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20XX年

酩酊状態で将来をイメージしたときに、書いたやつです

いつの間にか失った何かを、たまに思い出す度、それを探す旅に出てしまう。


かつて受験祈願をし、私を名門大学へ導いてくれた北野天満宮の牛を撫でると、前よりも手垢がついていて、横の手水舎で手を清めなおした。


ここに何かは残っていなかった。


かつて飲み歩いた道頓堀の川は、時代の変化で、泥水だった頃が嘘のように、透き通っていて底が見える。


ここに何かは落ちてなかった。


かつて私にとっては高嶺の花だった、家内にプロポーズをした神戸の港は、誰もいない空きテナント街となっていた。


ここに何かは映っていなかった。


かつて必死に、昼夜問わずに働いたバイクの工場も、今ではショッピングモールに変わっていて、ここのフードコートで慣れないダブルチーズバーガーとポテトSを食べた。


ここに何かの味はしなかった。


かつての青春時代をともにした同級生との同窓会は、年を重ねるごとに一人、二人と姿を消していく。


日本の人口が一億人を切り、かつて先進国と呼ばれた場所はただ治安が良くて、飯が旨いだけの、虚しい場所へと変化したような気がした。


いつしか旅に行ける気力もなくなり、私は病院の窓からでしか世界を覗くことできなくなってしまった。


窓からは、子どもたちが遊んでいる景色が見える。深夜になれば、酔いつぶれた大学生が救急車で運ばれてくる。そして、上のフロアからは新たな生命が産まれた声がする。


最後に、私は小さな世界で、何かをまた見つける事ができた。

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