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時を遡るで章(スプリング編)15 失われていく心

ガイアスの世界



 アカリフ大陸に住む者達


 自然が多く広大なアカリフ大陸には確認出来ているだけで四十を超える部族が存在している。基本的には同じ種族が集まった部族だが、中には何種族もが集まった部族も存在しており互いを助け合い

生活している者達もいる。

 部族同士による衝突は多いが、それはごく一部の部族だけで、大半の部族は自分達の部族を守る為に戦っている。

 



 時を遡るで章(スプリング編)15 失われていく心




 青年が自我を持つ伝説の武器に出会う前……




 少し前まで勝利の酒と称して宴を催していた傭兵たちが酔いつぶれた頃それは起った。突如として野営地に傭兵たちの悲鳴が響き渡ったのだ。

 発端は何処からともなく飛んできた先端に火が付いた矢。それが数百本と傭兵たちが眠る野営地に降り注いだのだ。野営地に並んだテントには火矢が刺さりすぐにその場は火の海と化していった。

 夜襲。野営地に火矢を放ち夜襲を仕掛けた者達は、前日に野営地の傭兵たちとの戦いで敗北し退却を余儀なくされた者達によるものであった。

 寝込みを襲う火矢による夜襲は功を奏し野営地にいた傭兵たちは火の海を前に完全に逃げ道を失い混乱状態に陥っていた。


 一見、等しく命が軽視され制約ルールなど無いように思われる戦場。しかし以外にも戦場には暗黙の掟と呼ばれる制約ルールがいくつか存在する。その一つが時間。戦には定められた開始時間と終了時間が存在する。場所や時期によってまちまちではあるが、戦の開始時間は太陽が昇り周囲がしっかりと見渡せるようになった頃。終了時間は日没、陽が落ち周囲が暗くなった頃となっている。

 しかしそれはあくまで暗黙の掟。この掟を破ったからと言って別段何か罰せられる事は無く、あるとすれば卑怯だ何だと罵られるぐらいだ。しかしそれは人間が戦争をする上でのルールである。

 人間が作ったルール、ましてやはっきりと定められた訳でも無いその暗黙のルールを彼らが守る道理は無い。彼らは人間では無く亜人や獣人なのだから。

 そもそも土足でアカリフ大陸にやってきたのは人間。そんな人間が自分の欲望を満たす為に戦を仕掛けてきているのだ。どんな仕打ちをされても文句を言われる筋合いは無い。これがアカリフ大陸に住む一部の部族の考えであった。あくまで自分たちの行いは自衛、正当防衛、やらなければ自分たちがやられる。そんな考えの下、彼らは亜人や獣人は人間が寝静まった野営地に火矢を放った。


 夜襲による奇襲。降り注ぐ火矢から逃れた傭兵たちは、野営地に侵入した亜人や獣人に不意を突かれ抵抗する暇も無く蹂躙されていった。そもそも人間よりも身体良力が高い亜人や獣人にとってみれば武装していない人間など赤子の手を捻るように簡単であった。

 だが人間の中には魔法を扱える者がいる。簡単な魔法ならアカリフ大陸の亜人や獣人でも扱える者も存在してはいるが、どの魔法も戦において実戦向きとは言えず、殆どの亜人や獣人は己の身体能力を駆使することが多い。その為、アカリフ大陸に住む亜人や獣人は魔法に対しての対抗策を殆ど持っていない。

 それを知っている一部の魔法を扱える傭兵は、様々な魔法を駆使して襲撃してきた亜人や獣人に応戦する。しかし火の手が上がった野営地という状況、そして何より襲撃してきた亜人や獣人の数には勝てず魔法を扱える傭兵たちは一人また一人と亜人や獣人に確固撃破され殺されていった。

 そんな混乱を極める野営地の中で一切の動揺をみせず迅速で的確な行動をとっている者がいた。


「ぐぅああああああ!」


亜人と獣人による襲撃を受けている今、野営地の至る所から傭兵たちの断末魔が至る所で響いている。だがその悲鳴を発したのは傭兵では無く野営地に襲撃を仕掛けた獣人の一人であった。燃え盛る炎の音と傭兵たちの悲鳴にかき消されその獣人の悲鳴は仲間たちには届くことは無い。


「おい、お前は右から周り……」


後方にいる仲間に指示を出そうと振り返った亜人は言葉を失う。いや正確には奪われたというのが正しい。振り向いた瞬間、亜人の頭は胴体から落下していた。


「ん?」


突然喋らなくなった仲間に気付いた別の獣人や亜人が振り向く。


「なっ!」


振り向き後方を確認した獣人は既に絶命している獣人と首を落とされた亜人の死体に短く驚きの声を上げた。


「どうした!」

 

驚く獣人の声に前を進んでいた亜人や獣人たちが足を止める。


「気を付けろ、仲間がやられ……」 


仲間の死体を確認した獣人は表情を強張らせながら前にいる仲間たちに警告する。だがその警告を言い切る前にその獣人は縦に真っ二つとなった。


「あ……?」


一瞬自分たちの前で起った光景が理解できない獣人や亜人たち。そこには真っ二つとなった仲間の間から姿を現した人間の姿、スプリングがいた。


「ハッ! 人間が仲間を殺しやがった! やれぇぇえええ!」


僅かな間の思考停止。再び思考が動き出した亜人の一人は怒りを露わにしながらそう声を張りあげ同じく思考停止していた仲間たちを我に返らせた。


「がぁあああああああ!」


目の前に転がる仲間たちの死体。仲間たちを死体に変えたのは目の前に立つ人間であることは明らか、獣人の一人はまるで獣のような雄叫びを上げると周りの仲間たちよりも早くその人間へと飛び出して行った。

 スプリングよりも縦にも横にも大きい獣人。そんな巨体であるにも関わらずスプリングに突っ込む速度は恐ろしい程に速い。その速度のまま獣人は力任せにスプリングの頭目がけて手に持った得物を振り下ろした。

 それは刃先が潰れ碌に手入れもされていない剣。到底何かを切断できるような代物では無い。だが力任せに振り下ろされるそれは剣としてはなまくらではあるが、鈍器としては十分な力を発揮する。

 獣人の身体能力が加わることでとんでも無い破壊力を生み出した剣という名の鈍器は、簡単に地面を砕いた。


「なっ!」


だが鈍器は地面に直撃しただけで狙っていた獲物を砕くことは叶わなかった。抉られるように砕かれた地面の周囲にスプリングの姿は無い。


「ど、どこにいった?」


目の前から忽然と消えたスプリングの姿を追う為に周囲を見渡す獣人。


「懐だ!」


離れた場所から見ていた亜人の一言に獣人は即座にその視線を自分の懐に向けようとする。しかし獣人が下に視線を向けた時には懐に潜り込んでいたスプリングの剣が下顎から脳天へと貫いていた。


「……」


脳天を貫いた獣人に興味は無いというようにスプリングの視線は他の亜人や獣人に向けられている。その目は虚ろで一切光を通していない。


「ひぃひぃぃぃぃぃ」


「こ、こいつ『閃光』だぁぁぁぁ!」


目の前の光景を見ていた亜人や獣人たちは今自分達が何者と対峙しているのか理解した。そこ立っている人間は、前日の戦で自分たちの仲間を百人以上も殺した男、『閃光』であると気付いたのだ。

 湧き上がっていた戦意は一瞬にして削がれ恐怖へと変わる亜人や獣人たちは悲鳴を上げる。その場から動けなくなる者、一目散にその場から逃げ出す者。既に襲撃を仕掛けてきた者たちには見えない。


「……逃がさない」


怒りも悲しみも無い、それこそ感情の籠っていない声でそう呟いたスプリングは、剣に突き刺さって絶命した獣人の体を振り払うと、歩くように一歩を踏み出す。だが次の瞬間にはもうそこにスプリングの姿は無い。それはスプリングが『閃光』と言われるもう一つの由縁。高い身体能力を持つ獣人や亜人をも凌駕する素早い動き。それはスプリングの剣の師であるインセントとは真逆の戦い方であった。

 スプリングは戦意を削がれ恐怖しその場から動けなくなっていた亜人を、まるで次いでというように切り裂きながら通り過ぎると、逃げ出した別の亜人の後を追う。

 その場から逃げ出した亜人がスプリングから逃げられたのは僅かな時間であった。


「ぎゃああああああああああ!」


鈍く光る刃の剣が亜人の背中を縦に一閃。周囲に響く傭兵たちの叫びに混じって亜人の悲鳴が響き渡った。

 スプリングが愛用しているその剣は見た目、何処にでもあるような一般的な長剣ロングソードの形をしている。しかし一般的な物にしては切れ味が良く、特に鈍く光っている剣身がどこか不気味さを引き立たせ普通では無いと感じさせる。

 それもそのはずこの長剣(ロング―ソード)は自分の師であり『剣聖』であるインセントからスプリングが貰った特別なものであった。


 『剣聖』は剣と名の付く武器を極めた者、剣を扱う戦闘職の最上級の呼び名である。剣を扱う戦闘職ならば誰が一度は目指す目標である。

そんな剣を扱う戦闘職の憧れである『剣聖』の中には、剣を扱うだけでなく作りだすことも出来る者がいる。当然インセントは戦うことに対して一流であったが、剣を作りだすことにも長けた『剣聖』であった。

 剣の事を知り尽くしたインセントが作った長剣ロングソード。見た目こそ一般的な長剣ロングソードではあったが、その性能に関しては一般的なものとは大きく違う特徴を二つ持っていた。

 まず一つは、どれだけ切っても刃こぼれをしないというもの。本来武器というものは、戦いの後はしっかりと手入れをしなければすぐに使い物にならなくなる。しかしインセントが作りだした長剣ロングソードはその手入れをする必要が無い。どれだけ堅い魔物と戦おうと、数多くの敵を切り捨てようと一切刃こぼれしないのだ。その為スプリングはこの長剣ロングソードを手にしてから一度も手入れをたことが無かった。

 手入れが必要ないという時点で、一般的な物とは明らかに違う性能を持つこの長剣ロングソードにはもう一つ厄介な特徴があった。

 剣の存在意義とは、対象を切ることにある。そこには何の優劣もなく平等であることが絶対であるはずなのだが、しかしスプリングが持つ長剣ロングソードはある特定の対象に限ってその存在意義を放棄するのだ。その対象とは人間であった。

 魔物に対しては普通以上の切れ味を見せるこの長剣ロングソードだが、人間や亜人、獣人に限ってその切れ味は影を潜め殺傷能力を失うのである。勿論、打撃武器として考えれば、人間であろうと亜人や獣人であろうと殺傷することは可能だが、剣としての存在意義、切るということが人間や亜人、獣人に対して出来ないのだ。

 なぜインセントはわざわざこんな癖のある特徴を持った長剣ロングソードをスプリングに渡したのか、それはインセントなりの配慮からくるものであった。

 スプリングがインセントから長剣ロングソードを貰ったのは、まだ年端もいかない子供の頃。まだしっかりと分別が出来ない子供に人との命のやり取りをさせることをインセントは嫌ったのだ。 

 当然スプリングが何を考え、なぜ自分に着いてきたのかその理由を知っているインセントは、それでも人との命のやり取りを幼かったスプリングにさせたくは無かったのだ。

 インセントはあくまで自分の身を守る為、自衛する物としてこの長剣ロングソードに人を切ることが出来なくなる細工を施しスプリングに与えたのだ。

 しかし現在、その細工は機能していないのかスプリングは人を切ることが出来ないはずの長剣ロングソードで多くの亜人や獣人の命を奪い取っている。理屈はスプリング自身にも分からないが、ある日を境にインセントが施した細工は機能を失ったのだ。その頃からこの長剣ロングソードの剣身は、所有者であるスプリングの心を現すかのように徐々に鈍い光を放つようになったのである。


「……」


 周囲を見渡せば至る所に人間の死体。先程まで酒を飲みバカ騒ぎをしていた傭兵たちの息絶えた姿が転がっている。この状況からどれだけの傭兵が逃れられたのかは分からないが、野営地の八割以上が炎に包まれている時点で、既に戦を続行できるだけの戦力は残っていないと判断するスプリング。  

 傭兵たちの死体の中に自分を雇った依頼主の姿も発見したスプリングは、この場に居る意味を失っていた。


「行くか……」


目的が無くなった場所に長いする意味は無い。そう考えたスプリングは何事も無いかのようにその場から去ろうとする。数時間前まで共に戦場を駆け回っていた仲間の死体がいくつも転がっているというのにスプリングはその光景を目の当たりにしても怒りも悲しみも感じていないようであった。

 命が軽視され簡単に消費される戦場という場所において感情を消すといとう行為は生存に大きく繋がる。仲間を想い発せられる情によって湧き上がる悲しみや怒りは自分の命を危険に晒す行為になるからだ。それに仲間が一人死ぬたびにいちいち悲しんでいては精神的にも肉体的にも持たない。だからこそ傭兵という職業は戦いの場において感情を消し去ることが最善とされている。

 その為戦争外でも仲間と仲良くならないように距離を置く者は多い。互いの間に引かれた見えない線。その線を越えないよう越えさせないように互いが互いに適切の距離をとっているのだ。

 スプリングを酒の肴にして騒いでいた傭兵たちもそうだ。一見親しく見える彼らではあったがその実、互いの出身地や傭兵になった理由、それどころか名前すら彼らは互いの事を知らない。それは彼らが互いに一線を越えないように適切な距離感を保つ為であった。

 勿論スプリングもこの一年で仲間との間に一定の距離を置くことは学んでいた。しかしスプリングは彼らのように器用に距離感を計ること出来なかった。いやそれ以前にスプリングは優しすぎたのだ。

 出身地も傭兵になった理由も名前すら知らない赤の他人の死に対してスプリングは敏感過ぎた。同じ戦場を駆けた者が死んでいくことにその心を痛ませてしまっていたのだ。

 だから初陣から三カ月はスプリングにとって地獄だった。命が軽視さ消費れる戦場で名も知らぬ仲間の死に対してスプリングは一人、その命を重く感じ悩み苦しんでいたのだ。

 三カ月もの間苦しんだスプリングはある日、何の前触れも無くプツリと何かが切れた。消耗したスプリングの心は支えを無くし崩れて行った。それは人間としての精神の死とも言える。本来ならば戦場で戦えていることすら不思議でしかない。だがそんな精神状態てもスプリングは戦場に立ち続けた。

 そんな状態でもスプリングが戦場に立ち続けた理由、それは両親を殺した黒ずくめの男に復讐するという目的があったからだ。しかし例え復讐の為であっても過酷な状況に陥れば人の心は簡単に折れれてしまう。しかしスプリングの心は折れなかった。両親の仇を討つ。その気持ちは周囲や本人が思っている以上に、根深く強くスプリングの心に刻まれていたのだ。

 こうしてスプリングは普通の傭兵とは違うやり方で心を安定させていった。それが健全かと問われれば全くもって不健全であるとしかいいようが無いが、幸か不幸かそれによってスプリングは着実に驚異的に己の剣士としての技量を高めていった。


「まだ人間がいたぞ!」


 亜人のその一声に何処からともなくゾロゾロと亜人や獣が姿を現しスプリングを取り囲む。その数は十や二十では無い。ざっと見渡しただけで五十はいる。それでもスプリングの表情は変わらない。腰に携えた長剣ロングソードを鞘から抜剣したスプリングは構えるのも僅かに一番近くにいた獣人に向かって走り出した。

 鈍く光る剣身は閃光となって獣人の喉を穿つ。何が起こったのか分からないと言った表情で吐血した獣人はそのまま息絶える。即座に獣人の喉に刺さった長剣ロングソードを引き抜いたブリングは、その勢いそのまま近くにいた亜人へと飛びかかる。


「上だ!」


自分が狙われていることに気付かない亜人に対して少し離れた位置にいた獣人が声を張り上げる。


「上!」


獣人のその声に従い視線を空に向けた瞬間、亜人は黒い影とその影の中に居て一切存在を失わない鈍い光を見た。


「ゴっフォ!」


亜人の右目を入口として突き刺さる長剣ロングソード。その瞬間亜人の意識は消し飛び絶命した。


「一人で行くな皆でかかれ!」


僅か数秒の間に仲間が二人も殺されたのだ、その場にいる亜人や獣人の中にスプリングをただの人間だと思っている者はいない。一人では到底勝つことは出来ない、そう悟った一人の亜人はそう叫ぶと横にいた仲間と息を合わせスプリングに向かって各々それぞれの得物で斬りかかった。


「……」


だが既に亜人や獣人が斬りかかった場所にスプリングの姿は無い。動体視力が高い亜人や獣人でさえ捉えきれない動きで既にスプリングは別の場所にいた。

 スプリングに襲いかかった亜人や獣人を見つめていた他の者達の中に紛れ込んだスプリングは、綺麗な円を描くように長剣ロングソードを横に薙ぎながら舞った。鈍く光る剣身がまるで円を描いたようにその閃光を残すと次の瞬間、スプリングの周囲にいた亜人や獣人の首が次々と刎ね落ちていく。

 そして再びスプリングはその場から姿を消し、また別の場所に現れ同じく円を描くようにして長剣ロングソードを横に薙いで亜人と獣人の首を刎ね落していく。その繰り返しであった。


「終わったか……」


 亜人や獣人に囲まれその中を縦横無尽に駆け回ったというのに、息一つ切れていないスプリングは、腰に携えた鞘に長剣ロングソードを納めるとまだ生き残っている者はいないかと周囲を見渡した。

 僅か一瞬、それこそ一瞬と言ってもおかしくはない時の中で、スプリングは五十を超える亜人や獣人の首を一人残らず切り落としていた。首を失ったおよそ五十人の肉体からは大量の血液が噴出し、その場は一瞬にして池のような血だまりと化した。しかしその中にいてスプリングの身には一切、亜人や獣人の血が付着していない。スプリングは返り血を浴びる暇も無い程の速度で亜人や獣人たちの間を行き来していたのだ。

 血を噴き出し終えた首を失った亜人や獣人の体は、次々とその場に倒れ込んでいく。すると野営地を支配した炎が次々と首を失った肉体を呑み込み更にその勢いを増していく。炎と血液の色で赤く染まる野営地。そんな地獄のような光景をスプリングは何の感情も無くただ見つめていた。



ガイアスの世界


傭兵時代のスプリングの心の状態(前期、中期)


 傭兵時代、初期のスプリングの精神は戦場での度重なるストレスによって不安定であった。人の命が軽視される戦場を目の当たりにして彼の心は徐々に削りとられ失われて行った。

 中期になると防衛本能が働いた彼の心は、深く暗い場所に閉ざされ感情を失った。逆にそうなったことによって彼の心は安定し、そこからスプリングの力は脅威的な成長を遂げることになった。

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