転校生はマヨラー
「ふぅ、終わった、終わった。飯だ飯!!」
4限目のチャイムが鳴り、昼休みになった。
生徒たちにしてみれば待っていましたと言わんばかりであろう。
「さてさて、美少女転校生の食事は如何に・・・・なぁ衛」
「ん、ああ、そうだな」
男子たちの注目が陽子に注ぐ、そんなときだった。
「ねぇ、良かったら一緒に食べない?」
陽子にそう言った眼鏡の女の子―同じクラスの牧野だった。
「うん全然いいよ!!アタシ、1人で寂しかったんだぁ。ねぇ名前教えてよ」
「あ・・・私牧野、牧野理穂。よろしくね野田さん」
「下の名前で全然いいよ。陽子って呼んで」
「じゃあ・・・陽子ちゃん」
「うん!!そろそろ食べよっか」
そして陽子の弁当のフタが開けられる。
クラス中が美少女の弁当箱に釘付けになった。
「いただきます~」
見たところ、野菜炒めと鶏肉のソテーと白いご飯。フツーだった。
「おいしそうな中身だね、陽子ちゃん」
「そうでしょ。そうでしょ。でもコレだけじゃ満足できないのが野田陽子」
陽子はバッグからあるものを取り出す。マヨネーズだった。
まさか・・・まさかそんなはずはないだろうとクラスは一種の戦慄に包まれる。
そして。
「やっぱり、マヨがないと始まらないっしょ!!」
陽子はおかずめがけてマヨネーズを大量にぶちまける。弁当のうわべがマヨで見えなくなった。変にてかって嫌な感じだった。
「うーん、最高」
陽子は何のためらいもなく大量にマヨのかかったおかずを食べ漁る。
見ていられないほどの光景がそこにはあった。
「よ、陽子ちゃん・・・お、おいしい?」
目の前で見せられた理穂の身体の震えが止まらない。
「すごく美味しいよ、理穂ちゃんもどう?」
「わ・・・私もうお腹いっぱいだからいいや。というか、胃が痛い・・・」
「あんまり食べ過ぎると身体に良くないよ。やっぱり食事は腹八分目!!」
「う、うん。やっぱりそうだよね・・・」
困惑しながらもコイツにだけは絶対言われたくないと思った理穂だった。