Heart
「・・・・はっ!」
少年は突然目覚めた。
自分は何故ここにいるのか―前後の記憶がスッポリと抜けていた。
「あら、起きたみたいね」
純白の白衣をなびかせる養護の窪木先生。生徒からの評判もよく、熱狂的ファンも少なからずいる。
「僕は何故ここに・・・」
「お昼休みに女の子がここに運んできてくれたのよ。その子が言うには屋上で熱射病だったらしいじゃ ないの、気をつけないよ」
「は、はい・・・」
何故熱射病なのかは分からないが、あの女が屋上であったことを話してはいないようだ。
気を使ってくれたことぐらいはさすがに理解した。
あの子にはちゃんと謝っておかないといけない。事情はあったにせよ彼女は命の恩人だったのだから。
「はぁ~疲れた・・・」
「陽子ちゃん顔色悪いよ。何かあったの?」
「いや、今日はいろいろありすぎた」
理穂と陽子が校門を出ようとしたその時だった。
「見つけたぞ!!」
2人が後ろを振り返ると例の少年がいた。
「げっ・・・」
「誰?」
陽子は顔を引きつらせる。理穂はポカーンとしていた。
「あの時はよくもやってくれたな・・・」
「な、何のことかしらね・・・」
「ありがとう」
「へ?」
陽子は予想外の言葉にポカーンとする。
「キミがいなかったら、僕は本当に飛んでいたかもしれない。まぁ結構痛かったけど・・・なんという か、あの一発でもやもやが吹き飛んじゃった。すごい奴だな、ハハッ」
「謝られることじゃないよ」
「キミはつれないね・・・でも生きる意味を見つけた気がしたんだ、あの瞬間」
「だったらもうあんな無茶するんじゃないよ」
「うん」
「・・・・・。」
2人の間に沈黙が流れる。
「じゃ、私もうか、帰るね。また明日」
「待って!!」
返ろうとする陽子の手を掴む。
2人の距離がグッと縮まった。
「名前は知らないけど・・・僕と付き合ってください!!」
どーしてこうなるかな・・・・ホントに。陽子はなんと答えていいか分からない。
2人の間に強い風が吹いた。




