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躁鬱
精神科病院の自動ドアが開く。鬱病と診断されたのだ。
いつからだろう、この世界がむせ返るような曇天になったのは。
好きだった二郎系ラーメンもいつしか疎遠になり、食事はゼリーだけで済ませるようになった。
好きだったあの歌も今ではただの成功者の説教にしか聞こえない。
全てがウザい。死ね。
喉に絡まったたんを溝に吐き捨てて、家のドアを開ける。
心というのは一度傷つけば元には戻らない。荷重を掛けすぎたせいで、もう伸び切って破断してしまった。
バラバラに散らばったエントロピーは不可逆的で元には戻らない。
キュウべぇが熱力学の法則に縛られないエネルギー源を探し続けたのも、今では理解できるような気がした。




