もう少し真面目で章(ブリザラ編) 8 耐えがたい恐怖を打ち滅ぼす者
ガイアスの世界
ピーランの母親
ピーランの母親もピーランと同様に同じく忍であったようで火属性忍術を得意としていたようだ。
しかしピーランがまだ幼い頃に死亡している。死因の理由は現時点では分かっていない。
もう少し真面目で章(ブリザラ編)8 耐えがたい恐怖を打ち滅ぼす者
剣と魔法の力渦巻く世界、ガイアス
霊体であり本来ならば触れることが出来ないはずの上位精霊ウルディネの髪を掴み引きずりブリザラの前に現れたベンドットは、もう片方の手に持つ常人なら持つことも出来ない程の大きさを持つ特大剣を何の躊躇も無く降り押した。その一撃は技術も型も通わないただ相手へと振り下ろされる振り下ろし。風を切り裂くような轟音は響くがその軌道は振り下ろされたブリザラでも簡単に避けることが出来る。はずだった。
「くぅ……!」
重くそして鈍い金属音が水の溜まった大きな窪みしか残っていないその場所に鳴り響く。
目で追えるほどの速度しかないその一撃をブリザラは簡単に避けることが出来たはずであった。しかしその一撃を避けることはせず自分が所有する特大盾で防いだブリザラ。一見その行動はいつも通りに思えるが、避けられる攻撃をみすみす受ける必要は無く当然いつものブリザラならばその選択を選んでいたはずだった。
『ッ! ……王よ一旦距離をとるんだ!』
ベンドットからの重い一撃を受け、即座に距離をとることを提案する自我を持つ伝説の盾キング。その指示に従いブリザラは特大剣を振り下ろしたベンドットから距離をとる為後方へ飛んだ。
(か、体の反応が鈍い)
ベンドットから距離をとったブリザラは自分の体の反応が鈍いことに気付くと地面にめり込んだ特大剣を簡単にすくい上げ型に乗せるベンドットを見つめる。しかしいつものように相手をしっかりと見ることが出来ないブリザラの瞳は動揺で揺れていた。
(息苦しい……)
得体の知れない圧迫感に襲われるブリザラの顔色はみるみるうちに青くなっていく。
「はぁはぁはぁ……」
突然起こった体の不調に更に動揺が大きくなるブリザラの息が荒れる。
《クゥ! ……なるほど……王が言っていた嫌な感覚……その正体はこれか……これは王にとって不味い相手だ》
特大剣とぶつかりあったこと、そしてブリザラの不調でベンドットの正体が何であるかを理解したキングは、目の前に存在するベンドットが危険な存在であることを認識した。
『……ここにきて、サイデリーの環境が仇となった……王は今までこれほどまでの悪意や憎悪……いや、負の感情を向けられたことが無いのだ!』
他の大陸では考えられない程に王と人々の距離が近いサイデリー王国。そこで生きる人々の国民性は時に小さなぶつかりや喧嘩はあるが互いを思いやり助け合うことができる気持ちを持ったある意味、国の理想形とも言えるものだった。そしてその国民性は、亡き父から幼くして玉座を受け継いだブリザラにも向けられていた。
幼くして王となったブリザラは自分の役割を全うすることが出来ない状態が続いた。しかしそんな状況にもサイデリーの人々は文句を言わず暖かな目でブリザラを見守っていた。それは一重に歴代の王達がサイデリーの人々に対して積み重ねてきた信頼によるものが大きいと言える。更に言えば国全体を一つの家族として捉えているサイデリーの人々はブリザラの事を王というよりも我子として扱っていた。それ故にサイデリーの人々はブリザラが出しいことをすれば褒め、間違ったことをすればきちんと叱った。そこに王と人々という垣根は一切無い。
そう、ブリザラは今まで国という家族に囲まれ生きてきたのである。当然、我子同然のブリザラに対し悪意や憎悪を向ける者はいなかったのだ。
だからこそ今、ブリザラの心は折れそうになっていた。今までに感じたことも無い、それも人一人が放つにはあまりにも強大な悪意や憎悪を前にブリザラの心は恐怖し体の動きを鈍らせていたていたのである。
だがブリザラの恐怖心を掻き立てるのは自分の前に立ちふさがるベンドットから発せられているものではない。ブリザラに恐怖を植え付けているのはベンドットがその手に持つ特大剣、呪武器であった。
「あ、あああ………」
対峙するだけで呪武器が放つ負の感情がブリザラの恐怖心を急速に増大させていく。 突然浴びせられる負の感情に心が対応しきれないブリザラは、平常心を失い錯乱しつありありひきつけを起こすように体が痙攣を始めた。
『不味い!』
自分の所有者の状況悪化にキングは、このまま呪武器を持つ男と対峙し続ければブリザラの精神が壊れると判断し、盾である自らの形状を変化させ、触手状の金属を地面に突き刺しその反動でベンドットから距離をとろうと後方へと飛ぶ。
「まて……逃がさない」
だがそれを許さないベンドット。掴んでいたウルディネの髪を手放したベンドットは素早く深く沈み体当たりするような体勢をとる。その体勢から常人よりも遥かに巨大なその肉体に備わった太い脚で地面を踏み抜き蹴り飛ぶ。するとその一蹴りでベンドットの巨体はキングが稼いだはずの距離を即座に縮めた。
「ひぃ!」
覆いかぶさるようにして目の前に現れた大男に悲鳴をあげるブリザラ。
『ええいッ!』
突き刺していた触手を地面から引き抜き、体当たりのようにして距離を詰め寄るベンドットに向け放つキング。至近距離による鋭利な金属の触手攻撃。致命傷とはいかないまでも至近距離による目にも止まらない素早い攻撃はベンドットの肩を貫く。
「ふんッ!」
しかし深く刺さっていないのか、それとも深く刺さっても痛覚が無いのか肩を貫かれたと言うのに顔色一つ変えず漆黒の底のような色の瞳でブリザラを見つめるベンドットは鼻を鳴らし口元を吊り上げた。
『くぅ! 効いていないか!』
素早くベンドットに突き刺さった自分の触手を引き抜くキング。その触手を掴もうとするベンドットの手を掻い潜り即座に自分の下へと戻したキングは再びベンドットから距離をとる為、触手を地面に突き刺した。
「逃げるな、戦え」
狂気に満ちた笑顔で片言でそう言ったベンドットは、触手を追いかけるようにキングとブリザラを追う。
《ダメだ、王が戦意を喪失している状態ではまともに戦える相手では無い!》
武具は所有者が持つ戦う意思によってその真価を発揮する。所有者に戦う意思が無ければ、ただの置物に過ぎない。だがキングは違う。所有者の意思を介すること無く、戦うことが出来る。それはキングが盾でありながら自我を持っているからだ。しかしそれはあくまで所有者の身を守る程度、有効なのはキング単体の実力を下回る存在のみであった。
ベンドットの実力は明らかにキング単体の力でどうにかなる存在ではない。結局、自我を持っていようと武具、盾であるキングが本来の真価を発揮するには所有者であるブリザラの戦う意思が必要不可欠であった。
追いつかれ負の感情を乗せた呪武器の攻撃が次々と打ち込まれる。それを全て己の身で防ぐキング。
「いや、いやああああああああ!」
呪武器がキングへ打ち込まれる度に、悲鳴を上げるブリザラ。
《くぅ、攻撃を受けることすら出来ない》
ベンドットの攻撃を受ける度にブリザラの中にある恐怖心が増大していくこの状況では、まともに攻撃を受ける訳にはいかないとキングは触手を使い回避行動をとる。幸いベンドットの攻撃速度は遅くキングでも避けることができるが、盾であるキングにとってそれは自分の存在理由を否定しているのと同義であり屈辱であった。
だがそんな事を今は考えている暇はない。自分の存在理由よりも遥かにブリザラの身の安全を第一に考えるキングは屈辱に耐えながらベンドットの攻撃を避け続ける。
《捕まったら終わりだ》
呪武器の攻撃に織り交ぜながらブリザラを捕まえようとするベンドットの手。絶対にその手がブリザラへと届かないようにキングは目まぐるしく形状を変化させベンドットの手をうまく誘導して逸らす。
触手の一本でブリザラの体を支え、他の触手で素早く移動し、ベンドットの攻撃を避けるキングの姿はまるで蜘蛛のようであった。だが避け続けるのも時間の問題であった。ベンドットは徐々にキングの動きを捉え始めていたからだ。
《……くぅ! この男、元々の身体能力が高いのか!》
呪武器は所持した者の精神を壊していくという欠点を持つが、所有者の肉体の限界値を突破させ破滅するまで戦わせるという特性を持っている。最初キングは男の身体能力はその呪武器による影響だと考えしばらく耐え凌げば男は勝手に自滅すると考えていた。
だがウルディネとの戦闘を終え、現在キングと戦闘を繰り広げているというのにベンドットの肉体は自滅するどころか更にその巨体にそぐわない程に速度を増してきている。
呪武器の呪いを受けても尚、自滅することが無いその強靭な肉体は常人の域を遥かに超えていると言っていい。そしてそれは本来ならば所有者の肉体が崩壊するまで戦い続けさせる呪武器にとってとても相性のいい肉体であることを示しているのである。
まるで呪武器を扱う為に生まれてきたような男、キングは目の前で自分やブリザラに襲いかかるベンドットに対してそんな印象を受けざるを得なかった。
「捕まえた!」
一瞬の思考の隙間、キングは決して油断していた訳では無い。キングの思考速度を一瞬超える程の身体能力を見せたベンドットはキング諸共ブリザラを羽交い絞めにした。
『しまった!』
思わず声が漏れるキング。
『ええい!離せ!』
ベンドットに掴まれば終わりだと考えているキングは、下に伸ばした数本の触手でベンドットの体の至る所を突き刺す。それこそ人間ならば致命傷である頭部や心臓すら突き刺した。
「へへへ、痛くない」
しかしベンドットが痛みもがく姿も、動きが止まる気配も全く見られない。目玉は愚か脳の一部が吹き飛んでいるというのに自分やブリザラを羽交い絞めにしたベンドットの腕の力が緩むことはなかった。
《この男と呪武器の相性は良すぎる》
突き刺して駄目ならと触手を鋭利な刃物に変化させ首や手を切り落とそうとするが、本来キングにとって専門外である攻撃は、ベンドットの太い首や腕に傷をつけるだけで精一杯で切り落とすことは叶わない。
「お前、俺の、腕の中、潰れる」
「い、いやぁああああああああ!」
目玉や脳の一部をぶちまけるその姿は活動死体と殆ど変わらないベンドット。そんな姿をしたベンドットに羽交い絞めにされているブリザラは今までに無い程の悲鳴をあげ気絶した。
「死ね」
そう呟いたベンドットはブリザラを羽交い絞めにする両腕に力を込めようとした。その瞬間だった。
「ぬろ?」
間の抜けたような声をあげるベンドットは体勢を崩し倒れた。その衝撃で羽交い絞めにしていた腕は解け、その瞬間を逃さなかったキングはブリザラと共にその場から逃げ出す。
「はぁ……一瞬、意識が途切れたと思えば、まさか本当にムハードに戻って来ているとはな……」
重いため息の後に、自分の状況を確認するような独り言を呟く声がその場に響く。
「足、切れた」
自分の脚が切り落とされていることに倒れてから気付いたベンドットは独り言を呟く男に視線を向けた。
「ふん、おい盾野郎、こんな活動死体擬きに手を焼いているんだ?」
ベンドットの視線など気にせず、ブリザラを触手で抱え距離をとったキングに文句を垂れる男。
『お前は……小僧!』
ベンドットが視線を向け、キングが小僧と呼んだ者の正体、それはムハード砂漠にあるダンジョンに潜っているはずのアキであった。
「お前、強い、俺と、戦え!」
脚を切り落とされて尚、戦う意思が十分にあるベンドットは器用に片足で立ち上がるとも禍々しい程に負の感情を発する特大剣をアキに向けた。
「ブリザラ!」
『ピーラン殿!』
ベンドットから逃げるように距離をとったキングは、突然後方から響いた声に反応しその声の主の名を呼んだ。
「キング、一体何があった?」
駆け寄ってブリザラの体を抱き抱えたピーランは、意識を失っているブリザラの状態を見てキングに疑問をぶつけた。
「それはこちらの台詞だ、なぜダンジョンにいるはずのお前達がここにいる?」
だがピーランの問を無視し自分の疑問をぶつけるキング。
「なぜ私達がこの場にいるかなんて今はどどうでもいい、それよりもブリザラは大丈夫なのか?」
問に答える暇など無いと言い放ったピーランは自分の腕の中で意識を失っているブリザラの話に戻し再度キングへ尋ねた。
『……む、うう……命に別状はない……しかし……』
「命に別状は無い? ……何だその言い方は?」
どこか歯切れ悪くブリザラの状態を告げるキングに首を傾げるピーラン。
『うむ……肉体のほうは問題ないが、もしかすると王は精神を壊されたかもしれない』
「ハッ? どういうことだ!」
キングの言葉に目を見開き動揺を見せるピーラン。
『奴が持つ……呪武器の負の感情にあてられたのだ……負の感情に耐性の無い王は……』
そこまで言って言葉を止めるキング。
「……キング……やったのはあいつなんだな?」
普段から少し低めの声であるピーラン。しかしこの時はより低い声でキングにそう尋ねた。
『ああ、あの男だ』
頷くように返事するキングは静かで落ち着いてはいるが、ピーランのその言葉から激しい怒りを感じ取った。
「わかった……後は私に任せろ!」
そう言うとピーランは抱きかかえていたブリザラをゆっくりと地面に寝かせる。
『まて、奴はピーラン殿では歯が立た……ない』
今のベンドットを相手にピーランの実力では歯が立たないことは一目瞭然。だがピーランにそう言いかけたキングは言葉を止めた。
『何が……ダンジョンで何があった?』
以前よりも遥かに強い気配をピーランから感じ取ったキングは思わず尋ねていた。
「……」
しかしピーランはキングの問いかけを無視する。いや既にピーランの耳にキングの言葉は届いていない。それほどまでにピーランは激昂していた。自分の大切な存在であるブリザラを傷つけたベンドットに対し静かに、だが激しい怒りをピーランは向けていた。
片足で立つベンドットがいる方へと歩き出すピーラン。
「ん? お前、も、強い、二人、まとめて、相手する」
既に顔半分が消失しているにも関わらず、自分を挟むようにして立つアキとピーランを交互に見つめ狂気に染まった笑みを浮かべるベンドット。
「……アキ、悪いがお前は手を出すな……こいつは私一人でやる」
「……はぁ……」
ベンドットを挟みピーランと対峙したアキは、ピーランの表情が自分と戦った時よりも明らかに戦意、いや怒りに満ちていることに事に気付き、不満を含んだため息を吐いた。
「……しょうがねぇな、譲ってやる」
しかしアキ自身、目の前のベンドットに興味が無いのか、ピーランの願いを素直に受け入れると刃へと変化させていた手甲の形状を元に戻しベンドットに背を向けた。
「お前、戦わない? でも、俺、戦う」
背を向けたアキに対しそう言葉を発しながらベンドットは一本だけとなった足でアキに向かって飛ぶ。
「ふがぁ!」
しかし片脚で跳躍したベンドットはアキの下に届く事無く再び地面に倒れ込んだ。しかしそれはベンドットが片脚だったからでは無い。本人の身体能力と呪武器の身体強化があれば、例え片脚だけの跳躍だったとしてもベンドットならば余裕でアキの下へと辿りつくことができるはずであった。しかしベンドットは今、無様な姿で地面に這いつくばっている。
すると突然倒れたベンドットの目の前に落ちてくる物体。
「俺、脚?」
それはベンドットの残された脚であった。
何が起きたのか理解できていないといった表情で目の前に落ちてきた自分の太い脚を見つめるベンドット。
「釣れないな……普通、男ならばこういう場合、女の胸に飛び込んでくるものだろう?」
這いつくばるベンドットの背後に立つピーランは、炎で作りだした刃をチラつかせながら何とも無感情な視線でそう口にすると虫けらでもみるような冷たい視線をベンドットへと向ける。
「お前、俺の脚、切った……ふふふ、お前、やる、だから殺る!」
炎の刃を手にするピーランを見た瞬間、自分の脚を切り落としたのはこの女だと気付いたベンドットは両脚を失い機動力がほぼ失われたというのにその状況すら楽しむが如く、自分に冷たい視線を向けるピーランに対し、理性など微塵もない狂気に満ちた笑みを向けた。
「……ふん、その顔気に喰わないな、消し飛べ」
狂気に満ちた笑みを自分に向けるベンドットに対し一言そう呟くピーラン。すると周囲が突然熱気に包まれる。その熱気は次第に色を帯び、真っ赤な花の蕾を作りだした。
「赤い、花 花じゃ、俺、殺せない」
目の前に突然姿を現した赤い花の蕾を前にベンドットはそれでは自分を倒せないと呟くと呪武器を持たない方の手で地面を殴りつける。殴りつけられた地面はその衝撃で割れその反動でベンドットは飛んだ。その高さは腕力だけとは思えない程の高さだった。
「元気な奴だ」
腕力だけで高く飛び上がったベンドットのしぶとさを見ながら呆れたようにそう呟くアキ。
「ぶった切るぅうぅううううううう!」
楽しさが最高潮に達したのか、奇声を発したベンドットは落下速度を利用して赤い花の蕾ごと後ろに立つピーランを切り裂こうと呪武器である特大剣を振り下ろした。
「爆開花」
高く上がったベンドットの巨体と落下の勢い、そして呪武器の重さでその威力が恐ろしいことになくなっていることはその場にいる誰もが簡単に想像できる。しかし目の前に呪武器が迫る中、ピーランはベンドットの攻撃を避ける素振りを見せず一言、そう呟いた。するとその瞬間、蕾であった赤い花が開く。
「は、ははははぃえーぁあああああああああ!」
一瞬にして目の前が真っ赤に染まるベンドット。次の瞬間、ピーランが放った爆開花は落下してくるベンドットを巻き込みながら爆発を起こした。肉塊は愚か、塵すら残さずベンドットを消し炭にした爆開花はその威力に対し周囲に殆ど影響を及ぼすことなく役目を終えたというように忽然と姿を消す。
「……もっといたぶりながら殺すと思ったが……ふん……どうやらそれ所じゃないようだな」
忽然と姿を消した爆開花から視線をピーランに向けるアキ。そこには既に勝利を確信していたのか、ベンドットの死にざまには目もくれず意識を失ったブリザラへと駆け寄るピーランの後ろ姿があった。
意識を失っているブリザラを抱きかかえ、必至で呼びかけるピーランの姿を見つめるアキ。
「守る者がいるという強さ……これも強者か……」
ブリザラの状況を心配しキングに色々と尋ねているピーランの姿を見つめるアキはダンジョンの時に僅かにピーランに見せた寂しそうな表情でそう呟くのだった。
ガイアスの世界
爆開花
火属性忍術の一つで獄炎花と同様に花をモチーフにした忍術である。
獄炎花や咲き乱れとは違い、長くとどまるようなものでは無いが、瞬間火力は凄まじく相手を一瞬にして消し炭にするこれもまた酷い術である。
花がモチーフになっていることから、獄炎花と同じ人物が編み出した忍術だと思われるがやはり、爆開花の秘伝書は現在残っていない。




