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そろそろ真面目で合同で章(アキ&ブリザラ編)1 これまでの経緯、呼ぶ声を信じて

ガイアスの世界


 フードを深く被った女性


 フードで隠されその素顔は分からない女性がなぜ闇帝国ダークキングダムの本拠地にいたのかは不明。しかしその言動から強い者を求めていたことが伺える。

その言動は少し狂気じみており、正常な精神の持ち主ではないことも分かる。

 そんな彼女が使っていた得物は刀。その刀から繰り出される技は抜刀術であった。





 そろそろ真面目に合同で章(アキ&ブリザラ編)1




 剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス




― ヒトクイ ゴルルド 市場 ―




 夏のうだる暑さが引き、僅かに涼しい風と共に秋の訪れを感じられるようになった頃。ヒトクイの首都であるガウルドから少し行った場所にある初心者冒険者や戦闘職が集まる町、ゴルルドに並ぶ露店にもそれを証明するように秋の食材が並び始めた。


「これが……マツノウラダケですか……」


 そう口にした少女は露店に並ぶ食材の一つに視線を落とした。茶色く丸々と太った茸、ヒトクイでは秋の特産として有名なマツノウラダケを手にとった少女はその茸を興味津々に見つめた。

 一年の半分以上を雪と氷が支配する大地を母国に持つ少女にとって四季の移り変わり自体が珍しく、先日までの暑さや現在の僅かに涼しい風、季節によって変わる様々な食べ物など、ヒトクイの季節の変化は彼女にとって全てが新鮮であった。


「あん?」


興味津々でマツノウラダケを見つめる少女のその声に、マツノウラダケの他、様々な食材を取り扱う露店の店主は作業の手を止め立ち上がると食材屋と言うにはあまりにも逞しい両腕を組みながら厳しい表情を向けた。

 それもそのはずで、秋が旬であるマツノウラダケは入手するのが困難で高級食材に指定されている。一本何万ともなる高級食材を勝手に手に取られて気分が良い物では無い。それに少女が冒険者や戦闘職なら尚更だ。

 大きな盾を背負う少女の姿は紛れも無く冒険者か戦闘職のそれである。華奢な体に対してあまりにも大きな盾。どう考えても戦いの場でその盾に振り回される新米という姿が想像できる。凄腕や中堅ならいざ知らず新米は稼ぎも低く、到底マツノウラダケという高級食材を購入するだけの金を持っていないことを知っている店主が新米にしか見えない大盾を背負う少女に厳しい表情を向けても何らおかしなことではない。

 

「お? よぉなんだ嬢ちゃんか! 迷宮ダンジョン帰りか?」 


 だが次の瞬間、厳しかった表情は破顔し満面の笑みを浮かべながら店主は知り合いのように少女に話しかけた。


「ええ、今日も成果は見られませんでしたが……」


この町に来てから数週間、ひょんなことから店主と見知った間柄になっていた少女は、今日の成果を残念そうな表情で報告する。しかし店主に成果報告をする少女のその姿は冒険者や戦闘職にしては礼儀正しすぎた。その立ち振る舞いも冒険者や戦闘職というよりは何処かの貴族などを思わせる。しかしそれを鼻にかける事無く、気さくな雰囲気を持つ少女の雰囲気は厳しい眼光を持つ食材屋の店主の心も簡単に解してしまう。


「そいつはな、今日近くの山で採れたものだ、ほれ匂いを嗅いでみな」


そう言いながら店主は少女にマツノウラダケの匂いを嗅いでみろと勧める。


「……香り? ……クンクン……」


店主の指示に素直に従い、少女はマツノウラダケに鼻を近づけその匂いを嗅ぐ。


「……ッ! 凄くいい香り!」


マツノウラダケから発せられる上品な香りに目を白黒とさせ驚く少女。


「ガッハハハ! そうだろうそうだろう! こいつは直接焼いて良し、吸い物、炊き込み、後は茶碗蒸しなんかに入れてもその匂いと相まっておいしいぞ!」


少女の反応に気を良くしたのか、店主はその見た目からは想像もつかないマツノウラダケの様々な調理法を次々とあげていく。


「ねぇ二人共、この茸凄く香りが良いですよ!」


店主の話に頷きつつ少女は行動を共にする仲間にマツノウラダケの香りを伝えようと自分から少し離れた所に立つ男女二人組の連れに声をかけた。


「……」「……」


互いを視界に入れたくないのか少女が声をかけた二人は別々の方向を見ており反応を示さない。


「……相変わらず、あの二人は中が悪いのか?」


少女のお仲間とも顔見知りになっている店主は、少し離れた所で互いに顔を背けながら立つ男女二人を見て呆れた表情でそう呟いた。


「もう……ねぇ二人共!」


「……」「……あ、はい!」


見るからに強者と言わんばかりの漆黒の全身防具フルアーマーを纏った男は、少女の二度目の呼びかけにも反応することなく何処かを見つめたまま。その隣に立つメイド姿の女性は反応が僅かに遅れて少女の呼びかけに気付き近寄ってきた。


「……どうしたのブリザラ?」


そのメイド姿から少女のお付か何かかと思われた女性。だが女性は少女に対して別段かしこまった様子は無く、ブリザラと名前で呼ぶ。しかし女性は呼びかけには応じたものの、話は全く聞こえて無かったようで、何があったのかと尋ねた。


「……そのこの茸の香りがとても良い匂いだったから……ピーランにも教えたくて……」


メイド服の女性をピーランと呼んだブリザラはいつもと少し様子の違うピーランに疑問を抱きながら、こちらへ呼んだ理由を口にした。


「……マツノウラダケか……良質な物だが……買う気か?」


見ただけでブリザラが持つマツノウラダケが良質な物である事を見抜いたピーランは、それを買うのかと少し強張った表情で尋ねた。


「う、うん……良い匂いだし、おじさんが料理にするとおいしいって……」


少し表情を強張らせるピーランの表情に僅かに不安を抱くブリザラ。


「そ、そうか……だが本当にいいのか……そのマツノウラダケは、私の見立てでは一本二万、いや、三万はすると思うが……」


「え……」


ピーランの言葉に絶句するブリザラ。マツノウラダケ一本のその価格に、顔を引きつらせたブリザラは、その顔で露店の店主に視線を向ける。


「むふふふ」


店主は満面の笑みはピーランの言葉が真実であることを物語っていた。そしてその表情の裏にはしっかりと商売人の顔が隠れていた。




「うぅぅぅ……痛い出費だよ」


知り合い価格ということで、店主はある程度値段をまけてはくれたが、それでも明らかに重みが減った財布の中身を見つめながら自分の軽薄な行動と無知さに肩を落とすブリザラ。


「これだから箱入りのオウサマは困る、無暗やたらに商品を手に持つから買うことになるんだ」


ブリザラの事をオウサマと独特なあだ名で呼ぶ漆黒の全身防具フルアーマーを纏う男は、追い打ちをかけるように嫌味を零す。


「うぅぅ!」


漆黒の全身防具フルアーマーを纏う男の追い打ちに更に肩を落とすブリザラ。


「あの男の言葉など真に受けるなブリザラ、今日ダンジョンで手に入れた素材を売ればおつりがくるはずだ」


気を落とすブリザラを見てピーランは励ますように今日ダンジョンで手に入れた戦利品である魔物の素材を見せつけた。


「ふん……初心者迷宮ルーキーダンジョンで手に入れた素材がいくらになるんだよ」


だがそれに水を差すように漆黒の全身防具フルアーマーを纏った男は呆れた表情でそう言葉を挟む。


「むぅ……お前ぇぇぇ……」


ブリザラを元気づけようとした自分の行動を蔑ろにしようとする漆黒の全身防具フルアーマーの男の言動に怒りを露わにするピーラン。


「やるか? 俺は何時でもいいぜ」


何処か苛ついた様子の漆黒の全身防具フルアーマーを纏った男は、怒りを露わにするピーランの様子に戦闘態勢をとった。


「ピーランもアキさんもやめて!」


ピーランと漆黒の全身防具フルアーマーを纏った男、アキの一触触発の状況に割って入るブリザラ。


「二人が喧嘩を始めれば、この町は一瞬にして火の海です、自分たちの力を自覚してください!」


先程までとは違い、何処か威厳のある雰囲気でブリザラは一触即発状態にある二人を注意した。


「……申し訳あり……ごめんブリザラ」


「……チィ」


ブリザラの注意が利いたのか、一触即発状態であった二人は互いに矛を収めた。


「……はぁ……俺は先に宿に戻る」


興が削がれたと言う様子で、しかし未だ苛立ちを内包するアキは、先に宿に戻る事をブリザラに伝えると黙ってゴルルドの町の奥へと進んで行ってしまった。


「はぁ……全く、あの男には団体行動という概念が無いのか……」


自分たちの下から去って行くアキの背を呆れながら見つめるピーランは深くため息をついた。


『……ここ数日、光の迷宮ダンジョンに潜って何の成果も出ていないことにあの男は焦っているのだろう』


何処からともなく聞こえてくる渋さが目立つ初老の声。


「……そうなのかな」


自分の下から去って行くアキの後ろ姿を何処か寂しそうに見つめるブリザラはその初老の声を平然と受け入れ答えた。


「……確かにキングの言うこともそうだが……」


ブリザラと同様に何処からともなく聞こえてくる初老の声に平然と対応するピーランは、その声の主をキングと呼んだ。


「キングも早くその機能不全を直したいよね」


背に担いでいた大盾を自分の前に軽々と移動させたブリザラは、まるでその大盾がキングであるかのように話しかける。


『ああ、早く自分の機能不全を修復して本来の力を発揮できるようになりたい……だが、小僧は私以上に自分が纏うクイーンの機能不全を修復したいはすだ』


そう思いを告げるキングの言葉は、ブリザラが手に持つ大盾から発せられていた。

 世界に散らばる暗黒の時代に作られたとされる伝説の武具。手にすれば一騎当千の力を得られると噂の伝説の武具は、冒険者や戦闘職が一度は夢を見て追い求める物である。そんな伝説の武具の大本となった武具が存在する。

 暗黒の時代より更に前、既に人類史に記録が残っていない遥か昔に作られたとされる武具。それがブリザラの持つ大盾、そしてアキが身に纏う全身防具フルアーマーである自我を持つ伝説の武具、伝説武具ジョブシリーズである。

 暗黒の時代に作られた伝説の武具は、その伝説武具ジョブシリーズを元に作られたいわば模造品、悪く言えば失敗作であった。


「アキさんは……力を追い求めている……」


不安げな声色でそう呟くブリザラ。


『そうだ……小僧は自分が内包する力を押える為にそしてその力を制御する為にクイーンの機能不全を解消したいと考えている』


 アキは自身が内包する力を持て余していた。その力とは自身が纏うクイーンが取り込んだ闇の力、負の力である黒竜ダークドラゴン。しかしその力は日を追うごとに強大になり、アキ自身では制御が困難になり危険な状態になっていた。

 だがこれはアキだけの問題では無い。闇竜ダークドラゴンを取り込んだクイーン自身が大きく関係している問題だった。

 現状、クイーンやキングは、本来自身が持つ力を完全に発揮することが出来ていない。その理由はクイーンやキングが現在、機能不全にあるからだ。

 その機能不全さえ解消すれば、クイーンは自らが取りこんだ闇の力、黒竜ダークドラゴンの力を制御することが可能となる。そう信じているアキは、一秒でも早くクイーンを完全な状態にしたかったのだ。そんな中、ブリザラたちはその機能不全を解消する為の有益な情報を持っていた。クイーンやキングの機能不全を解消する方法は二つ。

 一つはガウルドにいるロンキという獣人の鍛冶師に直してもらうこと。しかしこれには問題があった。

 ロンキは伝説武具ジョブシリーズを生み出したとされる創造主なる人物の人格の一つが埋め込まれた人物である。だがその人格、情報データがクイーンとキングの宿敵である元同胞、自我を持つ伝説の本ビショップによって改ざんされており、直接処置を受けることが危険だということが分かった。

 その事実を知ったブリザラとアキは一悶着の末、ロンキに直接修復してもらうことを断念、もう一つの方法にかけることにした。それが二つ目の方法、光の迷宮ダンジョンの奥、最深部にある隠し部屋に向かう事だった。


「……でも、本当に光の(ダンジョン)の奥に隠し部屋なんてあるのかな? もう何度も潜っているけど、そんな場所なかった……」


しかしこの方法も簡単ではなかった。

 光の迷宮ダンジョンに潜る為、その付近にある町ゴルルドへ向かったブリザラ達。迷宮ダンジョン探索には打ってつけの能力を持つピーランの力も借り、毎日のように光の迷宮ダンジョンを隅々まで探索したが、一向にその場所を見つけられず既に数週間が経過していた。


『うーむ、まだ見落としている場所があるのか……それとも何かカギとなるものが必要なのか』


 自分たちさえいれば隠し部屋への通路が開けると思っていたが、その当てが外れお手上げ状態となるキング。


「……」


「ピーラン?」


キングと光のダンジョンの最奥にある隠し部屋について話していたブリザラは、全く会話に入ってこないピーランに声をかけた。


「あ、ああ……その事はまた明日でいいんじゃないのか? とりあえず私たちも宿屋へ戻ろう」


何処か上の空な返事をするピーランに首を傾げるブリザラ。


「……ねぇピーラン? 今日何処かおかしいよ?」


今日一日、何処か様子がおかしい事をピーラン本人に告げるブリザラ。


「……そ、そんなことは無い、私はいつも通りだ!」


そう言いながらやたらと無駄な動きをブリザラに見せるピーラン。明らかに何かを隠している様子であった。


「……いや、ただの聞き間違い……幻聴だ……」


真っ直ぐに自分を見つめてくるブリザラの視線に耐えられなくなったピーランは、動きを止めると消え入るような声で不安を吐露するようにそう呟いた。


「何を聞いたの?」


ピーランの様子を見て、冷静に尋ねるブリザラ。


「盗賊団の時の仲間の声が聞こえた気がしたんだ……その声が死の間際のように苦しそうで」


普段、凛々しくブリザラの護衛を、時に場の空気を明るくする為に明るいピーランの表情が今はそこには無い。あるのは不安で押し潰されそうな少女のような顔をしたピーランだった。


「……ピーランの昔の仲間に危機が迫っている」


ただの空耳、気のせいとそこで話しを終わらせることもできた。ましてやピーランの昔の仲間とは、盗賊である。もし聞こえた声が本当だとしても盗賊から足を洗ったピーランには関係の無いことで関わる筋合いは無い。しかしそんなピーランの話を真剣に聞くブリザラ。


「ピーランの昔の仲間が居る場所は分かる?」


そしてブリザラはピーランのその言葉を信じた。


「え? ……いや、ただの空耳や幻聴かもしれないし……」


ブリザラの言葉に驚くピーラン。


「ううん、そういう声が聞こえたのなら、きっとその人達はピーランに助けを求めているはずだよ!」


よく分からない理屈でピーラン自身が信じられていない状況を肯定するブリザラ。



「ま、まって……そいつらは盗賊だ、いつ命を落としてもしょうがない奴、助けに行く必要な……」


「そんなこと無い、ピーランがそんな顔になるってことはその人たちはピーランにとってはとっても大切な人達でしょ? なら助けに行こう!」


盗賊であろうとピーランにとって大切な者達ならば助けに行こうと、ピーランの言葉を遮り、食い気味に言うブリザラ。


「で、でも……光の迷宮ダンジョンはどうする? 早く隠し部屋を見つけ……」


「そんなのは後……キングもそれでいいよね!」


またしてもピーランの言葉を途中で遮り、食い気味に自分の意思を伝えたブリザラは、キングにも同意を求めた。


『……はぁ……問題は……ない』


思う所はあるが、こうなったらテコでも動かないことを知っているキングはやれやれという感じでブリザラの意思を尊重することにした


「それで、その人たちが今いる場所は?」


再度、ピーランの昔の仲間たちの居場所を尋ねるブリザラ。


「分からない……私たちは世界各地に散らばっているから……でも……本拠地アジトなら彼らの居場所が分かるかも」


「なら、とりあえずその本拠地アジトに向かおう! それでその本拠地アジトは何処にあるの?」


既に盗賊からは足を洗ったとはいえ、元盗賊であるピーランにその本拠地アジトを真正面から尋ねるブリザラ。


「……ガウルドの……旧戦死者墓地……」


自分の為に、そればかりか何の関係も無い自分の仲間の為にここまでしようとしてくれるブリザラに申し訳ない気持ちでいっぱいになるピーラン。


「よし! ガウルドだね! キング、クイーンに迷宮ダンジョン探索はひとまず一旦お休みして、これからガウルドに行ってくるって伝えて」


『分かった』


ブリザラに言伝を頼まれたキングはそれを承諾した。


「……?」


ブリザラが差し出した手に首を傾げるピーラン。


「行こう!」


そう言ってピーランの手を強引に掴んだブリザラは、ピーランを引っ張った。


「ブリザラ……」


自分よりも年下であるブリザラの表情が以前よりも更に頼もしく見えたピーランは手を引かれ思わず泣きだしそうになる自分を押えてその場から走り出した。


ガイアスの世界


 ヒトクイの秋の味覚、マツノウラダケ


 四季が存在するヒトクイには季節によって特産が変わる。食欲の秋とも言われるこの季節は、ヒトクイの一年の中で一番多くの特産食材が食材屋や料理として並ぶ時期である。

 その中で秋を代表とする特産食材がマツノウラダケである。

 上品な香りを放つマツノウラダケは市場に流通することが少なく、高級食材としても有名である。

しかしその匂いとは裏腹に味はそこまで強くなく人によっては好き嫌いが分かれる食材とも言われているとかいないとか。

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