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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

コンビニまで5分

作者: 狐照
掲載日:2026/01/09

こんな時間なのに誰かとすれ違うなんて、と思ったが速度は緩めない。

走る俺を見て当然、女の人が驚きの表情を浮かべている。

お仕事帰りのところ不審者ダッシュを見せつけてごめんなさい。

でも、急がないと、いけないんです。

右手のペットボトルが水滴で滑る。

左手のシュークリーム、潰れてないか不安になる。

それよりも時間、時間だ、速度だ急げ急げ。





「おっせぇよ」


「はぁ…はぁ…す、んま、せ…」


何やってんだよと言いながら先輩が、俺が買ってきたペットボトルに口を付ける。

シュークリームは後で食べるからと、冷蔵庫にいれた。


「5分で買ってこい、ったよな?」


「はい…」


「お前まじでつかえねぇよな」


「ご、ごめんなさい…」


深い溜息を先輩が吐き出す。

息を静かに整えながら、俺は正座で次の言葉を待った。


「こっち、こい」


「は、い」


ベッドに寝そべる先輩の傍へ近寄る。

真黒な髪が艶々、蛍光灯でも光ってる。

ニヤって先輩が笑うから、背筋がゾクってした。


「…罰になるかな?」


「…あんま、なんない、かと」


先輩が好きだって言うから染めてる金髪、優しく撫でられ素直に答えてしまう。

やっぱそうだよな、そうぼやきながら先輩が俺を抱き寄せる。


「あ、汗、くさい、かも」


全力疾走してきたから、まだその熱も収まってないし、そう思って焦っても逃れようとは思わない。


「ん…むしろちょっと顔、冷たいな…風、冷えてた?」


「あー風は、冷たかったかもです」


そっかそっか、と呟きながら先輩がシャツの中に手を。


「せ、ん、ぱ…ン…」


「…も少し意地悪な命令考えとく」


「…ぁい…」






まだ寝ていたいのに、起床時間がくると起きてしまう。

まだ眠いから、二度寝しようと目を閉じる。


「…せんぱぃ…手、が…」


「先輩は寝ている」


寝起きじゃない声色だった。

結構前から弄られてる、気はしてる。

だって、だめに、なってる。


「せんぱい…します?」


後ろから抱き締められてるから顔は見えないけど、先輩意地悪な顔してる。


「…したい?」


「…ぁ…したぃ、です…」


「じゃ、しない」


「せんぱぃぃ」


首にふふって笑い声、掛かってくすぐったい。

きゅむってされて、もどかしさが募る。


「してよぉ…せんぱいぃ」


「こういう系の意地悪、きくのか…」


「先輩っ」


寝返りうって先輩に抱き付く。

さすがに嫌すぎる。


「ごめん、意地悪ってむずい」


先輩が優しく体を撫でまわしてくれる。

ちゃんとしてくれそうでなによりだ。


「意地悪ブーム…はやく終わってほし」


「なんか言ったか?」


「なにも、言ってませんよ、先輩」

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