン=デンダはどうにかしてヒラキやヒラキが率いるヒトクイを貶めることが出来ないかと考えるようになっていた。
考えに考えた結果、バン=デンダが目を付けたのはヒトクイで参謀的な立ち位置にあるバラライカだった。
バラライカはこれまでも幾度となく戦の前に作戦をバン=デンダに進言してきておりヒトクイの中ではもっとも接触する人物であった。今回の王都ガウルド攻略に関しても必ず何か進言してくると考えたバン=デンダは、その会話の中でバラライカを利用することを考えたのである。
そしてその為には自らが道化を演じてみてはどうだろうかと考えたバン=デンダ。無能な作戦を王自らが発すれば、それを必ずバラライカは止める為に発言するはずである。その発言にイチャモンをつけて、ヒトクイの立場を追い詰めればいいと考えたバン=デンダは、己が欲に冷静さを失い無策のまま戦力を増したと言われているガウルド国へと攻め込み敗走した島の各地の王のように王都ガウルドへまま攻め入ることを作戦会議の中で立案しようと考えた。
そして道化を演じるバン=デンダの策略は見事にはまり、バラライカまんまんと引っかり、無茶苦茶なその作戦に異議を唱えた。
バン=デンダはバラライカのその意義に対して不機嫌を装い、ならば王都ガウルド制圧を自らの戦力だけで即座に成し遂げてみせろと時間制限を付けた無理難題をバラライカに突きつけたのだ。
バン=デンダの道化は成功した。こ王による命令は絶対であり拒否権は無い。引けないバラライカは首を縦に振り承諾することしか出来なかった。
作戦も準備の暇も与えずヒトクイを王都ガウルドへ攻め込ませ、両軍の戦力を削らせる。互いが弱り切った所でシーオカ国の兵たちを突入させれば、こちらは被害を出さずに楽をして王都ガウルドを制圧することが出来る。更にはその戦いの中でヒラキが死んでくれれば言うことは無い。そこまでバン=デンダは考えていたのであった。
「……それにしても、あの時のあの女の悔しさで打ち震えた顔は私の下半身を大いに反応させるものであったな……ふふふ、決めたぞ、あの女だけは戦さの後も生かして私の夜の玩具にしてやろうではないか! ぎゃひゃひゃひゃひや……」
作戦会議で見せたただ首を縦にふることしか出来ず悔しそうに打ち震えていたバラライカの表情を思い出したバン=デンダは矮小で下衆な笑い声を上げた。
「……なんという事だ」
欲に塗れた笑みを浮かべ下衆で矮小な笑い声をあげるバン=デンダの事を物影から見ていたシーオカ国第一兵団部隊長リュー=イライヤは自身の主が発した言葉を信じられないという表情で聞いていた。
「信じられない……少し気弱であったが優しさを持っていた王があんな事を言うとは……」
この数カ月、リューはバン=デンダに起った様子の変化に気付いていた。しかしそれは国が大きくなることでバン=デンダ自身も少し気が大きくなってしまっているのだと思っていたリュー。
「不味い……このままでは……」
だが今バン=デンダが口にした発言は聞き逃せるものでは無い。既に自分が知る王はいないのだと胸に手を当て直面した事実を飲み込んだリューは、気配を悟られぬよう静かにその場から離れヒトクイが向かった王都ガウルドに向けデンゲ砦を飛び出していった。
「……んん? ……忠実な駒だと思っていたが……」
リューは物音一つ残さなかった。それにも関わらずそこにリューがいたことに気付いていたバン=デンダは、ブタのような鼻を鳴らした。するとバン=デンダの周囲からは禍々しい黒い気配が現れ贅肉だらけのその体に纏わりつくのであった。
― 王都ガウルド 町門前 ―
王都ガウルド制圧の命を強制的に言い渡されたヒトクイは、作戦も準備もままならぬ状況の中、その足を王都ガウルドへ向けることになった。だが誰一人としてヒトクイの者達の表情に不安の色は無い。それは一人一人が己の実力と今までの戦いの中で自信を付けてきた証拠であった。作戦も準備も十分ではないがヒトクイの者達の士気は、最高潮に高まっていた。
そんな王都ガウルドに向かっている道中、ヒトクイの大将であるヒラキは突然、気になることがあると言って単独で王都ガウルドへ侵入したいと言いだした。
これまで命令無視は渋々黙認されてきたヒラキではあったが、バラライカは当然として流石に今回ばかりはヒトクイの他の者達もその我儘を許さなかった。もし行くのであれば自分たちも同行させろという者の声も多く上がった。
だがヒラキは自分の我儘を突き通し同行も許さないと言い放った。どこか普段とは違うヒラキの雰囲気に圧倒されるヒトクイの面々。頭を下げるヒラキの姿が決定打となり、その我儘に異議を唱える者はいなくなった。
こうしてヒトクイから先行して単独で王都ガウルドへ向かったヒラキは、王都ガウルドの入口の一つである町門の前に立っていた。
「……」
巨大ではあるが防衛力はそこまであるとは言えない作りの町門を黙って見つめるヒラキ。ヒトクイによる王都ガウルド制圧が開始されるまで残された時間は少ない。その限られた時間の中でヒラキには果たさなければならないことがあった。
「待て……これ以上進むのは駄目だ!」
息を殺し、王都ガウルドへ侵入を試みようとヒラキが足を踏み出そうとしたその瞬間、どこからともなくレーニの声が聞こえた。その声は焦りと必至さがあるものでヒラキはその声に踏み出そうとした足を止める。
「……レーニか」
影は自分の体の一部では無い。従い影に触れた所で普通の者にはその感覚は無い。だがヒラキは違った。足元に広がる影が何かに触れられているような感覚を感じたヒラキは、自分の足元を見つめながら影の中に入りこんだ者の名を呼ぶ。
「……駄目、これ以上は行かせられない」
そう言いながらヒラキの影から姿を現したレーニは、両手を広げヒラキの行く手を塞いだ。
「……」
行く手を塞ぐレーニを見つめ沈黙するヒラキ。その表情は真剣そのものでありいつもの余裕が感じられない。
「……この先は既に人間の領域じゃない……いくらお前でもこの先を進めば命が無いぞ」
王都ガウルドから何かを感じ取っているレーニは黙るヒラキに対してそう告げた。
「そうかレーニ、お前にもあれが見えるんだな」
「なッ!」
そう口にしたヒラキの言葉に驚きの声を上げるレーニ。
「……ま、まさか……ヒラキにもアレが見えているのか?」
驚いた表情のまま視線を王都ガウルドに向けるレーニ。そこには王都全域に広がる暗雲が立ち込めていた。
「ああ、はっきりと見えている……俺はアレを……人の負の感情を浄化する為にこの世界にやってきたんだ」
そう言いながらレーニと同じく王都ガウルドに視線を向けるヒラキ。
「……この世界にやってきた? ヒラキ……どういうことだ?」
ヒラキが口にした言葉が理解できず動揺を隠しきれないレーニ。
「俺は……この世界の人間じゃないんだ……この世界からすると異世界……て言えばいいのかな、この世界とは別の所からやってきたんだ」
驚いた表情で自分を見つめるレーニに淡々と今まで話してこなかった素性を語るヒラキ。
「……別の世界? 異世界だと?」
だがヒラキから説明を受けてもそれを理解することが出来ないれ―二。
「誰が何のために俺をこの世界に送りこんだのかは知らない、でもこの世界に誕生するアレを浄化しろっていう役目だけは何故か知っていた」
「……アレ……とは……『闇』のことか?」
ヒラキがアレと称する物に対してレーニはそれが『闇』であると伝えた。
「……『闇』か……うん、名前は違うが、多分俺とレーニが見ているアレは同じだ、俺はその『闇』を浄化する……」
名称が異なるのか少し考えた後、同じ物だと結論付けたヒラキは頷くと、レーニが分かりやすいようにアレの名称を『闇』と言い換え己の使命をもう一度口にした。
「……」
ヒラキが口にした内容が衝撃的過ぎて言葉にならないのか、レーニは口を開けたまま思考が停止する。ただレーニが思考が停止する中、最後に抱いた感情はどうすることも出来ない悲しみであった。
ガイアスの世界
デンゲ砦の重要性
デンゲ砦より外側は全て以前までは他の領土であった。その為外側にある拠点への物資や人の搬入は全てデンゲ砦を通らなければならず、領土を広げたガウルド国にとっては重要な拠点であった。




